防災訓練
8日午後に久野地区の防災訓練があった。自治会ごとのグループが久野小学校に集まり、4つの防災の訓練を実施した。訓練は1時間余りであった。消火器の使い方。地震体験車に乗る。久野小に保管してある防災器材の操作経験。土嚢袋作りと積み方の実施。どれも経験しておいた方がいいことである。とても蒸し暑い日であり、大変であったが良い経験になった。記憶だが282人の参加と言われていたが、かなりの人数が集まった。知り合いの方もかなりおられ、久野の住民に加われたような気がした。久野小学校の庭に、満杯という感じの作業である。久野小学校が久野全域の避難場所になっているのだが、例えば、和留沢、諏訪の原、欠ノ上、舟原、留め場、の自治会は、フラワーガーデンとか、諏訪の原公園に避難場所を変更した方がいいのではないだろうか。避難の範囲をもう少しきめ細かく分けた方が現実的で、いざというときに実行する人が増える気がした。しかし、今回のものは防災訓練であり、避難訓練ではない。
まず、一時避難所の舟原公民館に集まる。ここから歩いて、久野小学校まで行くことになっている。車の避難はやらないことになっている。これは越してきて以来の防災訓練のやり方である。しかし、歩いて久野小学校まで若い人で30分。2キロ少しある。お年寄りが豪雨の中、一時間歩くということは考えにくい。まして、舟原及び、久野川周辺は土砂災害危険地区と指定されている。それ以前に舟原公民館に一時避難するということに問題がある。そのうえで危険とされる谷間を1時間も歩いてゆくということは、危険な行動としか思えない。地域の方に聞いてみると多くの方が、家にいる方が安全だから、おれは避難しないよと言われる。つまり、この避難の方法が、状況に対して適切でないということを皆さん認識している。しかし、場所がないのだから仕方がないだろうとも言われる。
9月1日の夜半の雨の3つの地点を比較してみると。小田原土木事務所では累計1ミリ。舟原では8ミリ。そして和留沢では22ミリ。この違いが、久野川の氾濫においては重要な材料になる。そして、下流の東洋橋の水位変化は5ミリであった。小田原土木や市役所の防災課ではこの数値の連動を把握しているはずだ。川の上流部の箱根山系に近い方が普通は雨は多く降る。9月5日神奈川県海老名で土砂災害警戒情報が出た日は逆の現象が起きた。下流域がかなりの量降った。雨というものが偏在して降ることが良くわかる。2010年9月8日静岡県小山町から、神奈川県山北町にかけて、過去に例のない豪雨があった。1時間降水量が123ミリ。小田原では、確か、土木事務所の雨量計と思うが、72ミリが最高。24時間雨量では700ミリに達するところもあった。小山町では、全半壊31棟となっている。しかし、幸い避難が適切になされ、人的被害はなかった。この避難体制を評価して、その背景をNHKでも特集していた。
静岡大学等の小山豪雨の調査結果では、迅速な避難が人的被害を出さなかった一つの原因としているが、危ういところでの避難であったともしている。相当の豪雨被害が出た地域の避難者の割合は、60%程度のようだ。小山でも同様の結果が出ているらしい。データー範囲の取り方で全く違ってくる。小山町役場の嘱託の方なのか、雨量データーの詳しい分析を常日頃から続けられている方が居た。そのために、今回の雨が尋常なものではなく、早急な避難指示を出さなければならないと判断できたようだ。地域、地域で、細かな防災監視がされていることが重要なのであろう。それにはまずデーターの蓄積である。河川の水位がどういう形で上がってゆくかが重要である。警戒水位に来た時に、この後の水位変化は、データーの蓄積がなければ判断が出来ない。避難指示が繰り返され、何もないということが繰り返されると、避難指示が出ても、避難しない人が増える。