米袋の麹作り

      2016/08/11

今回はいつものやり方より、簡便な方法と言う事で、米袋で仕込む麹作りを試してみた。中原さんが試みて、上手く行ったというのだ。袋に入っていると言う点、前から雑菌が付きにくく、又運搬にもいい。可能性が高いと思っていた。今まで、藁つとで包む方法や、麹箱に仕込むやり方。補助熱もコタツやら、電気絨毯、電気毛布と色々試みてきたが、今年はついに、湯たんぽだけでやってみている。麹菌のその性格が大分解ってきて、湯たんぽでもいけるなと言う感じがして来た。もう一つは、今年はストーブはない、電気毛布や電気絨毯など、論外。七輪生活と言う、つわもの鈴木さんが参加した。当然の事、湯たんぽぐらいで出来ないのか。こう言われる。それじゃぁーやってみるか。という気になった。問題は立ち上がり6時間だ。この間上手く、温度維持が出来れば、後は自温が生じてくるから、加温はそれほど心配はなくなる。

麹は米袋に入れる。袋はぐるぐると巻き込んで閉じる。その廻りをやはり米袋を切り開いた紙で包み、そこにポリタン湯たんぽを4方に置き、湯たんぽ一リットル四本を用意した。ポリタンもあるから、あまり高温じゃなく、85℃くらいのお湯を入れた。さらに、全体を毛布で包んだ。その上から、4枚の座布団で、固める。これで、最初設置した段階では20℃に下がっていたが、徐々に上昇し、3時間後にはほぼ30℃になった。ここで、さめたお湯を暖かいものに交換して、さらに5時間後お湯の交換。麹の温度は36度程度。もう一度お湯を交換して、20時間後の一番手入れ時には42度になっていた。少し高いが大丈夫。ここではお湯を交換せず、袋ごとごろごろさせて、袋の上からお米を細かくほぐし、袋一杯に広げる。

結構上手く行っている。段々麹のことがわかって来ると、手間をかけずにやれる方法が見つかる。それは手順が短縮されてありがたいというだけでなく、技術として確立すると言う事になる、大切な要素だ。どんなに上質な方法でも、名人だけできると言うようなものでは、意味がない。出来る限り、素朴で単純なやり方に整理して行かなくてはならない。それが自給らしい技術だと思う。湯たんぽで進めて、麹菌と親しく語らった。電気と言うのは便利だが、会話がなかった。湯たんぽの暖かさを通して、麹がその性格を語ってくれた。

味噌は置く場所で随分違ってくる。冷暗所。昔で言えば、味噌倉と言う事なのだろうけど、それでは普遍化しない。これから、温暖化時代。自給の課題になってくる。共同の穴倉を作ったら良いと思うのだ。私の家には幾らでも斜面があるから、この斜面に穴を開けて、上手くトンネルを作り、そこを保存庫にして、みんなの共同利用にする。それは冬場の種芋や生姜の保存、等にも利用できるのではないか。廻りは石で組む。石は大谷石のような物が良いらしい。良い保存庫があれば、野菜などもあれこれ置けるわけだし、みかんのほぞんだって夏まで可能になるかもしれない。冷蔵庫の電気保存にいつまでも頼っている訳には行かない。この斜面を昔の人は遠々掘り進んで、水脈まで200メートルは進み、そこから、自分の家の飲み水を取っていたらしい。どの家でもやっていたことだ。麹の発酵を待っていると、自分の発想の方も、色々刺激されて、面白くなってくる。しかし、面白いのだけど、やりたいことばかり出てきて、大丈夫かな。

自給の作業時間:味噌麹の仕込み:2時間、醤油のしこみ1時間 累計時間:13時間

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