有権者の希望が排除された。

   

衆議院選挙最大の失言は、「排除」の一語であった。これで希望の党の希望は萎えた。小池氏の馬脚が見えてしまった。一度不愉快な気分を味わえばすべてが歪んで見え始める。政策の見えない政党である希望だけに、忽ち愛想をつかされた。麻生氏は北朝鮮のお陰で選挙に勝利したと正直に発言した。次の選挙でも北朝鮮を持ち出そうと決意したことだろう。政治家は言わなくてもいいようなくだらないことを発言してしまうのだろうか。人間はそもそも失言をするものだ。私もよく失敗をしている。ついその場の流れで口にでてしまう言葉がある。そしてくよくよ反省して眠れない夜を過ごす。そこに案外に心の底にある本音が見え隠れするから怖いのだ。小池氏はニュースキャスター的に流れの把握に巧みなのだろう。それゆえに民進党のなだれ込みで、希望の党が乗っ取られると感じたのだろう。上手の手から水が漏れたのだ。麻生発言には日本の保守主義者の本音が見えるような気がする。気の利いたことを言いたい性格の為に、本音がこぼれ出る。

小池氏の場合排除という言葉を使ったのは、質問した人が上手く誘導したからである。議員への質問はこうした深層心理にある何かを、質問によって引き出すという事が大切だ。そもそも小池氏は言葉を操り、政策なしに東京都知事になった。だから希望の党などという不思議な名称なのだ。排除という言葉の奥には、民進党議員の合流によって自らが、埋もれてしまいそうな小池氏の焦りがあったのだ。誰を総裁候補に推すのかと前原氏に迫られて困ったのだろう。前原氏の判断は間違ったわけではない。どうせ民主党は選挙で負けたはずだ。前原氏には共闘ができない事情がある。前原氏は自民党にいてもおかしくない人だ。その人を選択した民主党がすでに終わりだったのだ。どうせ終わるのなら、希望の党に合流しようと考えたに違いない。前原氏について行って、いまさら前原氏を批判しているぐらいどうしようもない議員ばかりなのだ。選挙の為には手段を択ばず。政治より選挙が大切な人たちなのだ。政治を選挙だと思い込んでいる政治家たち。

麻生的保守政治は良いことに向うのであれば、その手段がヒットラー手法であっても構わないという考えになる。ヒットラー手法とは、領土の奪還による民族意識の高揚、経済の再生による政権に対する支持の強化を意味しているのだろう。この2つを実現すると、大衆というものは簡単に騙せるという意味だと推測できる。騙すと本人は考えず麻生政治を自由に展開できると考えていると言ってもよい。中国を仮想敵国にすることで、選挙に有利になるというのがアベ政権の選挙だ。麻生氏の政治目標がどういう物かはあまり語ることはないが、日本の指導者になりたいというような、単純に権力志向の人に見えるが。総理大臣の家柄という家督相続の怖さ。どうやって、大衆を導けばいいか等偉そうに考えているに違いない。同じような出自の安倍氏の怖さは、操られていることに平気なところだろう。失言は自分の意思でしゃべった場合にだけ生ずる。

今回の衆議院選挙は3分の1の人が憲法改定。3分の1が平和憲法守る派。後の3分の1が憲法など関係ない派。こういう中でどのような議論が展開されるのかとても興味深いが。話はまとまる訳がないだろう。まとまらないままに、数の力で国民投票に向かう可能性もある。国民それぞれが自分で考えを決めてもらいたいものだ。自民党は憲法改定の為に、北朝鮮の力を借りようとするだろう。憲法改定にも北朝鮮と中国が利用される可能性が高い。立憲主義を認めていないのがアベ政権である。憲法に従うのであれば、北朝鮮や中国に対して、平和的手段にゆる紛争解決の道を探ることが命じられているはずだ。平和的手段どころか、軍事的圧力だけをアメリカにお願いするのが、アベ政権の姿だ。憲法改定の為に、明治憲法復活の為に、わざわざ軍事対立を高めようとしているのだ。八重山諸島に自衛隊基地を作ることは選挙対策という事になるのかもしれない。

 

 

 

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