バナナ健康法
農作業には必ずバナナを持って行く。これは30年続く習慣である。作業の休憩時間にはバナナを食べて、麦茶を飲むのが一番。暑い季節ならば熱中症対策になる。冬でも夏でも常にバナナがおやつである。バナナはできるだけ熟したものが良い。青い内に収穫する。鳥はよく知っていて美味しくならば食べてしまう。
バナナが熟すとは皮が黒くなり、果肉が発酵すると言うことになる。腐るわけではない。これを汚いといった人が居るが、大間違いである。汚いは綺麗。綺麗は汚い。果物は腐ることなど無い。熟れすぎになり発酵を始めているだけだ。この瀬戸際が一番美味しい。その上身体に良い。
毎日熱中症注意情報が出ている。石垣島は晴れているときでも80%と湿度が高いために、風のない日は汗が引くことがない。これで身体に熱がこもってしまう。火照っているなと思ったら、休んだ方が良い。休んで頭から水をかぶり、ともかく水を飲む。そしてバナナを食べる。良く塩と言うが、塩のとりすぎの方が怖い。これは私はしない。
のぼたん農園にはバナナがあり、一年中収穫が出来る。このバナナは島バナナという、特別に美味しいバナナだ。気象予報士の森田さんは島バナナ協会の会長さんである。あまりに島バナナが美味しいので、沖縄本島の国頭村に島バナナ農園を開設している位なのだ。
島バナナ協会はまず、沖縄にある島バナナの品種特定を調べたそうだ。結論としてはフィリピンのラトゥンダン種というバナナが、小笠原等に持ち込まれて栽培されていた。1888年その小笠原で栽培されていたバナナが、沖縄国頭村に導入された。これが沖縄全土に広がることになる。他の説もないわけではないが、この説が支持できる。一度フィリピンに食べに行きたいものだ。
石垣島の作物は何でも台湾から来ているように思うが、バナナに関しては、もう一つ向こうのフィリンピン品種が巡り巡りやってきたのだ。この島バナナが、実に美味しいものなのだ。特に完熟島バナナは絶妙な味わいである。バナナはそもそも子供の頃の憧れの食べ物だった。
良い世の中になったという実感は、バナナを毎日食べられるときにじわーと湧いてくる。団塊の世代には夢のようなことなのだ。あのバナナのたたき売りがなんとも懐かしい。へばりついて見ては居たが、買うというようなことは絶対にできなかった。もちろん食べたこともなかった。
石垣の完熟バナナはバナナ好きにはドンピシャのものだ。甘酸っぱさが絶妙なのだ。美味しい不味いはそれぞれのものだから、バナナなど平凡だと言って、食べないという人も居る。うまいまずいを、云々するなどそもそも卑しいことだ。と言う古くからの教えもある。それでもバナナのおいしさには耐えられない。
石垣島にはパイナップルやマンゴーもある。それも確かに美味しい。しかし、私には島バナナである。理由は農作業に最高の食べ物だと言うことだ。汚れた手のままで食べれる。そんなことパイナップルでは出来ない。皮が手でむける。そんなことマンゴーでは出来ない。そしてカリウムが豊富なので、汗をかいた身体の塩分補給になる。ナトリウム塩のとりすぎは良くないので、熱中症にはカリウム塩の方だ。
しかも、バナナは完熟をしながら、自然に発酵する。この発酵が進んだバナナは微生物が活動をして、酵素の宝庫となる。しかも半分とろけたようなバナナは甘さも倍増している。しょ糖が減り、オリゴ糖が増加する。何が良いのかは判らないが、ゆっくりした吸収になり、疲労回復になると言われている。
甘いものを食べることによる、ドーパミン物質の出現もある。しかも、果糖やしょ糖によるような肥満の原因には、オリゴ糖は成りにくい。甘いものを食べたい欲求を完熟黒バナナで鎮めることが出来る。健康食品で疲労回復なのだから、農作業には必携のおやつである。私が100歳まで生きられたら、バナナ様々である。
こんなにバナナが好きになったのは、やはり安くなったからだ。まだ学生時代の私には買えなかった。毎日が納豆ともやしと卵とご飯という生活だった。しかし、売れ残って黒くなったバナナには手が届いた。極貧生活は、まあ楽しかったのだが、腐りかかったバナナが最高の贅沢なものだった。あれが黒バナナの始まりとすると、50年以上も前のことになる。風呂屋の帰りに寄った夜遅くの八百屋さんを思い出す。
今でもそうだ。一番黒くなっているバナナを買いたいのだ。それが案外にない。みんな黒バナナを腐りバナナだと思い込んでいる。きっと捨てられているに違いない。変な清潔思想が働いている。腐るのと発酵するのは違うのだ。バナナが腐ることなど無い。まあ腐るとも言えるが、食べたら美味しいし、身体にも良いのだから、発酵しているのだ。
しかもお店によっては、値引き品になることもある。価値が上がったものが安くなるバナナは不思議な品物のだ。煮大豆が腐って納豆に成ったら、安売りではおかしいだろう。小田原に行ったときに、まずスーパーで買い出しをする。黒バナナが値引き品にあれば、あるだけ買ってしまう。
発酵して健康食品に変わるものはいろいろある。お米が発酵してお酒に成って百薬の長になる。そう思って我慢して飲んでいたのだが、実はもう2ヶ月も飲んでいない。飲まないと内の奥さんが喜ぶからだ。お酒を止めて2ヶ月体重は1キロ減った。以前は54キロを健康体重としていたのだが、今は53キロ維持ということにした。
本当は、体脂肪測定にヒデ医療クリニックというところに出かけたせいだ。そこには沖縄県には滅多に無いという体脂肪測定器があるというのだ。ボディービルダーが使うらしい。一度どう言うものか、計ってみたいと思い出かけた。そうしたら何と28%とと出たのだ。
家のタニタは19%と何十年も言っているのにさすがにショックだったのだ。まさかである。その高価な機械壊れているんじゃ無いかとも疑うのだが、何かがおかしい。タニタを信じたいが、そうも行かない。痩せの内臓肥満だったら困る。ともかく酒を止めている。半年我慢して、もう一度体脂肪の計測に行くつもりだ。
それでも、28%だったら、ヒデクリニックの先生に、状況を話して聞いてみようと思っている。しかし、身体に良いはずのお酒を止めたらば、1キロ体重が下がったのは確かだ。お酒を止めた代わりに、トマトジュースとにんじんジュースを飲んでいる。何か飲まずには居られないからだ。
不思議と酒を止めることには、何の抵抗もなかった。何十年もかけて作り上げた習慣を、あっさりと辞めたのに。問題が無いのも不思議な気がする。飲みたいとも思わないものだ。アルコール依存症の傾向も無かったわけだ。お酒を飲まなければ眠れないなどと言うことも無い。何も変わらない。
何故、トマトとにんじんジュースにしたかと言えば、缶ジュースを買っておけば簡単だからだ。ジュースが身体に良いとも思わないが、攻めて、トマトとにんじんならば、悪いことはなさそうだ。体調には代わった点は無い。酒を飲まないための次善の策である。
正月に成ったら、ヒデクリニックに行ってみるつもりだ。その結果によって酒を再開するか、酒を終わりにするかを決める。酒を止めても体調的には何の問題が無いことは分かった。1キロ体重が下がったことは悪くは無い。実は一つ、問題がある。ストレス解消が出来ない。何となくある不安が消えない。酒を飲んでいた頃は消えていたのに。