干し田をやってみた

   

7月5日5時30分田んぼ全景手前が冬水田んぼの11番。冬水田んぼは水が湧いていて、3日間干しても乾かない。

初めて、本格的な干し田をやってみた。稲の状態は葉色は4。背丈は60センチ。10葉期。半分の田んぼを干した。7月2日10時に水を止めて、7月5日6時に水を入れた。水は一日では戻らなかった。116時間である。実際には5日の夕方から深夜まで雨になったので、4日に水を入れようと考えたのは止めて、雨での入水にした。干し田をしてよく分かったのは、田んぼで水が湧いている部分がかなりあるという事だ。この水がじわじわ湧いている部分はどうしても水が止まらなかった。だから干せなかった。このいくらか水が沸き上がるところ周辺は生育が遅れてもいる。この湧き水を止めるためには、水路全体そして上の家の田んぼが水を止めなければ止まらないと思われる。また、116時間の干しで、土がひび割れるところが半分ほどあった。田んぼが均平でないという事なのだろう。いわゆる溝切りをしなければ一気に水は抜けないという事のようだ。今回の干しでは田んぼの水尻はそのままにしてタテ浸透をするのに任せた。最後に水を落とす時には、排水口を外したり、畔切りもするので、また違う事になる。

10番の里地里山協議会の田んぼ 一本植が4本植に追いついてきている。この田んぼも隅に水が湧いていて乾ききらない。

10番の一本植えの苗が開帳型に生育している。この調子なら17,8本までにはなるのではないか。

稲の影響はどうだったかと言えば、目に見える変化は今のところない。しかし水を入れ続けた田んぼに比べると、稲には何か刺激が与えられた感じはある。稲は何が起こったのかと驚いているようだった。驚いてどうするかである。稲の背丈はほとんどの所で60㎝である。水口の生育の悪いところで40㎝である。今回水口の3番田んぼは水を止めていない。干し田をした他の田んぼと比較をしたいと思う。この機会に畔草の刈り取りも行った。田んぼの中をよく見るためである。干し田をしたら田んぼの土壌の観察が良くできた。割れ目から土の中の状態もわかった。可愛そうだが生きものみんな死んでしまった。土壌はあつくセンチくらいの羊羹状になっているところが、結構目立つ。これはトロトロそうなのだろう。代掻きの頃より、かなり厚く堆積されている。コナギは水を落としてみると、ない訳ではない。もう少ししたら、田の草取りをしなくてはならない。水を落として田んぼを観察するというのも干し田の意味かもしれない。

田んぼ見回り棒 田んぼの水回りの時に、この棒を持って歩く。下にのこぎり鎌のステンレス製のものを刃を曲げて、縛り付けてある。下から60㎝で黒い印。2番目のしるしが1メートル。

畔から届くコナギを引っ掻いてとる。先にはステンレス製ののこぎり鎌を結わえ付けてある。

田んぼ見回り棒は60㎝の所に黒い印が入っている。これで生育を確認する。この株が60㎝という事が分かる。水が入っていても背丈が見やすい。

田んぼ見回り棒を持って歩いている。棒を持って歩いて、畔から届く範囲で草取りをする。又、稲の背丈を計る。60cmが一つの確認の高さ。60cmになるのが、30日目なのか、40日目なのか、50日目なのか。ここが重要である。又90㎝にも黒印がある。ここより伸びると倒れる可能性が出てくるという事である。全長が120㎝でこれ以上伸びたら大変という長さである。つねに測定が重要である。小さな田んぼが沢山あるから、田んぼに入らないで畔からかなりの草取りができる。気が付いても水の中でコナギが取れないと腹立たしい。それでこの見回り棒でひっかけて除草する。畔際5列ぐらいまでの範囲はこの棒で何とかなる。

 稲は触らなければわからない。毎年稲の堅さを覚える必要がある。干し田をした田んぼの稲が硬くなるかどうか毎日触ってみている。硬い弾力のある株になってほしい。新しい12番の田んぼの稲は柔らかい。シナシナである。跳ね返す弾力がない。これでは良い穂ができないのではないか。糯米のマンゲツモチという事もあるのだろうか。心配である。この後、背丈が止まるのか。水を入れ続けると稲は背丈が伸びるのか。分げつはどう変わるか。干して分げつを止めるという考えがあるようだが、どうも信じがたいことだ。分げつを止める必要は1本植の苗では無意味である。過繁茂などという事はいまだかつて経験したことがない。ただダラダラ分げつが続くという事はある。穂が出ているのに、小さな分げつが続く。これが干し田で止まるなら有難いことだ。ともかく干し田をしても悪いことは特になかったようなので、出来るだけ2回目の本干しを、土用干しをしたいと考えている。これは長くやるらしいから、走り穂が8月5日に出るのだから、7月15日くらいからになるのだろうか。稲の様子を見ながら決めたい。

 

 

 

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