口蹄疫
口蹄疫は牛と豚に感染する、ウイルスによる伝染病である。鶏に対する、鳥インフルエンザと良く似ている。実は人間に対しても、同じようなものである。「人間に対してまったく安全である。」という赤松農水大臣の発言は、科学的にはさしたる根拠はない。人間に感染したとする報告も無いわけではない。この点でもトリインフルエンザと良く似ている。宮崎県で4月23日に最初の感染の確認があった。現在、7日時点まででは感染は広がる一方で、新たに川南町では12箇所で見つかったようだ。殺処分数で5万頭に及んでいる。感染の広がり方からして、初期の防疫には失敗していると思われる。宮崎県では自衛隊の出動を要請し、殺処分や消毒を進めている。しかし、こうした対応が、茨城県でのトリインフルエンザの際での事例のように、感染の拡大をむしろ誘発する場合もある。検査の為に全国から動員された、家畜衛生職員がウイルス保有者となり、他の農場へ伝播してゆくこともありうる。
ウイルスの型はアジア全域に広がるタイプと同型とされている。空気伝染もありうるというのだが、どう考えても人間による感染が、一番可能性が高い。感染が一定広がってしまえば、収束まで根気良く対応する以外にない。しばらくは根絶は無理な状態と考えた方がいい。こういう時恐いのは、無知による感染の拡大である。慌てて、畜産関係者を一箇所に集めて、口蹄疫対策の復習を繰り返し行う、家畜保健所などがきっと現れる。人から人にウイルスの保有が広がり、そこから次の家畜農場での感染が起こる。絶対に、畜産関係者は意味の無い畜産関係者の集会に出かけないこと。これはどの場合も鉄則である。畜産関係者が、アジアの畜産の見学に行く。こう言う事の後は、1ヶ月は他所には行かないことである。まず、宮崎県の担当者のウイルス保有をチェックする必要がある。この保有というのは感染とは違う。
今の家畜はきわめてウイルスに弱いと考えなければならない。飼育方法が経済性だけで導き出されている。こうした感染性の高い伝染病の場合、防ぐ事が極めて難しい。難しいあまり、さらに消毒を強化してゆく。外部の環境と遮断して行く。その結果家畜はさらに免疫力の極端に低いものとなる。豚の場合は、回転が速いから、鶏のブロイラーと良く似た結果になる。牛の場合は産卵鶏と良く似た経過になる。現状では自然が吸収してくれるのを待つ以外にない。中国では、口蹄疫のワクチンを使用している。トリインフルエンザでもワクチンを使用している。日本では禁じられている方法である。中国は正に、日本では行ってはならないと言う方法で、日本以上の大規模畜産が行われ始めている。ヨーロッパが、養鶏ではケージ飼育を禁じようとしている。この危険な実験状態をどのように見るべきか。
人間と家畜の関係はとても危険な状態にある。今のままの家畜飼育では、人間への新しい感染症が防げない事になる。口蹄疫やトリインフルエンザはまだ序の口である。手に負えない、共通伝染病の登場はこのままでは登場する。もし、100万人の人間が垂れ流しで、1箇所で暮らしていたらどうなる。外部と遮断すればするほど、消毒をすればするほど、その中で起こることは新しいウイルスの登場を促しているようなものだ。いつか、必ず、怖ろしい事が起こってしまう。その前に世界全体で、家畜の飼育の制御をしなければならない。人間は肉はめったに食べない方がいい。たまに食べる範囲にしておく必要がある。世界の多くの宗教が、肉食を禁じているのは、それなりの理由があると考えた方がいい。まだ間に合う。打つ手はある。江戸時代の日本の文化の価値を見直すことだ。
昨日の自給作業:稲播種3時間 累計時間:12時間