民主党政権とは
民主党政権に対する質問が、中国でもあった。日本の農政が民主党政権になって、どう変わるのかと言うものである。共産党一党の中国だから、政権が交代すると言う事に、関心が強いのは実際的なことなのかもわからない。など思いながら、そういえば、日本で起きた事は、選挙による革命が起きたと言う事だと気付く。長かった。意識した時は自民党が政府であった。あまりに長くて、自民党を批判する事が、習い性になっていたようなものだ。そして、ついに革命が起こった。平和的なものでよかったが、びみょうな民主党への期待と不安が起きている。農業政策では、早速、農地の貸借補助を凍結した。補正予選で、土地を借す人にお金が補助されるという仕組みが緊急に提案された。自民党の選挙対策のようなもので、周辺の環境整備はなく、唐突にこれだけが出た。すばやい抜け目ない農業法人などは、早速利用を進めていた。
ことの変わり目はそういうものだろうが、戻るも行くも、日本の農業は暗澹たる所に立ち止まっている。革命だ。当然の事である。混沌を抜けて、民主党の意志を明確に打ち出す以外にないだろう。先ず、自給率50%をすぐにも達成するための政策だ。お米を作って暮してゆけるような、政策を打ち出して欲しい。余剰米の使い道を考えるのが、政府の仕事だ。戸別補償の細部を分かりやすく、公表して欲しい。農家の取り組みが、始まるためには、時間がかかる。曖昧のままだと、作付けて失敗をする農家が出る。今まで上手く補助金を利用して、やっと息を付いていた組織や、農協は淘汰されるべき部分も多分に持っている。私のような小さな農家であっても、年間の作付けの計画を立て、動いている。大きな方針が分からないと、仕方なく例年通りと言う事になる。農業は結果が出るまで時間がかかる。
補助金は止めて欲しい。お米を作らないと、お金がもらえる。農地を貸すと、お金がもらえる。農業をやらないとお金がもらえる。こう言う仕組みが農家の心を蝕んだ。「農業を普通にやれば、普通には生きて行ける。」この当然の事を実現して欲しい。農業は国家の基礎の仕事だ。農業分野で大儲けができるような仕組みは必要がない。立身出世を望むものは、農業から出てゆけばいい。農業は当たり前であることが一番いい。幸いな事に、農業は儲からない。農地も価値が下がっている。こうした要件の基に、農業革命を起こして欲しい。人間が生きる、基本的な要件は、私の権利である。一人が生きる、空気や水や食糧。憲法に保障されたものである。人間一人、一日、1時間、100坪の土地で農業をすれば、食べる物は確保される。これが誰にも出来るような条件を作り出す。これが革命の目標である。
政治家は若返った。特に民主党議員は若い。これから農業を学んで欲しい。小泉チルドレンは見てのとおり、イメージキャラクターで、実力がなかった。民主党議員には農業がどういうものか学んで欲しい。昨日もお世話になっている、長谷川さんが、農作業中に大事故をされた。以前、石綿さんも事故をされた。友人の窪川さんはトラックター事故で死んだ。本気の働き者の農業者は、とても無理をしている。無理をしなければ、やりぬけないからである。長谷川さんも、石綿さんも、若い農業者、新規就農者から見る、スーパーマンである。目標であり、お手本である。そんな桁外れの人でも、農作業中に事故にあう。とても忙しいのだ。忙しすぎるのだ。民主党の若い議員の方には、そうした農業者と同じ地平に立って、先ず農業の実態を学んで欲しい。学んだ上で農業がこの国の未来に、どうあるべきか考えて欲しい。