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笹村 出-自給農業の記録-

台湾は国家である。

   

 

台湾は一番好きな国だ。現在の台湾を一つの国だと認識している。特別な忖度なく、現状台湾は一つの国と見て問題はない。中国との関係の重要度が高いから、台湾を国家として承認しない国が多い。本当は情けないことなのだが、これも仕方がない政治なのだと思う。

国家というものが、一つの国家から分離するためには、その国の憲法に分離のための手順と要件が明記されていなければならない。しかし中国の憲法にはそうした明記はされていない。日本国憲法にも示されていない。つまり、日本も中国も、独立したいとその地域の人が、主張したとしても独立できない憲法の国なのだ。

世界には独立を認める憲法を持つ国もある。日本のように、琉球王朝を武力制圧し、日本国に編入させたものであっても、一方的に併合した日本国から独立したいという、地域住民の意思が生まれたとしても、そのためには、まず憲法の改正から始まることになる。

台湾は国として存在しているとみて良い状態である。中国との関係がなければ、世界中が歓迎し、国連も加盟するはずだ。中国にしてみれば、中国の一部だったわけだから、勝手に独立することを認めれば、相次ぐ地域が現われる可能性が高い。ソビエト連邦と同じことになる。

ただし、と言う条件がある。中国が中国の一部であると主張していて、いつか中国に編入されるべき島と言う認識である。この中国の認識も当然のことで、毛沢東共産軍と蒋介石国民党軍の戦闘状態のまま、台湾に逃亡したのが国民党軍。膠着して今に至っているのが現実の今の状況である。

1971年のキッシンジャーの中国訪問から始まった米中国交回復の動きは、72年のニクソン大統領の訪中を経て、79年のカーター大統領の時に正式に国交回復が実現した。すべてをアメリカに従わされる日本も、当然それに従い、田中角栄氏が日中国交回復を行うことになる。

1972年9月29日に田中角栄首相と周恩来首相が「日中共同声明」に調印し、日本と中華人民共和国の国交が正常化された。共同声明には中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

それによって台湾と日本の関係は、建前上は非公式な関係になった。しかし、台湾は日本にとって重要な友好国であり、非公式ではあるという言う、曖昧解決で、民間の関係という建前で、台湾との国交を維持して行く。という暗黙の了解を台湾との間で裏の外交で確認し、現在維持をしている。

この裏の外交をになう人たちが、自民党にはいて統一教会との関係を作り上げた。戦前から軍に関係して、大きなお金を動かし、フィクサーとして裏で動く、極右集団が存在した。岸信介はその表の面であったのだと思う。それを引き継いだのが安倍晋三。台湾との関係もそういう形で作られたのではないかと想像している。

この曖昧解決には、自民党の苦心だったと思う。その後台湾との関係はむしろ深くなり、良好になり、民主主義国家として協力しながら進む良き隣国であったと思う。当然中国側も、この曖昧解決を尊重して今まで来ていた。ところが今回台湾を曖昧にしておかない。という高市氏の宣言であったわけだ。

高市氏には中国との関係を、緊張関係を高めて中国が軍事的威圧行為を行うように、誘導している。このやり方は、脅し外交で、裏社会の中国とのパイプが壊れたことを意味している。もう日本はなんでも曖昧にしておかないという宣言かもしれない。

もちろん曖昧にしようとしていた暗黙の了解を、あえて無視した高市氏に中国も黙っているわけにはいかない。何しろ、中国は武力侵攻も辞さないとまで、軍事的な脅している立場である。そう言わなければ、中国軍を納得させることが出来ないはずだ。

高市発言を日本の挑発と受け取らざる得ないわけだ。高市氏は挑発が必要と考えたと思われる。その必要性とは日本国民が中国を仮想敵国として意識して貰わなければ、防衛費の出所がないからである。尖閣問題をいかにも対立要件にするのと同じ手法である。

中国はこれほど危険な国だと、国民が認識なければ、膨大な財政赤字の中で、お金が足りない中、国防費の倍増など出来るわけがない。しかし、トランプと約束をさせられている。高市氏も国防費は中国に負けないくらい増やしたいと考えて居る人間である。

平和外交どころではないのが、高市外交だ。対立を深め国防費をうなぎ登りに上げて行くことだろう。これが日本経済をさらに停滞させるに違いない。それでも中国が攻めてくるのだから、仕方がないだろうという話になる。そう言うやり方しか、日本が国防費をこれ以上増やすことは出来ないはずだ。

国防費を今上げると言うことは、必ず国民の暮らしはさらに苦しくなる。それを受け入れろというのが、高市氏の以前からの思想なのだ。こういう人を選んだ自民党は、参政党の出現に慌ててしまったのだと思われる。世論調査とは別に、電通などを使い国民の動向を深く調べている。その結果から動いている。

若い人たちが、ここまで右傾化してきたことには私も驚いている。政府の洗脳と言うより、SNSによる洗脳現象なのではないか。ネトウヨとよばれる動きがあったが、ネトウヨの一般化というような動きに見える。あえて過激思想を広げるのではなく、SNSで誘導して行くのかもしれない。

SNSを利用した、国民の誘導方法というようなものが、研究されているのではないだろうか。恐ろしいことが起きている気がする。あの兵庫県知事を当選させた手法など、小さな広告会社がやったことだが、実は電通のような大手の広告会社が、国民の誘導洗脳に関わる。

これは商品販売では十分に研究されているはずだ。AIを利用し、見えない形で的確に、国民を誘導しているのではないか。あからさまな先導ではなく、じわじわと国民を動かす手法が、生まれている。その証拠は高市政権の支持が若者の間で進んでいる。

若者がSNS人間になり始めている。大げさな味方に見えるかもしれないが、中国やロシア政府であれば、やっていると想像できるではないか。同じようなことを電通を使いアベ政権は行おうとしていたはずだ。それが、新大に創設される国家情報局の主たる役割になるはずだ。

台湾のことから話がずれてしまった。台湾が平穏であることを願うものである。台湾の国民が、中国の中に入りたいという国作りを、中国がすべきなのだと思う。中国が民主主義国家になれば、何の問題もない。ところが香港で起きたことを見れば、誰もが中国になりたいとは思わないだろう。

中国が台湾との統合を望むのであれば、中国が独裁から民主主義に変わる以外に無い。中国人は能力の高い人たちだと思う。世界中で立派に商売をしている。自由に商売をするためには、世界中が自由な国でなければならないはずだ。トランプが独裁を行えば、世界中の経済が困るわけだ。

日本においても、国家への帰属は国民が望むものでなければならない。確かに憲法には地域が独立可能な手段はない。とはいえ、一つの地域が、独立したいと考えるような差別はあってはならないのは、当然のことであろう。それは台湾も同様のことだ。

中国に帰属したくない。これが明らかに、台湾の大多数の国民の希望である。台湾が紛争地域であることも現実である。台湾の併合が武力的に行われることはあってはならない。台湾に暮らす人々の自由意志に従い、紛争が解決することに、日本政府も協力をしなければならない。

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