原発汚染水海洋放出の問題

   



 福島原発の放射能汚染水はアルプスという装置で放射性物質をすべて取り除ける予定だった。だから、東電も政府も放射能は一切海洋放出をしないと約束をして、タンクを作りため続けた。結局トリチウムに関しては取り除けなかったのだ。地下水が絶え間なく流入し、放射能汚染水はメルトダウンした核燃料に接触して流れ出てくる。

 当然放射線を受け汚染された水は、外部に流れ出る。汚染水が海に流れ出ないように、ひたすら吸い上げて、放射能除去設備であるアルプスで処理をしてきた。そしてどうしても処理しきれないトリチウムを含んだ汚染水は、貯水タンクに貯めてきた。しかし、敷地内のタンクは限界を迎えている。

 そこで、政府と東電は原子力発電所の排出基準以下に汚染水を薄めて、薄めれば広い海にわからない形で拡散するということなのだろう。処理水と名付けて、海洋放出をすることにした。これは明らかに予定外のことで、約束違反である。しかし、約束を違えたとは一切言わない。裁判対策かもしれないが、全くの不誠実である。

 韓国の原発も、中国の原発も、トリチウムを放出しているのに、なぜ日本だけいけないのかと、議論をすり替えている。つまり、世界中で原発はやめるべき施設なのだ。みんなが悪い事をやるからやってもいいでは、安全な地球ではない。人を責めても無意味だ。

 原発はみんなが止めた方がいい施設なのだ。百歩譲っても必要悪施設なのだ。さすがに日本国民は、中国の原発の汚染水海洋放出は危険だから、中国産の海産物は買わないとは言えない。中国は核実験はしているが、原発のメルトダウンはしていない。いつか原発は限界を超える。

 そもそも原発は全部嘘だったのだ。だから福島原発がメルトダウンして安全神話が崩壊したといわれたのだ。ありえないと宣言していた事故が起きたのだ。だから、今更トリチウムは安全な放射能物質だとは到底言えない。自然界にいくらでもある。雨に混ざって降っている。等と言っても何かおかしい。何度も嘘をついてきた結果である。
 
 福島原発事故によって放出した放射性物質は小田原にも大量に降り注いだ。もちろん原発のそばにはさらに大量に降り注いだに違いない。放射能測定活動を続けたので、状況はわかっている。たくさんのサンプルを取りつづけて、調べてきた結果。放射能は蓄積されやすい場所と、蓄積されにくい場所があることが分かった。地形や土質によるらしい。

 消滅しやすい場所では翌年にはきれいさっぱり水に流れたのだ。ということはみんな海に行ったのだ。海にもきっと、高濃度になる場所と、少しもない場所とがあるはずだ。河口付近の沈殿泥地帯には高濃度放射能地帯がありそうだ。河口付近の貝などには蓄積しているかもしれない。

 その小田原では蓄積されやすい標高350mくらいにあるくぼ地のような場所には、どうも中国の核実験場から流れてきたもの、南太平洋のマーシャル諸島のアメリカの核実験場から流れてきたものが存在する。子供のころ雨に当たると禿げになると騒ぎになった時代からのものが、残っていることが分かった。ああ情けないことだが、そういう場所から、堆肥を集めていた。そうみんなで地球を汚染してきたのだ。

 今回中国と韓国の一部と日本国内の漁業関係者そして、反原発運動の人たちから、強い反発が起きた。反原発の日本人の中には、なんと中国の主張を正論だという人たちまで現われている。何という愚かなことか、反原発こそ科学的に戦う必要がある。感情論ではだめだ。

 特に中国との関係では経済戦争と考えなければ成らない。日本もアメリカの支持で中国に経済制裁をしている。不動産投資経済が苦しくなってきた中国では、国民の反発を日本に向けて置きたいのだ。政府は科学的に説明してというが、約束を違えたことを謝罪しないところに第一原因がある。この約束違反が風評被害を膨らませていることは間違いがない。

 福島から300キロ以上離れた小田原でも農産物が基準値以上になり、廃棄処分になった。イノシシ肉なども廃棄処分になった。実は田んぼでも基準値以上の土壌が出た。こうして、人体実験を続けている結果。10年くらいの時間では、疫学的影響は顕著には見られないことが分かった。放射能はまだ未解明だ。

 もちろんだから、原発は安全だ。放射能は大丈夫だなどとは考えてはならない。放射能には限界値がある。今のところだけで考えれば、近い福島県内でも放射能の影響は疫学的には起こっていない。子供の甲状腺ガンの長期的調査の結果ではガンの発生が高まっているとは言えないという結論が正しい。

 しかし、放射能は消えることがないから、さまざまなかたちで、もちろん自然界からのもの含めて、受け続けている。そうして受けて貯まったものが、臨界値に達した時にがんになるのかもしれない。放射線でガンが治るという話もあるくらいだ。いつか、何千年後に何か影響がおこるのかもしれない。

 そうした手に負えない化学物質を人間は限りなく作り出している。海洋放出が許されないものは、放射性物質よりもマイクロプラステックだと思っている。放射性物質の影響が高まるより先に、ビニールによって人間は確実に滅びる。こちらは解明された危険物質だ。放射能が1000年で人を滅ぼすならば、ビニールは100年だ。

 放射能よりもビニールの方がはるかに危険だ。現状燃やすほかない。ダイオキシンどころではない緊急事態なのだ。もちろん、リサイクルできればいい。しかし、そんなことを言っている間に、大量のビニールの海洋放出が続いている。プラステックの生産量はどんどん増え続けているのだ。と言ってもビニールを使わない生活をすれば、生活費は倍増するだろう。現実不可能なこと。

 日本はプラステック生産量の銅メダル。世界3位である。容器プラとしては銀メダルの世界2位。日本のプラステックリサイクルは半分は燃やされている。これが批判の対象になっている。何故燃やしていけないのかが分からない。

 そういう人は暖房のストーブを使ったことがないのかもしれない。もう燃やしてはならないという状況ではないのだ。日本近海はマイクロプラステックの濃度は世界平均の27倍だと書かれている。海の生き物はみんなマイクロプラステックをため込んでいる。

 プラスチックごみの問題を解決するために必要なことの基本は、いわゆる3Rです。ーーーWWFジャパン
  • リデュース(Reduce)=出すごみの総量を減らすこと
  • リユース(Reuse)=再利用すること
  • リサイクル(Recycle)=再生産に回すこと
これを徹底することが、海に流入するプラスチックを減らすことにつながります。

 のんきすぎないか。3Rで何とかなるとは到底思えない。あまりに空想的だ。薄めて流せば大丈夫だ理論とよく似ている。ビニールをやめるほかない。原子力よりも緊急である。ビニールが止められないならば、ビニールで人間は確実に滅びる。まずは消耗品でビニールを使わないようにするほかない。

 放射能で滅びるのは1000年。ビニールで滅びるのは100年。孫の時代はない。世界がすっきりとなくなるだけならまだましである。ビニールが人間の細胞の中まで入り込んで、とんでもない病気が蔓延するだろう。ビニールを今やめなければ、そういう時代はそこまで来ている。

 

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