改憲勢力が3分の2を占めるか。

   

参議院選挙が7月21日にある。この選挙で改憲勢力が3分の2を占めるかどうかが焦点と思っている。恐ろしいことに、結構険しいところに来ている。現在自民党は改憲の牙をじっと隠して、ひたすら経済を強調している。それは、国民の関心の中心が景気回復と見ているからだろう。お金のことが票に一番結び付くというのは、その通りの日本人の大半の意識である。民主党が圧勝した時も、お金のばらまき政策だった。原発再稼働も、原発輸出も景気回復のためには必要だということが、盛んに言われる。確かにあれだけ費用をかけた施設が使われないのは、無駄である。しかし、使えば核廃棄物が出てその処理費は先送りになる。参議院選の焦点は日本の未来のかかったの大きな分岐点のような気がする。経済のように見えて本当のところは憲法改定をして、軍隊を持つのかどうかが判断の分かれ目だと考えた方がいい。私には安倍のミックス選挙ではなく、憲法9条選挙である。


参院(定数242)の「3分の2」ラインは162議席。この数字を超えられるかどうかが参院選の焦点となる。非改選(121議席)での自民、みんな、維新の3党は半数にあたる計60議席。これに、憲法改正に前向きな新党改革や無所属(自民党出身で会派を離脱している副議長を含む)を加えれば合計63議席になる。差し引きすると、改憲勢力が参院で「3分の2」に達するためには、7月の参院選で99議席以上を得る必要性がある。(産経新聞より)

参議院の世論調査によると自民党の支持率が44%ということだ。現在の参議院の選挙制度によると1人区の大半と、2人区は確実に1人は取る。3分の2に達するきわどい状況と見なければならようだ。改選議席121議席のうち、99議席を改憲勢力が取るかが、憲法分かれ道になる。22議席を改憲阻止勢力が取ればいいとなるのだから、今回に限れば希望はまだある。現在の所一応は、民主党の多くは改憲反対である。まあ、自民党の中にも、いくらか護憲派が存在する。民主党は現在の予測では、20議席程度。共産党が2議席の予想ならば、ギリギリの線となる。緑の風とか、社民党がどうなるのか。緑の党も結成されたが、こういう票が死に票になりやすい選挙制度である。どこの党に投票すれば、憲法を守る得票になるのか、慎重に見極める必要がある。社民党は又市 征治氏が改選ということか。この人も間違いなく護憲の人である。緑の風からは、つゆき順一氏が立候補するようだ。憲法9条を守ると宣言している。神奈川では最善の選択ということになるか。

問題は公明党である。公明党はマニュフェストでは96条の先行はさせないと書いている。憲法の他の改定項目を併せて検討すると主張している。そして、9条には自衛隊を加憲するとしている。もし公明党が公明であり、コウモリ党でないなら、今回の参議院選挙はなんとか、99議席にはならないのかもしれない。このように危うい状況に陥っているのは、憲法を守ろうとする勢力が、共同戦線を張れないためである。反原発グループ内ですら、わざわざ分裂選挙である。こんな状態では選挙慣れしている、自・公には勝てない。確かに日本の野党の選挙は、アマチュア的である。自公は憲法改定問題で、明確に違うマニュフェストを掲げている。にもかかわらず、選挙協力をしている。自民党は公明党から41選挙区で計42人の候補者が推薦を受け、創価学会の支援も得ることになる。ある意味創価学会票がなければ、当選できない自民候補も多いということだろう。

日本の政治は、民主党の登場でチェンジした。その第一のチェンジが失敗に終わった。今回の鳩山氏の、尖閣発言でもこの人は政治の力学が分からない人間のようだ。政治学者とか、評論家ならまだ良かった。こういう人が、たぶん家柄が良いとか、お金持ちということで民主党のリーダーになったことが、日本の政治の不幸であった。当然受け皿が存在しないのだから、自民党に先祖がえりせざる得ない。と言って、自民党に経済を立て直す能力があるかと言えば、それは全くない。有るなら公共事業を赤字国債でばらまくようなことはしないはずである。震災復興に力点を入れると言っても、大きな東北の未来が描けるようなプランは出していない。過去の利権政治に戻っただけである。それは、マニュフェストの農業政策のあまりの中途半端な、形式的姿を見れば、明らかなことだ。

昨日の自給作業:大豆の播種2時間 累計時間:35時間

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