堆肥の放射能測定

   

生ごみはすべて段ボールコンポストで処理している。今回、久野舟原の自分の家のエノキの枝を、剪定チップにした。それを基材として、2ヶ月間わたしの家の生ごみを30キロ入れた。出来上った堆肥の放射能測定をした。全セシュームで23ベクレルであった。30キロの生ごみがと、基材が5キロ、加えた米ぬかが5キロ。生ごみは堆肥に成って10分の一以下になっているので、全体の放射能は10倍以上に濃縮されていると考えられる。すべては舟原で採れた作物の凝縮されたものが、この生ごみコンポスト堆肥である。わたしが作り食べているものとわたしの家に生えている樹木の総量の10倍の値が、23ベクレルである。キログラム当たり2,3ベクレルということになる。剪定チップと米ぬかは高いはずなので、食べているものということになると、さらに低。

最初に入れた、剪定チップは5キロほどあり食べ物より、放射能は高いに違いない。又加えていた米ぬかも、総量で5キロぐらいある。これも食べていたものより放射能は高い。チップと米ぬかが食べ物より2倍放射能あると考えれば、2,3ベクレルより低く、1キロ当たり1,5ベクレル程度がわたしが食べ物からのセシューム放射能のようだ。これNHKの調査から、大体想像していたレベルである。子供であっても特段心配が必要な値ではない。それぞれがこの数値から考えてみる事だ。わたしは測定し、放射能が高いことが分かっている食べ物でも、100ベクレル以下のものは、喜んで食べている。魚は比較的多く食べる方だと思う。大体は家で出来たものだ。舟原は小田原では、標高的に、又地形的に放射能が高い地域である。焼却炉も近く、煙から出ている恐れもないとは言えない。それでいてこの程度である。

放射能はすでに減少してきている。小田原市の焼却灰の3回の測定値の数値を見れば、ごみ全体のっ放射能の減少は予想以上に大きい。1月12日の測定で主灰で3分の一の58ベクレル。飛灰で半分の670ベクレルである。最近小田原で行った木灰の数値は高い。樹木は灰になって100倍から150倍に濃縮されると思われる。5000ベクレル木灰であれば、樹木では50から30ベクレルである。今測定しなくてはならないのは、水である。水の1リットル当たり、0,001ベクレル放射能が存在した場合、測定をどうすれば可能かが研究である。水田ではこの程度でも、影響が出る可能性がある。ゼオライトに通すことで、吸着させたものの値を測定するということを試みている。このやり方では、正確な値が出る訳ではないが、毎月行えば、変化だけは分かる。山から流れ出て来る絞り水が、どのような値になっているかである。

土壌からの作物への移行は、全く考慮する必要がないことが分かってきた。これは日本の土壌の性質と、小田原の土壌の放射能はさして高くないからである。山に降り積もった放射能がどのように、川に流れ出ているかを考えなければならない。実験の想定では、ゼオライトが100%吸着するとして、1000ℓの久野川の水を1キロのゼオライトに通した場合。10ベクレルが測定されれば、0,001ベクレルということになる。当然吸着率は低い。50%とすれば、0,002ベクレルということになる。これを月1回行えば、かなり正確な変化が見えて来るはずである。出来れば同じ手法で、福島の昨年お米に高く出た、棚田でも行えば、比較もできる。新たに確認できたことがあある。一般には、稲藁は、玄米の10倍から20倍と言うデーターがある。舟原では稲藁のセシュームがお米と変わらない値であった事だ。これはまさに土壌からの吸収ではなく、穂が出来る過程での放射能吸収が高かまったことを意味している。7月以降水が入らなかった田んぼでは、驚くほど値が低いことも分かった。

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