風力発電の問題点
グリーンエネルギーには様々な方法が試みられている。どれが優れているかというより、地域の条件に従い、小さなものを多様すべきと考えている。ソーラーなら各家庭の屋根には普通に設置されていて、電線というものが無くなるような状態がいいと考える。その場合でも風がある地域なら、風力も併設するというのがいい。最近風力発電の鳥がぶつかる事故(バードストライクというらしい)についての、環境省が指針のようなものを出した。長大な報告書で、読み切れないのだが4章には今後の課題として、日本における野鳥に対する研究の立ち遅れが指摘されている。それは鳥インフルエンザ問題でも同じことで、野鳥に関する基礎研究があまりにお粗末である。北海道からハクチョウがどのように渡りをしているのか。こういう基本的なことでも、まだ正確な把握が無い。希少猛禽類の調査となると、ほとんどないというような状態である。鳥の風車に当たる問題も海外で指摘され、研究が進んできて、ようやく日本でも研究を始めようということらしい。
風力発電の問題点では、良く言われることが2つある。ひとつは渡り鳥のコースに風車が作られ、鳥が風車の羽根にぶつかり死んでしまう事故である。今回の調査でも、3章であちこちの資料がまとめられて、大まかなところは挙げられているが、ごくごく一部という気がする。自らが野鳥の調査をした訳ではない。もう一つは低周波騒音被害である。環境の為に作っているものがじつは環境を破壊しているという側面である。政府にしてみれば、小児病的に原理主義を振りかざされたのでは、何一つ出来ない。こういう気分になるのだろう。所が、環境対策という正義の御旗に取り付いて、一儲けだけ考える企業がわんさかいる。なにしろ巨大な風力発電所を作るにあたって地元の地域説明会行わない場合の方が多いそうだ。良いことなら大いに説明すれば良さそうなものの、やはり、迷惑施設という意識はあるのだろう。健康被害で地域住民と裁判に成っている事例すらある。実はこれらの事例の問題点は、簡単なことである。大きすぎるのである。
企業は大きくなければ儲からない。家庭用では儲からない。より巨大化して、電気で儲けるのでなく。建築費と補助金で手っ取り早く儲ける事をめざす。補助金を出すなら、家庭用にこそ出すべきだ。環境には、小さいことは良いことだ。生ごみの巨大たい肥化プラント等の構造と同じである。企業にしてみれば家庭で処理するなどということでは、儲けにならないから興味がない。それでついつい巨大化する。環境産業に群がるハイエナ企業である。その為に環境事業と言いながら環境破壊事業に成って行く。この構図が天下りの温床を作り出す。想像通りで、風力発電設備の天下りの大手5社が半分以上の補助金事業を行っている。ダイオキシンを錦の御旗にして、巨大溶融炉が広がってしまった図式である。風力発電すべてが環境に良い発電とは言えないということである。
野鳥の調査であった。この報告書でも調査の基礎データーが不足していることが指摘されている。それは野生動物全般に言えることだ。小田原でも野生動物の農作物被害が頻発してきているが、その実態というものが把握されていない。中山間地の状況は相当に厳しいことに成っていると思われる。野生動物の実態の調査を徹底して行う必要がある。口蹄疫でもイノシシの感染可能性がある。韓国では大丈夫なのだろうか。鳥インフルエンザの野鳥への影響も、広く細かい実態の調査が必要である。調査研究費が不足していることだろう。野鳥の会などの団体との連携も必要である。私が家の周りで、見聞きすることが、大きく全体把握する機関に伝えられ、細部と全体が有機的に繋がって行くような野生動物の、把握システムが形成されないとならない。