麹の仕込み

      2016/08/11

本日は、早朝から小宮農園で麹の仕込みを行う。一人3キロだけど、150キロ分だから、50回セイロを使うことになる。5組並べて行って、10回と言う事だから。丸、一日かかることだろう。中原さんが全体を仕切っているからできることだが、相当なことに成りそうな気がする。相当に寒いが、雨の方は無さそうなので良かった。今回も麹は初めてという人が、結構居るようだ。麹つくりをやろうという方針は味噌作りの最初の頃からあった。ただ、買って来た麹と混ぜるのでは、農の会の自給の精神に反する。当然、大豆も栽培し、米も栽培する。そういうところに踏み込まない、自給体験教室のようなものは、肝心な所が欠けがちなのだ。幼稚園の芋ほり体験が、芋が既に掘られて、畑に並んでいた。子供は芋は畑に落ちているものと思うだけだと。

大豆を造ると言う事が始まり、種を撒き、植物が芽を出し、育つ。そして、畑に植えられ、実るまで世話をする。こうした全てを、体験する。ココで始めて、自給に於ける自信がつく。何だそうだったんだと言う事が、沢山見えてくる。思ったより大変と思う人もいれば、案外楽なものだと思う人もいる。大豆だって、無農薬で作るとなれば、結構大変な技術となる。草取りだって、どのタイミングで、どの程度やるものか。理屈だけでは見えないことが幾らでも出てくる。今まで味噌作りで、麹つくりで、上手く行かなかった人というのはいない。大抵何とかなっている。これはすごい事だ。誰でも出来るように、全体が技術化されていると言う事だ。この辺が農の会の今までの蓄積なのだと思う。

一人の自給より、みんなの自給の方が楽で、楽しい。こんな風になることが大切だと思っている。確かに何年もやっている人は、家でやれば出かけないで、あれこれ面倒がない。こう思うだろう。でも、それでは始めてやる人には伝わらない。昔なら、地域や、家族で、そうした技術は伝承されていた。いまや、完全に失われてしまった中で、どうやって掘り起こし、再生して行くか。私たち自身が、伝えてゆくシステムまで含めて、そうしたコミュニティーを作らないとならない。今年は、醤油にも一応は、取り組んだ。今回の醤油体験が、技術になるにはもう少し繰り返しが要るかもしれないが、地域で、自分たちで、その辺まではできると言うのは、必要なことだと考える。麹屋さんがなくなり、醤油の絞り屋さんがなくなり、自給はなかなか大変になっているが、そこを却って面白い取り組みのする手立てに出来たらと思う。

大豆を煮る大がまが、5つ並ぶ事になる。30キロかける。5つだけれど。これはこの次の日曜になる。こちらはこちらで、面白い。大釜で煮る大豆はおいしいのだ。同じ時に寸胴で似た大豆と較べたら、明らかに差が出来たのだ。どうも豆が釜の中で廻るかららしい。その豆も農の会の豆は、これまた上手い。だから、例年旨い味噌ができる。その旨さも、それぞれで、食べ較べもやるのだが、これも不思議だ。発酵というものの醍醐味で、それぞれの自家製がわかる。誰にとっても自家製が一番だ。今年の味噌の仕込みも、50組も申し込みがあったと言う事だ。きっと、一人でやるより楽しいものになりそうだ。まぁー私などは、正直一人では続かなかったに違いない。みんなとやれると言う責任感と、楽しみで、かかわらしてもらってきた。

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