ダンボールコンポストの配布

   

小田原市の「生(いき)ごみプロジェクト」が始まりました。小田原市のダンボールコンポストの配布が始まる。1000軒の配布である。申請すると無料でダンボールコンポストがもらえる。その上に、生ごみ入れないゴミ袋が1年分もらえる。4月1日から申請が始まり、既に相当数の応募が来ているそうだ。順当な立ち上がりで、小田原市の市民意識の高さが、こういうところに表れてくる。他所の市町村でやってもそうは人が集まらないだろう。小田原人の気質と言う事もある。自治意識が強い。全国で自治会加盟率が一番と聞いた事がある。今は、地域の状態も変っているだろうが、それでも、市民活動の活発さは相当のものだと感じる。1000の配布までは、苦労もあるだろうが達成は出来そうである。このモデル事業が成功すれば、7500軒という、10%まではいけるのではないだろうか。そうなれば、家庭からでる生ごみが1割減る。つまりごみ量の5%は減る事になる。それは財政負担も減ると言う事である。

広域ごみ処理が進められる中、その前にこのモデル事業が進められる意義は大きい。出来る限り家庭で再利用する。ごみの焼却はどうしても燃やさざるえないものだけに限定する。これを大きな時代の流れにしなければならない。これに逆行しているのが、大都市の暮らしを失った姿だ。それでは循環が滞り、社会そのものが破綻する。「人類はごみで滅ぶ。」と言う養老先生の予測すらある。小田原で今行う社会実験は、暮らしそのものの見直しで、小さい家庭での事のようだが、実は人類の大実験だと思っている。小田原がこういう社会実験で日本中に発信できれば、実に交流拠点を目指す、小田原らしいではないか。いつ「いきごみサミット」を開けるまで頑張りたい。

ダンボールコンポストの基材詰めを行った。まず、材料の混合の割合の調整。おがくず、350リットル。ピートモス250リットル(1袋)クンタン75リットル。腐葉土50リットル。米ぬかは各自1キロ。33体分である。混合するのに大勢でやって、1時間ぐらいだった。福祉作業所の仕事としても、可能な工程も調整できた。おがくずが先日まで山のようにあって、廃棄に困っていたのに、それが今度は、探すとどこにもない。困ってしまった。剪定チップのおがくず状の細かなものが、山北の原造園にあるそうだ。これを緊急に戴きに行かなくてはならない。合板や防腐材を使った材木のおがくずという訳にはいかない。ピートモスは輸入品だから、正直あまり使いたくない。しかし、虫の発生を防ぐには、ある程度入れざる得ない。この辺は今後の研究課題である。

ダンボールコンポストは、小田原の社会実験である。生ごみを出さない家庭にはそれなりの恩恵があってもいい。町の商店街の小さなお店で使える「地域貨幣」は提供するのはどうだろうか。商店街と、行政と、市民の連携である。農家で直接生ごみ堆肥を作り、利用すれば、その農家の農産物が、学校給食に利用される保証をすると言うのはどうだろうか。生ごみは地域社会を活性化する、大きなアイテムである。一番簡単だから、集めて燃やせばいい。こう言う精神では、人類は滅びる。ごみの事を考える時、経済の合理性だけを考えてはだめだと思う。ごみをきっかけにして、経済そのものの仕組みまで変えることが出来るかもしれない。農家が堆肥を使うような農業では、生産性が低く生きてゆけない。大規模化、と合理化。どこまでやっても、他産業に較べ、農業が経済的に割に合わない事が分かる。全体の循環を重視した視点で、暮らしを見直す必要がある。

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