尖閣諸島事件3
あまりにひどい政府の対応に、あいた口がふさがらない。登山道の草刈りも中止になったので。一日1本の原則を曲げて、今回の管政権の無能ぶりを記録しておきたい。那覇地検は釈放理由に外交への影響をあげた。政府が責任を、地検に押し付けたということである。谷垣自民党代表は腰砕けと発言した。この事件が意図的に起こされたものと想像してのことだろう。それでなければ、一旦は頑張ったのち、腰が引けてしまった。ということにはならない。今回の場合は、みんなの党の渡邊氏の言うように腰ぬけである。こんな政権に外交を任せてはおけない。まず、海上保安庁を制御できていない。現場に対して、明確な政治的意図を伝えなければならない。もし、現場に髭の隊長のようなおかしな、駆けつけ軍事行為を意図するような人間がいたら、事前に刺を抜いておく必要がある。としても、あえてこうした挑発行為を意図する、跳ね返りはいる。一旦起きてしまったことの収め方である。
今回は沖縄地検の独自判断ということにした。誰が見てもバカバカしい嘘にしか見えない。あからさまな嘘に見えるということは、外交にもならないし、日本という国が侮られる原因を作るということになる。同時に検察、日本の司法というのは、政治のいいなりという恐ろしいことも、いよいよに明白になった。それなら、何故、拘留期限の延長などしたのだ。国外退去処分に早くすれば良い。先の読めない素人集団のようだ。頑張る方針なら、頑張りながら、妥協点を用意する。頑張ることが出来ないとしたら、最初から譲り方を模索する。今回は何の方針も無く、ただ状況に流されて、日本という国家の主権に傷を付けた事例を作った。そのことすら理解できないような仙石官房長官の場当たり的な様子に、あきれ果てた。腰ぬけは政治の姿勢として悪い訳ではない。腰ぬけに徹して、最初から強気は見せないことだ。怖くなって腰ぬけになるというのが最悪なのだ。それでは本当の腰ぬけだ。
この意味不明の態度では政府が意図として、海上保安庁に指示を出したということでないことは分かった。それでは誰がこんなことを起こしたのか。現場のうっかりか。現場に対しても何の明確な指示も無かったということか。緊張した国境警備で、そんないい加減な状態ということか。平和外交というのは、こういうところに徹底した神経が必要だ。軍事的な力の外交とは違う、力ではない、智慧を駆使した外交力が必要である。尖閣諸島については、両者で触れないでおくという、暗黙の了解があった。ひとまず置いておいて、ガス採掘について、やっと話し合いの糸口が生まれてきたというところだ。こんな時にこんなバカなことを起こしてどうする。だからやっと譲り始めた中国としては、激怒しとことんやるしかなかった。沖縄の基地問題が背景にある。緊張を高めて基地の存続増強を考える勢力は、常に存在する。それをどうコントロールするかが政府の配慮では無かったのか。
取り返しのつかない処置をしてしまった。日本は相当危うい状況にある。今後さらに厳しい事態が待っていると考えなければならない。間違っても、緊張を高めるような方向に向かわないこと。すでに力の外交を目指す勢力は、罵声を上げている。この声に負けてはならない。漁船の逮捕から始まる、連動した流れと見なければならない。誰の声が高いか、立ち上がれ日本。自民党。みんなの党。国民新党。あえて弱腰は弱腰に徹してもらいたい。急に強気を見せれば、今回のような大失敗になる。これ以上整合性のない行動はとらない。場当たり的処置は行わない。時間を少しかけてもいいので、政府には明確な方針、意図を国民に分かるように示す。失敗は失敗として、地検への政治的介入に関して事実を述べて、今後の3権分立を明確にする。政府が今行わなければならないのは、説明責任である。日本では、政治も司法も、小学校のようだ。