都議選の結果分析
都議選は自民党、公明党の全員当選という結果であった。世論調査通りの予想されたこととはいえ、参議院選挙がどうなるのか、不安この上ない結果になった。民主党がだめなことも予想された通りである。民主党に期待して、失望を味わった政治不信が続いている。投票先が見つけがたいということで、43・50%の投票率なのだろう。50%を切った選挙は無効にすべきだ。たぶん参議院選挙も低い投票率の中で戦われることになるだろう。維新党が腰砕けになったのは悪いことばかりではない。ブームが終わりホッとした。石原氏が橋下氏に対して、ボス的な体質を露わにした。その嫌悪感が表現されたという気もするが。橋下氏は気質が東京には合わない。あくまで関西の弁護士芸人の範囲である。橋下氏は芸人だから、反応は上手だ。しかし、橋下氏にはイデオロギーのようなものはない。従軍慰安婦発言で維新の人気がなくなったのではない。人気がなくなって来たので、従軍慰安婦発言をしたのだ。注目されることが一番というのが、テレビタレントのやり方。
維新のことはどうでもいいとしても、自民党への支持はアベノミクスへの誤解なのだろう。アベノミクスで実体経済が上向いているとは到底思えない。期待感とか、便乗しようという、投資マネーが動いたということはあっても、実質は何も変わっていない。世界経済の先行き不透明で、投資マネーが行き場を失っている。それが、アベノミクスに便乗したにすぎない。円安で輸出産業は良いと言っても、同時に輸入に依存する産業には悪影響である。為替の変動で経済が良くなるということは、一過性に過ぎない。結局は時間とともに、均されてしまう。この為替の変動した影響が残っている間に、実質経済が変わってゆかなければならない。輸出企業が息をついたということがあっても、経済の基盤が変わるようなことはあり得ない。そこで出てきているのが、なりふり構わず原発輸出までやるということなのではないか。経済については、韓国企業と国家の関係をよく見ることだ。
投資減税とか、法人税の下げとか、そういう企業向けの政策では経済は良くならない。こうした恩恵を受けるグローバル大企業というものは、日本という枠組みを超えた存在である。有利であるときは日本という枠組みを利用しているにすぎないと考えて置く必要がある。それが良くわかるのは、韓国経済を見ることである。少数のグローバル企業がけん引している。サムスンが限界に達し、それを突破するために、韓国企業という枠を捨ててゆくと私には見える。韓国の経済が良いと言っても、韓国人の暮らしがどうなったのか。このところをよく考えるべきだ。韓国農業はどう変化しているか。弱者がどうなっているか。企業が競争に勝つことを、国を挙げて向った時何が起こるのか。東京都の選挙のことだった。
今回の選挙結果の分析。共産党が投票数を増加させたわけではないのに、なぜ、議席が倍増したのか。多くの政党候補が乱立したため、当選ラインが低下して、漁夫の利による。もし維新とみんなが共闘すれば、結果は違った。中選挙区制の結果。自民党は得票数を伸ばしたと言ってもわずか。内閣支持率の高さが得票にはつながっていない。自民党の政策が支持されているとは言えない結果。むしろ、みんなの党と維新の会の対立が、第3局の結成の難しさを浮き上がらせた選挙と見た方がいい。反原発票の行く先が現状ではみどりや、社民党になっていない。共産党にもなっていない。これが参議院選挙になった場合、どういう票に現れるのか。ここに期待するしかない。見方を変えれば前回までの民主党への期待票が行き場を失っている状況。ところが野党は分裂気味で、第3局の結成どころではない。これが日本の不幸な政治状況。これでは、自公に対抗して参議院選挙を戦うどころではない。参議院選挙の意味については次回続き。