2023年のぼたん農園の稲刈り始まる。

   




 のぼたん農園では6番と7番田んぼの稲刈りが始まった。5月に稲刈りだから、小田原での田植えの前である。石垣に来てから、完全に季節感が違った。特にひこばえ農法を目指しているので、一年中田んぼのことが頭にある。今回の稲作は、ひこばえ農法の試験が目的なので、稲刈りをずらしながら行う。

 石垣島は一年中11月でも12月でも田植えが出来る。6番7番は12月4日に直播きした田んぼだ。石垣島の稲刈りは台風がくる前に終わらせると言うことなのだが、今年はなんと5月中に、大型台風が発生して、石垣島への接近が予測されている。

 これでは、11月初めに田植えをして、4月中に稲刈りをしなければ間に合わないことになる。今回は急遽早めに稲刈りをすることにした。ひこばえ農法では、通常よりも1週間早い稲刈りが良いというから、早く刈るのも良いかと、台風前にやることにした。

 西表と、石垣島の5月中の稲刈りは日本で一番早い稲刈りである。どこかにさらにはやいいねかりがあればおしえて欲しい。石垣ではいつも大浜英太郎さんが早い稲刈りということで、テレビに出ている。テレビで一番早いとは今年は言わなかった。

 この点、ひこばえ農法になると、一年中田んぼには稲がある事になるのだから、何時台風が来ても耐えられる田んぼにしなければだめだ。回りに防風ネットを張れるように、20㎜のパイプを立てて、グリンネットを張るのが良いかと考えている。風の力を削ぐくらいがいい。

 完全に風を防ぐのではなく、ある程度やられても何とか残る、というあたりを狙いたい。折り合いの付け方である。風速70メートル超えの台風で電柱は倒された。家も吹き飛ばされた。それでも、風に強い木々は大木になって残っている。枝が折れても再生して、耐えている。

 自給農業はしぶとく危険分散するのがいいのだろう。一年中稲刈りをするような稲作を目指している。壊滅する稲もあるかも知れないが、豊かな実りをもたらしてくれる稲もあるはずだ。風をいくらかでも和らげてくれる。防風ネットを張るつもりだ。

 先日解体するハウスをお持ちの方から、パイプを頂いた。1日かけて、200本近いのパイプを確保することが出来た。これで、1つの田んぼに20本使って、10の田んぼを囲うことが出来る。パイプは常設しておき、田んぼの一回りはネットを一年中張り続ける。

 ことし、田植え直後から、ネットを張った圷さんの4番田んぼがすごい出来になった。30本以上の分ゲツである。余り分ゲツをしないというミルキーサマーだから満作のできだと思う。ミルキーサマーは背が伸びすぎて倒れる傾向があるらしい。がっちりした株で倒れる感じはしない。

 圷さんの思いきった栽培法での挑戦で、石垣島の稲作の方向が見えてきた。60㎝角植えである。こんな疎植は見たこともない。疎植だから良くなったと言うこともあるが、30㎝角植えの部分もあるのだが、そこも良く出来ている。全部が30㎝角植えであれば、間違いなく畝取りの田んぼである。

 コロガシに何度も入っている。アカウキクサが田ずら全面を覆っている。コロガシでアカウキクサを繰返し漉き込んでいる。それが腐植になり、窒素肥料になっている。葉色がまったく落ちないが、倒れる感じは今のところない。台風の接近が心配だが、風よけネットが生きるかどうかである。

 2年目にはいったのぼたん農園で、有機農業の優秀性が証明されたと思う。まずは、雑草をかなり抑えている。一部草が出はじめたが、それほどではない。アカウキクサが田面を覆っているので、それほど草は出ない。もう少し深水に出来れば良いのだが、それだけの十分の水はない。

 病気や害虫もほとんど無い。昨日は県の農研センターから、カメムシの調査に見えた。3つの場所を調べたのだが、バッタは沢山居たが、カメムシはほとんど居なかった。有機農業でも良い環境で行えば、困るような虫の被害は無い

 畦をバンカープランツにしていることで、田んぼの中に虫が入らないのだと思う。畦草は刈りすぎてはだめだと考えている。畦にはイネ科ではない、植物があるのが良いと考えている。大豆を播くのが一番良いと考えて、今年は試しに大豆を作っている。

 6番田んぼは「とよめき」で直播きである。かなりよくできていたのだが、残念なことに、鴨が2羽居着いてしまい、大分食べられてしまった。すこしづつ、刈り始めてきた。刈り取ると翌日にはひこばえが出はじめる。通常の稲刈りよりも1週間早く刈り取ると、ひこばえに幼穂が形成されないという仮説が、どうなるかである。

 5月19日に最初に刈った。次が21日。そして、23日7番番をすべて刈り終わった。台風で雨が降る前に刈り取りを終わらせることができた。午前中だけの作業だったが、8人が集まった。かなりみんな成れてきたので、要領よく作業が終わった。

 7番は壊滅的に鴨に食べられてしまったので、ほとんど収穫は無い状態。この後のひこばえに期待するほかない。早めに刈り取りを行ったので、ひこばえに幼穂が形成されていないかも知れない。場合によってはもう一度刈払機でかることもあるかも知れない。

 6番と7番とを競べると、7番は新しい田んぼでやはり土がよくできていない。6番は2年目で大分土が良くなってきたと思われる。一年でこんなに土が良くなったのは、アカウキクサ緑肥の御陰に違いない。もうどの田んぼも外から入れる肥料はいらないだろう。

 それでも落ち葉は入れたいと思っている。落ち葉のミネラル補給が大事ではないかと考えている。余裕が出来たならば、山に落ち葉堆肥を取りに行きたいと考えている。石垣では落ち葉を入れても、一ヶ月ぐらいで形がなくなる。ともかく分解が早いのだ。

 光合成細菌を入れたいと考えている。200リットルのポリタンクを買ったので、これで光合成細菌を増やしていきたい。今まで作ってき10リットルのタンクを統合して、大きなもので作るつもりだ。これを時々田んぼに戻してやれば、水の腐敗が起きないはずだ。

 コロガシが足りない田んぼはどうしても土が腐敗臭がするようになる。良い土壌にするためには、コロガシをして、光合成細菌を定期的に入れて行く必要がある。水が少ないから、この点は努力をしなければならないだろう。

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