開国か鎖国か

   

政府によって、TPP開国が言われている。明治維新、敗戦、そして第3の開国とまで発言している。歴史を理解できないようだ。「開国か鎖国か」何やら管氏が龍馬を気取ろうということだろう。まっこと馬鹿げちょる。沈黙の守旧派はどうしたのか。むしろ声が高いのが、攘夷勤農党である。どうも現状日本が鎖国状態であるとは思えないので、第3の開国と言われても、どちらかと言えば海外進出が主眼であり、満蒙開拓、大東亜共栄圏の時代を思い起こす。TPPに加盟することで、すでに日本の企業とは言い切れない、企業の海外事業がやりやすくなる、ということではないのか。企業の中では国というものの概念は変わっているだろう。大企業が生き残るためには、国家というものの枠は、都合の悪い時もある。世界中の企業が国境を都合良く利用しようとしている。中国の資本が北海道の森林を買う。日本の企業がニューヨークのビルを買う。

近代の産業は、産業革命以来そうした方向動いている。日本の一次産業も同じ思想の中に組み込もう、ということが意図された動き。日本が工業輸出立国で来た以上、一次産業が衰退しても、仕方がないというのが、国民大多数の意見になった、と考えた方がいい。その上での対策を考えざる得ない。ほとんど期待はできないし、誰も有効な手段があるとは考えていないが、「農業の抜本的改革」ということが建前として言われている。これがもし戸別補償に毛の生えたような対策であるなら、日本で経営的な農業者は消滅する。特殊例だけが残る状態に成る。それで良しというのが、あきらめの心境の国民大多数の意見であろう。背に腹は代えられない気分。なにしろ経営農家数は172万軒だそうだから、極めて少数である。消えて居なくなったところで、安全保障的意味合い以外では大した社会的問題にもならない。

農産物は輸入した方が安いなら、高い日本産を食べている必要はない。一見合理的にこう考えている人も多い。長年の農協による利益誘導的主張が、国民の反感を買っている。農協だって巨大商社の一つなのだ。商社取引で大儲けしておいて、何か国内農業の保護だ。どうせ、農家の仮面で農協商社組織の利益誘導だ。というような直観的反感がある。農業という自然に依存した産業を、平等に競争が出来ると考えていいのか。食糧を海外に依存する状態でいいのか。問題はこの2点に集約される。残った172万軒に何とか食糧をお願いした方がいいのではないだろうか。国防は自衛官が26万人で丸抱えである。農家の場合一応は自主独立でやっているのだから、同じ位の費用をかければ、充分食糧は賄える。どちらも判断である。結局のところ、食糧は海外依存で構わないというのがTPP加盟である。

農業も経済も緊急事態である。国家というものの成り立ちが変わろうとしている。その自覚のない政府が、相変わらずの放漫予算を組んでいる。農業の抜本的改革の発言もそのレベルに違いない。確かに管氏は無能だ。しかし、有能な総理に変わったとしても状況は、極めて厳しい。世界の経済が変貌を始めている。その変貌に対応できない日本が居る。法人税が高いからとか、所得税が高いから、国外に出てい行く企業や金持ちがいる。こんななし崩しで、国というものを変えてしまっていいのかということに成る。この日本という国家の在り方を、どうすべきなのか。どんな日本であれば日本人は幸せであるのか。十分議論しないまま経済のその場しのぎだけを、議論してはならない。

昨日の自給作業:ミズキの伐採、もみ殻撒き 1時間 累計時間:7時間

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