韓国大統領の国家機密の漏えい

   

韓国大統領朴槿恵氏は国家機密の漏えいで追及されている。親友である女性に、自分の演説の原稿を渡して、意見を求めていた。崔順実(チェ・スン・シル)という女性。朴槿恵氏は両親とも暗殺された身である。つらい過去があり、その時に支えてくれた友人とその後も深いかかわりがあるというのは、在りそうなことと思われる。韓国大統領という重責を担い、誰にも打ち明けられない胸の内を、母親代わりでもある友人に相談するというのはありそうな話だ。何がいけなかったのだろうか。指摘してきた通り韓国社会全体が窮地に陥っていて、その社会的な諸問題を大統領の責任にしているのだ。韓国のような極端な競争主義社会は、必ず行き詰まると繰り返し書いた成り行きである。社会の行き詰まりが大統領の機密漏えいに表れただけだ。問題は日本が韓国の後追いをして、世界の競争に加わろうとしてきた事の方だ。

確かに国家の機密を政府外の人物に漏らすという事は犯罪行為であろう。アメリカの国務大臣は国家機密を自分個人のメールで送信したというので、罪を問われている。日本のアベ氏の場合ならどうだろうか。自分の考えを漏らしたというより、誰かの考えを代弁している場合、罪はないのだろうか。アベ氏は自分の考えを主張するような立場でもないようにみえる。天皇の生前退位を議論する場に、あのヘンテコリンな櫻井よしこ氏を加える圧力が存在する。櫻井氏は何しろ、沖縄には日本の防人になってほしいなどと平気で言い放つ人物である。こんなバランスの悪い人が、天皇に関する問題を検討する委員会に加わるところに、まさに安倍氏を動かしている勢力の存在が垣間見える。韓国では自分の演説を友人に相談したという事が辞任要求される犯罪になっている。ではアベ氏のように、用意された脚本を読むだけであれば、犯罪ではなく、国家運営の茶番劇を見せられているだけで済むという事になる。どちらがましなのであろうか。

どちらとも、国政は一人で出来るようなものではないことを意味する。問題はその背景にある存在が、つまり黒幕の存在が怪しげだという事だ。昔、共産党の宮本委員長が選挙に立候補しないで、背景から共産党を動かしているという批判があった。それで宮本氏は選挙に出た。公明党には創価学会の池田大作会長という黒幕が存在する。池田氏は公明党に対して大きな影響力があるだろう。新興宗教の会長の池田氏が、政治団体を支配するような形はいかにも気持ち悪い。さらに安倍氏を操る黒幕の気味悪さは姿が見えないところである。櫻井よしこ氏の仲間たちが安倍氏の黒幕であるという、噂はある。しかし、私はその説にはどうも納得できないところがある。むしろ、電通的な存在ではないかとみている。コンピューターが黒幕ではないのか。そうとしか思えないような言動がある。自分が総理大臣に長く居座るために、政策よりもその時の社会の風向きと動かし方を、ビックデーターを駆使して政権運営をしているような感じだ。国家運営ソフトの利用か。

世界に不穏な空気が広がっている。資本主義経済の末期的な状況が近づいているのだろう。拝金主義が広がり、国家と大資本の独善的な動きが露骨に表れてきている。韓国の経済も社会も、朴氏が登場したとき以来、破たんに向っている。中国の拝金主義はまさに商人国家のあさましさを感じる。それを焦って後追いしている、日本も似たような未来が予測される。他山の石としなければならない。中国では不動産バブルが今になって再燃している。あれだけ評価の高かったサムソンが、発火するスマホという思わぬ失態である。背景には競争による人間崩壊があるのだろう。ドイツのフォルクスワーゲン社が燃費の偽装をしたことと同じだ。価値観というものが失われた社会。個人的な名誉欲、権力欲、金銭欲だけが醜く肥大する社会。政治とそれを動かす姿は、誰からも見えなければならないことは確かだ。

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