農水省へのお願い
先日の有機農業セミナーには農水省の有機農業担当の佐藤氏が見えていた。農水省には本気で日本の農業を何とかしたいと考えている人がたくさんいる。優秀な人が多いし、日本の農業の未来を考えるとき一番期待できる人たちである。直接話してみると、その有能なことが良く分かる。ところが実際の政策として出て来ると、何だろうとあきれるようなものになっているのは、驚くばかりである。多分であるが、政治が駄目にしている。官僚の排除どころではない。赤松氏ではどうにもならない。自民党時代もそうだったが、民主党に成ってもこの点は変わらない。農林水産大臣の起用を見れば良く分かる。41 中川昭一 42 松岡利勝 - 若林正俊 43 赤城徳彦 44 若林正俊 45 遠藤武彦- 甘利明 48 太田誠一 49 石破茂 50 赤松広隆 51 山田正彦 52、53 鹿野道彦 。最近の大臣である。有能な方もいれば馬鹿げた人もいた。ばんそうこう大臣と言われた人や、バカ松大臣と言われた人もいた。
中でも分からないのが、山田氏から、鹿野氏に変わったのかが分からない。門外漢の赤松氏は民主党の農政にとって無意味な存在であった。専門家である山田大臣にもう少しやってみてもらいたかった。短期間では山田氏の力量は一部も表現されていない。この人事を見ても、管内閣は本当に農業の抜本的改革をやろうという気持ちがあるとは思えない。農水官僚に農業抜本的改革案を、ひとまず作ってもらうことではないだろうか。それをぜひ見たいものだ。恣意的な審議会で、都合の良い結論を出してもらう、免罪符方式では農業の未来は描けない。現在農地法の改革ということが出ている。これは重要なテーマだ。しかし、企業とは言わないが、利益誘導的改革に終わる可能性もある。投機的投資的農地取得の可能性。つまり、企業が農地を保有できるように、という結論ありきで議論するのでは意味がない。企業が農業をした方が経営の合理性があると言うなら、ワタミの農業法人を経営実態を徹底分析をさせてもらいたい。特に審議委員の法人への補助金の精査。都知事に出る人が農業法人とは、不可思議。
農水省の中のことは何も知らないが、多分内部に派閥があるだろう。たとえば改革派と農協おかかえ派とか。農業者は農協以外の者の発言が少ないから、どうしても農協派の省内での声が大きくなる。というような構図が想像される。しかし、農協が営農部門中心の組織に成るべきだという、まことにもっともであるが、タイミングとしては脅しのような、TPP反対に対抗した政府見解が出てきた。騒ぐと保険や不動産部門を切り離すよ。ということなのだろう。この機会に農協というものを解体した方が日本の農業の抜本改革に成るという、意見も出てきている。農協は商社である。農民団体という側面はあるが、経営実態としては総合商社である。TPP反対と言っても建前と本音があるはずだ。怖いのは政府との変な了解がついてしまうことだ。
農水省の良心的人たちに、エールを送らなくてはならないだろう。数人にお目にかかっただけだが、心ある情熱のある方は居る。有機農業は仕分けで、モデル事業が廃止された。今のところ政治家のパフォーマンスに踊らされただけである。意味がわかった上で廃止されたのなら良いのだが。ゆがめられて生き残っている。今度はもとも絶つと再仕分けである。それも駄目とは言わないが、否定だけでなく、農業をどうすればいいのか。田んぼは日本の自然環境の中で、良い自然環境を維持する役割を持ちながら存在している。国際競争力のある農業というのは、まやかしである。それが可能なら、企業が海外生産をしやしない。実態のないたわごとに踊らされてはならない。国際競争力というたびに、日本の農業者を蔑んでいる。管さんや枝野さんが御子息に是非農業をやらせたい。と思うような状態を作ってほしい。農地バンクを本気で進めてもらいたい。