原発の割高

   

原発が割高な発電の方法であるという事が、やっと定着してきた。原子力委再試算の結果が東京新聞に掲載されていた。何故こんな簡単なことを、原子力の専門家たちは、気が付かなかったのだろう。たいした知識のない私のようなものでも、繰り返し主張してきた事だ。常識から言って、後が大変だと考えそうなものだ。廃棄処理まで考えていなかったに違いない。廃棄物の処理費は、その困難度によって、跳ね上がる。多分業者に見積もらせたら、見積もりが出せないだろう。加えて、廃炉する処理費などもこれからが大変だ。事故が起きた位だから、安全対策費だって今までは、安上がりで済ませてきたという事だ。事故が起きてしまえば、賠償金、除染費用。健康管理費用。当たり前過ぎて、頭の回りすぎる人にはこの単純な事実が見えないのか。原発利権の渦中にある人間たちは、わざと見ようとしなかったということだろう。

廃棄物会計という思想がある。これは会計の仕方というより思想だと思う。廃棄物処理場が出来れば、その周辺の土地は、価格が下がる。それは会計処理上、廃棄物の処理費に含めるべきではないかという発想。焼却場を作れば、その廃炉処理まで、ごみ処理費に計上しなけばならないという当然の発想。ごみの輸送で周辺道路の整備が必要になる。その道路建設費用も計上する。ごみ施設を建設するために、地域住民に対し迷惑料として、公園の整備が必要になる。それも一部ごみ処理費に加える。地域で雇用が生まれるというプラスもある。施設が無ければ、その地域が違った形で、運営される。その想定と比較しながら、全体の会計を処理するという思想である。原子力エネルギーもそういう会計思想で考えるべきだ。今、原発推進をする例えば韓国が、将来その処理で行き詰まる可能性は大きい。今貿易の競争で安い電力の韓国に負けるかもしれない。しかし、50年先を考えたら、どちらが困っているかを考えるべきだ。

廃棄物会計処理が、まともすぎる思想に基づいているがために、現実の利権社会では、見ないようにしてきたことである。しかし、ごみ処理費も各家庭の受益者負担の考え方から、有料化が検討されている。ごみ処理の本当の費用を考えざる得なくなっている。家計簿的会計と、企業会計が違うものである。家庭で出入りを考えている時には、この廃棄処理費までは考えない。家を建てるときに、その家を廃棄するときの費用は考えないだろう。そう言うことも貸家と持ち家では違う。最近の家電はは息費用を含むものもある。家を立てれば廃棄処理費が計上しておく必要がある。まずそんな家計簿は感覚的に不用であろう。却って分かりにくくなる。原子力エネルギーの場合、廃棄処理費が何万年にも及ぶことが分かっている。これはきちっと電気代に上乗せるのは当たり前のことだ。国民総生産なども、同じで、道路作った時に道路を廃棄する費用を負の清算として計上しないと、実態の浮き沈みが見えない。

今までのことを0にして考えれば、原発は早く止めることが一番安い処理法になる。引きずって継続すればするほど、ダメージが広がる。何故、こんな簡単なことが通らないかと言えば、電力会社が意識を転換できないからだ。そこに利権構造があるからだ。今だ東電は再建計画を立てている。当然柏崎原発の再開を計画している。政府もそれをすでに認めている。ほぼ原子力村の方は村に戻ったのだろう。再開の策動を始めている。原発関連の政府の補助を一切なくす。福島第一から出た方所のうは福島第一に、東電の責任で回収する。当たり前の責任を果たさす事だ。結果、原発が割高である以上。止める方向にすすむ。電気会社を倒産させても何の利益はない。どうやって対等の競争原理を持ち込むかである。地域電力会社の設立である。被害者の賠償請求の話し合いの要求も拒絶する、東電のような卑劣な会社の電気は購入しない。こういうことが出来る仕組みにしてほしい。

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