経済の見通し
経済の見通しの中に、秋には明るい展望が開ける。年末には回復基調に入るだろう。こう言う楽観的なものが出てきている。そうしたことは間違ってもない。アメリカ主導のグローバリズムシステムが、崩壊し始めている。60年間アメリカ一国の正義による、世界秩序構築が進められ、いよいよアメリカの衰退が始まっている。今回の豚インフルエンザにおいても、アメリカの対応のひどさは目に余るものがある。一つの病気への対応ですら、きちっと出来ないような国家になっている。WHOが一日も早く正確な情報を出し、明確な対応策を示す必要があった。WHOには以前よりそうした能力はない。製薬会社とか、アメリカの経済とか、そうした配慮としか思えない対応を行う。今回も、アメリカが対応できないと言う前提でいた為に、3から5への危機感管理が遅れたと考えられる。豚に目が行かないように、進めてきたのもアメリカの方針と考えると分かりやすい。
日本の報道が、WHOの鳥インフルエンザ対応を持ち上げてきたのも、どうも解せない。大規模養鶏の禁止が、日本では取りざたもされないことが、おかしなことなのだ。アメリカと日本の正義は、経済あっての正義だ。大規模養鶏をやめて、どうやって自給率を上げるのか。そうした、枠の中でしか思考できなくなっている。アメリカが世界を支配するような形での、グローバリズムは目に見えて後退している。日本だけがアメリカ依存を続けている形だ。日本経済が輸出産業中心に回っているために、そうせざるえない実に、リスクの高い状況に現在いる。アメリカ後の世界を考えた方がいい。アメリカが、普通の一国になった状況。依存している日本経済はアメリカに倍して衰退が進むだろう。それは日本の実力の所に戻ってゆくことである。
アメリカがいなく成った世界は、世界各国の独善の利己主義が広がる。地域紛争も多発する。今以上の無秩序状態が広がる。食糧危機になる。抑止力のなくなった世界のの中で、日本がどのように生抜くかを、正確に進路を決める必要がある。アメリカの舟からいつ降りるのか。新しい仲間をアジアの周辺国で作れるのか。テロとの戦いなどと、アメリカが叫んでいること自体が、意味を失う。それにしがみつく日本政府は何と先が読めないことか。安倍元首相を中心とした、自民党国防族議員はまたぞろ、集団自衛権を認めさせようとしているそうだ。アメリカとの集団自衛権など、迷惑でしかない時代が近づいていることに気付かない。気付かないのは当然で、アメリカにしがみつく以外の日本の針路を、想像すらできないのが今の大半の国会議員であろう。それは現状の利権から出ているのだから、当然とも言える視野の狭さ。
今一時的に下がっている、アメリカの食糧が値上がりする。生産量も下がるかも知れない。アメリカに依存した食糧体制から、日本の自給への道への転換を急ぐ必要がある。実はオイルショックのときも似たようなことを予測した。しかし、そうならずに、バブルになった。私の予測が当てにならないことは確かだが、それは、そうならないように必死に修正をつづけて、生きながらえているからにすぎない。本質的な解決がついたわけではない。問題は深刻化している。多分今度は本当の崩壊を向えそうだ。今後混乱の時代が始まる。紛争の多発激化。食糧危機、環境汚染の深刻化。その中でどのように新しい、価値観を人間が創出できるのか。中でも江戸時代に日本人が作り出した、循環型の安定社会のモデルは重要に成る。