のぼたん農園の12のため池

   


 
 のぼたん農園のため池について考えてみる。のぼたん農園では12のため池がある。5つは水牛池になっている。水牛池は3つは雨が降ったときに溜っている。2ヶ月ぐらい水があるときもある。その内2つがすこしづつ水の湧いていて雨がなくても水のあるものがある。

 雨がなくても、水がある溜め池は水牛を飼うためにはとても需要なものになっている。水牛は溜め池を垈場にして、身体に泥を塗りたくり、虫にたかられるのを防いでいる。わざわざ溜め池の中に、尿や糞をする。その水を飲んでしまう。汚いようだが、それが反芻の発酵を良くしているらしい。

 7つが田んぼ用のため池。田んぼ用溜め池はいくらか水が湧いているものが4つあり。雨の時にだけ水が溜まるものが、3つである。以前からあった水の湧いていないため池を今回2つ深く掘った。前からあった西の端の溜め池は、雨が降ると水の溜まる溜め池になるものだったが、ここは水脈がありそうな場所だった。

 しばらく雨がなかったので、からからだった場所だが、4mほど掘ったところで水が湧いてきた。感激した。やはり地形的に水が出る可能性があるといわれた、福仲先生の予測は正しかった。与那国島の体験に基づく判断はすごいものだ。

 農園の西側の端は沢になっている。雨が降ると河になる場所で、その沢の一番下の場所には前から溜め池があったのだが、そこを4mほどユンボで掘った。水が湧いてきた。現在、その水をポンプアップして田んぼで使って何とか水不足をしのいでいる。

 中央の下の溜め池は、溜め池というより大雨の時にだけ遊水池である。水が湧くかも知れないと考えて、深く掘り直したが水は湧かなかった。大雨の時は田んぼの水も満水になり、のぼたん農園から流れ出てしまうので、最後の遊水池として、ここで溜めようと考えている。赤土が流れ出ないためだ。


 中央部の水の湧かないため池に関して、埋め戻すべきだという意見が出たが、遊水池として有効と考えているので、埋め戻さないことにした。埋め戻すべきだという意見は、のぼたん農園の下で田んぼを耕作をしている人がいて、その田んぼも水が行かないで、耕作できないでいる。

 水を来ない理由がのぼたん農園で行う土壌改変が理由ではないかと主張されては困るというものだ。実際にその方は1町歩ほど田んぼをやっているのだが、西側の半分の田んぼには水が行かないで、今年は田んぼができないでいる。石垣島は最近かなり深刻な水不足なのだ。

 果たして上に田んぼがある事が、下の田んぼの迷惑になるのかどうかである。一般に上に溜め池や棚田を作り水を溜めることで、より広い範囲が水田になるということがいわれている。上で水を溜めていることが、下の田んぼに迷惑にはならないと考えている。

 むしろ、のぼたん農園のため池や田んぼが、下の田んぼのための貯水池になり、総合的にはむしろ良くなると考えられる。ため池や田んぼの貯水や涵養効果は高く、雨が多い時に水をためておき、徐々に地下に浸透させてゆくものと考えている。

 田んぼには水に関して大きく2つの機能がある。最近言われるようになった田んぼダムである。最近、異常気象で豪雨災害も増えている。田んぼが10㎝水が溜められるようになっていれば、田んぼの広大な面積に水を溜めて、河川への流入水を制限できる。と言う考え方である。

 もう一つが田んぼが地下水を涵養する機能だ。最近の都市部などでは、降った雨が地上を覆っているアスファルトやコンクリートで土壌に浸透することが出来ない。そのために地下水が減少してしまう。表面をそのまま川に流れて行き海に行ってしまう。

 それは乾ききった土壌も同じように、土壌への浸透を制限されてしまい、地下水を涵養することが出来ない。田んぼの地下水の涵養がいわれている。田んぼは広い水面で水を溜めて、徐々に地下水となって行く。通年通水して、田んぼから地下水を増やすということが必要だと言われている。

 長期的に考えれば、上部に棚田が出来ることは下の耕地での地下水は増加していると考えて良い。と言っても限定的にしかない水を使うわけだから湧水量の少ない場合、天水田のように雨水をどのように溜めておくかが重要なことになる。

 地下水を増やすためには水源涵養林が重要である。山を牧場にしてしまえば、地下水は減少してしまう。森林の水源涵養機能がいわれている。上部が深い森になれば、山に水が蓄えられることになる。それは樹木の方が深く地中に根を張り、深い層まで水を浸透させ、溜めておけるからだ。

 山北に住んでいた頃、水源の上に合った杉の植林地を伐採した。すると途端に水の湧く量が減少してしまった。しかし、そこにまた杉を植林したのだが。3年ぐらいしたら水が増え始めて、元の状態に戻っていった。植林の林でも水源を涵養する機能は大きいものだと驚いたことがある。

 のぼたん農園でも溜め池の上側には森を作りたい。3反歩ぐらいのものであるが、ここを森にすれば、溜め池に湧く水の量は増えるはずだ。3反歩の草地が、林になれば、それだけでも水を蓄える力が違うと考えている。深く根を張る木が良いと思う。

 上野草地には桑の木とギンネムとノボタンは自然に良く出てくる。良くでてくる木を生かせば良いかと思っている。ギンネムは要注意の帰化植物とされているが、別段あって悪い木だとは思わない。ギンネムはマメ科の樹木で、窒素を固定する菌を共生させて、土壌を良くしてくれる木だ。

 草を抑えながら、徐々に樹木を増やして行くようにしたら良いかと思う。現状ではススキが目立つ。このススキを取り去ることが、樹木を増やして行く一番の手立てではないかと思われる。上部に柵が出来たならば、一度水牛を結わえて、ススキや牧草を食べさせる必要があるかも知れない。

 その後、樹木苗を移植して行けば、徐々に林が出来るのではないだろうか。琉球松は美しい樹木だ。琉球松植えて行きたい。苗を植え込んで行ければ良いかと思う。琉球松の苗木を手に入れて、上の方に並木のように植えたい。松並木が出来れば美しいと思う。

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