石垣島の観光絶好調
八重山地域には、2017年度は、約127万人が訪れ、そのうち、約107万人が国内、約20万人が外国客と推計されている。毎年10%の増加は今後も見込まれる。2018年の寄港計画が過去最多の140回に上っている。アジアの交流地点の一つになったと言ってもいい。 石垣島の人口は5万人強。毎日3500人の観光客が石垣島にいることになる。そのうち600人が外国の人たちだ。それほど大きな島ではないのだから、何処に行っても観光客がいるという状態になっている。6人一人が外国人観光客という、台湾中国に近い石垣らしい様子になっている。石垣に行けば、夜は民謡酒場に行きたいだろう。唄の島である。ビギンやキーヤマ商店、夏川りみ、大島保一さんの島だ。三線の唄を聞いて、カチャーシ―を踊りたいと誰でも思うだろう。思わない人も居るか。ともかく、酒場難民が店の前に食事を貰うので並んでいる難民状態なのだ。冬でも暖かい石垣だから、寒空にという事はないが。
夜の賑わいは3500人が毎晩支えている。これに伴って、石垣牛も観光客のお腹を満たさなければならない。牛の牧場は増えている。放牧地、牧草地が増加して、いわゆる放棄された荒れ地というものは年々減少している印象である。観光経済的には順調と言って良いのではなかろうか。ホテル建設ラッシュの様相がある。一時無理なリゾート開発に感じられた離れた場所のホテルまで、結構人が泊まっている様子がある。それは予約サイトを確認するとわかる。別荘地も荒れ果てた感が少ない。これは伊豆や箱根とは大違いである。こちらは観光客が増加したと言われてはいるが、いつでもまだ予約できる状況だ。石垣島は人口は微増程度と言われているが、住民登録をしない滞在者の増加があるから、増加傾向と考えても良いのではなかろうか。明らかに人手不足である。建築業、観光関連は特に人手が足りないと言われている。仕事があるなら、石垣に行きたいという人が増加するから、アパートを探してもなかなか見つからない。
観光産業が石垣島の将来を左右することは異論がないところだろう。それは石垣の昔からの住民にとって、慎重に方向を見定めなければならない事でもあろう。観光客が増加するという事は、環境の悪化につながりかねない。石垣牛が増えれば、あの世界一美しい海が汚れることになる。経済の活性化とは必ず環境への影響が起こる。と言っても当然のことながら、経済基盤が弱くなれば、公共事業の島になり自立できない補助金の島になる。観光客を呼び込んでいるのは、石垣の人たちの作り出している空気感だ。実際には移住者たちもそれに加わっているのだろう。観光業や居酒屋で働く人は、むしろ移住者の方が多いい位だ。それでも石垣の文化なのだと思う、緩やかでおおらかな人ごこちが観光客を迎えている。東アジアの中央に位置してきた、石垣島の地勢が生み出したものなのだろう。
石垣には大型クルーズ船が寄港できる港がない。宮古島や沖縄本島にはできることになった。ゴルフ場がないので、作ろうという動きもある。しかも、自衛隊のミサイル基地を作ろうという動きさえある。確かに本土の防衛には役立つかもしれない。しかし、本土の防衛の犠牲に石垣がなる道を選ぶ必要はないと、外部からは見えるが。東アジア諸国と仲良くなり、交流が増え、経済が活性化することが目の前に見えている。それは、石垣の文化伝統を守るという事なのだろう。よりナショナルであることが、インターナショナルにつながる。石垣毎日新聞に掲げられている「視点は地域、視野は世界」の言葉通りである。八重山民謡が大切にされるという事が、石垣を守るという事に繋がっていく。日本の平和主義の姿を石垣島が示してくれることだろう。