韓国口蹄疫の惨状

   

韓国での口蹄疫感染家畜の処分状況が、朝日新聞に掲載されている。水道水に血が混じっているという、身の毛もよだつような報道である。337万の家畜が埋められている。牛の5%、豚の33%である、驚くことに生き埋めも相当数あるらしい。韓国ではワクチンの接種が13日に決定され、現在2回目の接種が牛は96,7%、豚は42,5%となっている。ワクチン接種後の経過の情報を精査しなければならない。宮崎での口蹄疫の10倍以上の規模である。文化の違いからくるのか、淘汰の方法は到底理解を越えている。口蹄疫は北朝鮮でも深刻な状況らしい。しかし他人ごとではない。日本もいつかこうした大惨事が必ず来てしまうことを覚悟しなくてはならない。問題の細部は不明ではあるが、その土台に横たわる大規模畜産の問題とせざる得ない。目先の予防ばかりを強めた所で解決はない。日本でワクチンを禁止している意味を再確認すべきだ。韓国で起きていることは、次の段階では中国で起こることだ。中国の家畜飼育は急速に拡大している。その時にはもう取り返しも付かない、人間の生存にかかわるような重大事に成る可能性が高い。

温暖化の問題でも、世界の調整はつかない。危機が迫っていることは誰もが気付いている。すでにさんざん化石燃料を使い放題で来た国と、これから使って行こうという国である。調整がつかないまま問題は深刻化している。地球の人口的に言えば大多数の人が、アメリカ並みの消費に向かおうとしている。アメリカの姿勢と中国の姿勢。地球の未来を展望できずに、自国の利害に執着している。豊かな国に成ったとしても国家のエゴから脱することは難しい。領土問題を見れば良く分かる。アメリカが世界一豊かだと言っても、この国に生きる人間が幸せだとは限らない。アメリカ、中国は経済格差問題を抱えている。国の成長が止まった時、危機が深刻化する。世界の中にはGNPが低いと言っても、人間が豊かに幸せに暮らしている国はある。比較の問題である。そのひとつの事例が江戸時代260年の姿だと思っている。肉などめったに食べなくても問題はない。それで良しとすればいい。

日本はまだ淘汰する数が少なかったので電気ショックで牛や豚を殺処分したのだと思う。生き埋めより人道的なのかどうか。人間の都合でむごいことをしていることには変わりはない。今は中国の家畜数はまだ少ない。これから増大して行く。戻ることのできないような深刻な病気が登場する可能性もある。間に合う内に日本から、新しい畜産を提案すべきだ。消毒の強化などで、手に負えるはずがないことを認めなければならない。「ネズミが鶏舎に、畜舎に入らないようにして下さい。」取り締まる側は簡単にこういうことを主張する。これを主張する人の家にネズミが入らないようにできるかを想像してもらいたい。その次には、ゴキブリやハエが入らないようにしてください。こう言うに違いない。本気で防除を考えたら、無菌室の畜産以外、不可能ということになる。

まずすぐにでもとりかかるべきことは、畜産を団地化したり、産地化したりしない。分散型にする。隣の農場までは、最低でも5キロぐらいは取る。当面は1キロから始めて、徐々に分散化して行く。規模も制限する。1頭、1匹、1羽の飼育面積を広げて制限する。鶏ならば、1坪5羽がいいのだが。今より、倍の値段に成ることを食べる側が受け入れるかどうかである。畜産の国際競争力などとんでもないことだ。利潤を求めて効率化して、作り上げた大規模工場畜産が作られた。食糧を国際競争に巻き込めば、利潤を優先した所が勝ち残る。中国はさらに規模拡大して行っている。競争力のあるということは、そういう競争に成る。それが新しい病気を産み、人間の生存を脅かすに違いない。食べ物は水や空気と同じだ。競争だけではうまく行かない。

小さくともやり方によっては可能な、理想の養鶏を実証するために養鶏業を始めた。卵を1個55円で販売することで生きて行ける。受け入れる消費者が居ればのことだが。

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