中国スパイ犯罪取り締まり

   

 

アステラス製薬の60代の男性社員の“スパイ活動”を認定し、懲役3年6月の実刑判決を言い渡された。判決に対して、海外から「何がスパイ行為に該当するのか分からない」との不安と批判が相次いだ。何をスパイ行為かを公表しないのだ。日本国政府も、スパイ活動の根拠を示すよう強く要請したが、反応が無い。

スパイとされた人は、長く中国勤務をしてきた人で、医薬原材料の輸出入、輸入医薬品の販売、工場の立ち上げ、販売体制構築、中国政府対策など、北京の日系企業で構成される中国日本商会の副会長や、同会のライフサイエンスグループのリーダーも務めた、人だという。

新型コロナウイルスの感染対策やワクチンについても詳しく、頼りにされる存在だったという。4年にわたる二度目の北京駐在を終え、今月に帰国して退職することが決まっていたという。まさに日本に帰る直前に拘束された模様だ。変える直前に逮捕したことには何か意味がありそうだ。

北京の日本企業社会では知られた人物だけに、その拘束に現地の日本人社会では衝撃が広がっていると書かれている。この衝撃を与えようということなのだろう。見せしめとしてのスパイ逮捕である。今回のアステラスの事案を含め少なくとも17人の日本人が中国当局に拘束されてきた。駐在員を萎縮させ、自由に行動させないようにしようとしている。

ひどい話である。日本の企業の社員が何故、中国でスパイ行為をしなければならないのか。何かの事情でそういうことがあるとしても、17人もというのは明らかに濡れ衣と考えた方が良い。中国の何をスパイするというのだろうか。想像が出来ない。中国にとっても極めて悪い結果である。

中国政府は外国企業の誘致に熱心であるにもかかわらず、どう言う理由でスパイになるのかも公表しないまま、逮捕し拘束し有罪判決を出す。中国にとっていくらかでも不都合なことがあれば、見せしめとしてスパイ罪で有罪に出来ると言うことである。これでは、日本が中国と親しくしたくとも出来ない。中国の国内にある対立を感じる。

企業の誘致を望むのであれば、スパイ行為の内容の公表は不可欠であろう。理由が不明のまま逮捕されてしまうのであれば、企業も中国進出を躊躇してしまう。中国の現状の経済的停滞は、自力更生とは行かない。世界との経済活動の強化は不可欠である。公正な裁判がない国では無理なことだ。

そのことを判らない人たちが中国国内にいると言うことだ。習近平が独裁と言っても、軍とか、警察とか、完全に抑えていると言うことでも無いのだろう。最近習近平の失脚節がSNSで流されている。フェークニュースである。ロシア崩壊もフェークニュースである。習近平氏は健在で、独裁を続けている。もしかしたら、習政権に対するシグナルでもあるのか。

私も中国に行き、栽培イネの発祥地とされる珠江中流域を見てみたい。インディカ系統につながった野生イネの生息地も、同じ珠江の中流域だという。田んぼが好きで、イネ栽培してきた物としては、イネの発祥の地がどう言う気候か、どう言う地形か、珠江がどのような水辺の川なのか。肌身で知りたいと思う。

珠江の中流域において「倒れにく い」「実が落ちにくい」といった栽培に適した野生系統の中から選ばれたイネが栽培されて、稲作がはじまる。やがてジャポニカ系統は単一系統由来のものとして、また インディカ系統は各地の野生イネ系統と交配しながら、アジア各地に広がった。

これを国立遺伝学研究所の日本人女性研究者倉田のり氏が確定した。素晴らしいことである。ジャポニカという学術名があるイネのその起源を、日本の研究者が確定した。日本の基礎研究の深さを示す研究だと思う。こう言う研究の積み重ねが、次の時代の力になる。しかし、この研究ももう14年前のことだ。今は大丈夫だろうか。

稲作が好きで長年行ってきた。田んぼが好きなものとして、その起源となる珠江中流域を見るだけでも見たい。今一番言ってみたい場所だ。しかし、中国には怖くて行けない。習近平政権に対する批判をしてきたからだ。しかも、中国のひこばえ品種に興味があると常々書いている。となれば、種を持ち出すスパイでは無いかと疑われる。

まあ、私ほどの小物まで、相手にするとも本当には思ってはいないのだが、何があるか判らないので、やはり怖くて中国には行けない。残念である。珠江についての情報を集めるくらいで我慢するしかない。イネの起源の地域の気候の情報をここに書いておけば、

亜熱帯モンスーン気候:珠江中流域は、亜熱帯モンスーン気候の影響を受け、温暖な気候と豊富な降水量が特徴です。温暖な気候:年平均気温は14℃から22℃と温暖で、年間を通して比較的過ごしやすい気候です。豊富な降水量:年間降水量は1,370mm程度で、特に春から夏にかけて降水量が多く、洪水が発生しやすい時期でもあります。西乾東湿:珠江流域は、西側は乾燥し、東側は湿潤な気候傾向があります。季節風の影響:東部は季節風の影響を強く受け、夏は高温多湿、冬は低温乾燥になります。洪水:春から夏にかけての降水量の集中により、洪水が発生しやすく、流域の都市や農地に影響を与えることがあります。

やはり栽培イネが生まれた地域の気候が判ると、稲作に参考になるところが大きい。石垣島では暑すぎるのだろうが、気候的には石垣島に敵したイネの品種があっても不思議は無い。日本は珠江中流域に比べて、かなり寒い地域なので、そうした品種改良が進んだ。そのために、日本の品種は石垣島の気候には合わなくなった。

イネの話になってしまったが、イネの研究には中国の現地を調べることが不可欠だと思う。そして今中国が行っているイネの品種改良は、世界全体の恩恵になるはずだと思う。日本にもイネの研究者は多いのだから、中国から学び、世界の食糧危機のために、熱帯イネの改良を考えて貰いたい。

スパイ行為などでは無く、堂々と共同研究をすべきだ。私が中国に何度か行った頃は、中国は是非中国のために、自然養鶏の顧問になって欲しいと言うことだった。私も知っていることはすべて伝えたつもりだ。まあ、指導などと言っても私のレベルではたいしたことは無かったとは思うが。

多くの日本人の農業の研究者が当時は中国で働いていた。私もそうではあったのだが、戦争で中国の方々に対して大きな被害を与えた。その反省と後悔があって、いくらかでも何か出来ないかと考えて居た。中国の人たちに謝りたいという気持ちで出かけていた。

その気持ちは今も変わらなくある。だから、中国を敵視政策をする自民党の人たちを情けないと思うし、許されない人たちだと思う。石垣市長だった、中山氏もその一人である。何故仮想敵国とするのか。何故中国だけを覇権主義と決めつけるのか。友好的であるべき観光の島石垣島である。

中国は遠からず変わる。変わらざる得ないはずだ。もちろん、良く変わるとは限らないが、習近平体制が永遠に続くわけではない。また、日本は中国が良く変わって行くように、隣国として努力して行かなければならない。東アジア平和連合の構築である。そのことはまた次ぎに。

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