ロシアのNATO挑発
2025/09/24
北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対するロシアの挑発行為が続いている。ウクライナ支援に対する反発とみていいのだろう。10日のポーランド領空への無人機の侵入に続き、19日には戦闘機3機がエストニア領空を侵犯した。プーチン露政権の高官からは「NATOと戦争状態だ」などと威嚇する発言も相次いでおり、緊張が高まっている。---読売新聞
危険な兆候である。ロシアは停戦を有利に導くために、NATO諸国の世論が変わることを期待しているのでは無いか。アメリカが中国との関税交渉をとおして、中国に押されている。その結果、ロシア、インド、中国の関係強化に対しても圧力をかけられない状態になった。
アメリカがロシアのNATO防衛に対して、どう言う態度をとるのかを試しているのかもしれない。それは日本も同様で、アメリカが中国の台湾侵攻に対して、軍事支援をするとは到底思えない。むしろ中国との関税交渉を通して、台湾支援が後退しているとみて置いた方が良い。
日本は現状の世界の不安定化に対して、軍備の拡大を目指している。しかし、中国やロシアと言う核保有国に対して、日本が軍事的に対抗することは、経済的に不可能と考えた方が良い。日本は中国との関係修復を模索すべきだ。同盟国のはずのアメリカが当てにならない以上、中国との関係を模索する以外日本の安全保障は無い。
軍事的に中国に対抗したところで、アメリカと日本との同盟関係が信頼できない以上、核兵器を保有しない国は脅されるばかりになる。そもそも中国との関係が悪化しているのは、アメリカの誘導による。アメリカは中国に圧力を加えたい。その先兵の役割を日本に期待している。
世界の安定はアメリカによって維持されていた。アメリカが一国主義に後退したために、世界の軍事バランスが崩れた。ロシアの軍事的野望はソビエト時代の衛星国の回復まで考えて居るようだ。ロシアが軍事的圧力を高めるほどに、近隣諸国はナトウに加盟してきた。ウクライナをロシアの領土だと考えて居る。
日本もアメリカの言いなりで、わざわざ石原慎太郎が都知事時代に尖閣を問題化させた。日本の右翼は何故かアメリカの手下になる。強大なアメリカに敗北した挫折感が、武力主義者達の性根を、奴隷根性にしたのかもしれない。
領土などこだわる必要は無い。尖閣が中国のものになることで、両国の友好関係が復活するのであれば、尖閣諸島は中国の領土でかまわない。まずは国際裁判所に帰属を決めて貰えば良い。ただし、中国の所有にするに当たっては、軍事基地かしないと言う約束だけは取り付ければ良い。
世界が軍事力の強化に進んでいる。2024年の世界の軍事費は前年比9.4%増という。これは次の戦争が起こる前兆なのだろう。米国が全体の36.7%を占めており、圧倒的なトップの地位を維持している。中国、ロシアを加えた米中露3か国で53.7%に達している。日本は2%である。
戦争になれば、ひとたまりも無い国が日本なのだ。日本レベルの国が、18カ国集まってアメリカと同レベルなのだ。そして、中国の軍事力の増大が目立つがそれでも、11,5%と言うから、アメリカの軍事力を圧倒的である。だから日本の軍国主義者はアメリカの言いなりなのだろう。日本は10位で553億ドルと21%の増加で、国防費の増加率は1952年以来最大となった。
確かに戦争は刻々と近づいている。戦争になれば、ウクライナを見れば分かるように、弱い国はめちゃくちゃにされてしまう。ウクライナの姿を日本の姿にどうしても重ね合わせてしまう。ウクライナも軍事国家していたが、結局はどれほど軍事支援があったところで、国は壊滅的な状況になって行く。
戦争は何も解決はしない。たとえロシアがウクライナ全土を掌握し、ロシア領土になったところで、問題は深刻化しただけで、さらに根深い問題となり、歴史の中で反動が起こる。戦争は無意味な暴力に過ぎない。ウクライナが何故平和交渉を求めなかったかと思う。
クリミアがロシアに編入した際に、ウクライナは軍事力強化を目指し、アメリカやナトウ寄りを鮮明にした。これがロシアの軍事侵攻につながったわけだ。まさかロシアがこれほど愚かな国だとは思わなかったが、ロシア国民全体がプーチンを支持している姿を見ると、国民というものは案外に簡単に洗脳されるもののようだ。
日本も同様である。最近の日本の国民の多数派が、「中国が覇権主義の国で、台湾軍事侵攻が近い。」このように考える人が多いのでは無いか。大本営発の洗脳報道である。アメリカを忖度した日本政府の愚かな政策なのだ。沖縄を防人の島にするのもやむ得ないという世論の形成。
沖縄をアメリカに差し出すことで、アメリカに日本を中国から守って貰うという、交換条件である。アメリカが日本を守るために、自分が犠牲になるようなことは無い。軍事国家アメリカはアメリカ本土を守るために、前線基地が必要だから、自由に使える基地を必要としているにすぎない。
世界戦争が近づいてくる中で、日本が行わなければならないことは、平和外交の努力である。平和外交など何の力にならないと考える人も居るだろう。しかし、日本の軍事力など何にもならないことも、同様である。平和のために出来ることはすべてすべきだ。軍事力強化をするくらいならば、同じ費用をかけて平和外交を進めることだ。
中国には日本の満州進出から、日中戦争における日本の暴虐を許せないという思いは当然のことだ。加害者たる日本人は敗戦ですべてが水に流されたかのような、姿勢であるが、軍事侵攻された中国や、利用された朝鮮や台湾の根底に、怒りがあって当然のことなのだ。
台湾が親日的である原因は、本土から逃げ込んだ中国軍の台湾住民の過酷な弾圧の結果である。台湾は日本によって近代化が行われた。そして台湾人としての意識が高まっていた。日本支配からの解放軍であると想像していた蒋介石軍が、手のひらを返したような住民の弾圧を行う。
日本時代の方がまだ良かったと考えた台湾人が多数存在することになった理由だ。一方で、反日的な国朝鮮が生まれた理由は、南北に分かれて戦争状態に陥いり。それは戦後80年経った今でも継続している。この間軍事政権が軍事国家建設のために、反日思想を教育した。弾圧された植民地時代を国家意識の強化の元にした。
台湾も韓国も中国とのあいだに深刻な関係があると言うことは日本と変わらない。アメリカの中国との対立に利用されている。そして、アメリカと中国の関係は徐々に逆転すると考えられる。中国の国家資本主義の方が、競争に有利だ。しかも国民所得もまだ低く、上昇意欲が強い。
ロシアの動きを見ると、日本は中国との関係の修復をすることが、一番の安全保障だと思われる。日本の世論は中国覇権主義で間違っている。それは本当の中国を理解している人の共通認識だと思う。中国はアメリカよりもよほど国内的な国だ。一国主義と言えそうな国だ。
日本の政治は全く内向きである。減税と物価上昇に追いつく収入とばかり主張している。それどころでは無い世界情勢である。自民党云々どころでは無いと思う。日本の方角がま違いそうで怖い。日本人ファーストどころでは無いだろう。日本の方角を論議して貰いたい。