桜を見る会で「サクラチル」アベ政権

   



 桜を見る会は自民党主催ではなかったらしい。税金を使って、与党議員の後援会祭りがおこなわれていたという事だ。公明議員も行くのかな。安倍後援会に至っては、ニュー大谷で接待まで受けていたのだ。自腹だとは言うけれど。世耕参院幹事長によると議員は4ペアー枠だそうだ。安倍氏の1000はさすがに親分だ。昭恵夫人枠まである。日本のアベ王朝はじつに気分が悪い。

 事実がどうだこうだいう必要もない。日本の社会の悪弊がここに極まっただけのことだ。みんなこんなことは当たり前に知っている。芸能人は人寄せパンダ役を喜んでやっていた。それが忖度政治である。そしてNHKは公共放送を名乗りながら、桜を見る会をありがたげに放映していた。

 桜は散った。ずいぶん咲き続けていたが、さすがに散った。アベ政権はこれで終わりだろう。せめて散り際位潔いのが、日本主義者の習わしだろう。支持する人は安倍利権関係者なのだろうか。あるいは呼ばれた芸能人に興味があるのか。報道は問題にしたことはあったのか。

 アベ政権は過去最長の政権だそうだ。何故そんな馬鹿なことになったのかと言えば、国民から支持されているからだ。3分の1の国民はアベ政権が良いと言っている。その思いが、ずいぶんと長く続いているのだ。この不思議の理由を解き明かさなければならない。

 安倍政権は憲法を変えて、端的に言えば明治日本に戻るべきだとう方向の政権である。3分の1の投票をする有権者が支持している。投票率を考えると日本人の内の10人に2人くらいの人が、明治日本の方が良いという人なのだろう。それはまさか昔はよかったという事ではないだろう。

 確かに何でも保守という感じの人にそれくらいは出会う。その比率は5人に1人という位の感じで大きくは間違いない。その5人に一人の強い支持者によって、5人の内4人の考えが、尊重されない国会と選挙の仕組みになっている。

 その5人に一人の考え方は明治日本の再現である。細かく言えば様々なのであろうが、軍事力を持って国を守らなければ、国防はあり得ない。という考え方なのだろう。中国や北朝鮮と同じなのだから、世界では一般的な考え方という事もたしかに出来る。

 そういう人と議論する機会はあるが、互いに議論にはならない。残念なことに、互いの信念のようなもので、相手の話を聞くという事は私にもないし相手にもない。相手を軽んじ、馬鹿にし合うだけの不幸である。

 こうした凝り固まった明治日本主義者が5人に1人くらいはいて、その思いは強烈で生き方にまでなっている。教育が身の丈で何が悪いんだ。それが当たり前だというのが本音の人たちだと思う。優秀であれば、身の丈の壁など乗り越えられるのだ。こう確信しているのだろう。

 私のように、憲法の平和主義は守らなければならない。こういう考えの人のほうがいくらか多い実感がある。多数派ではあるが、漠然とであり、ボアーとした感じでしかない多数派である。凝り固まるようなタイプではない訳だ。

 平和主義者の多くが、群れになることが嫌いである自由主義者ともいえる。しかも平和主義と言うものは、過去に例のない未来の目標である。日本国憲法は理想を示しているに過ぎない。だから現実離れしている。その為に、ますます多様であり、曖昧になる。

 数は多いいが実に多様という事になる。そうなると平和の党と自称する公明党が、何故か明治日本を目指すアベ政権の与党に加わるというような、妙なことでも言い訳が出来るようなことになる。まあ、おかしないいわけではあるとは思うが。

 この頼りない、平和主義は方向性としてはあるのだが、明確な旗印にはなっていない。専守防衛の意味の研究が足りないのだと考えている。武力が様変わりしている中での戦争の意味が考えられていない。

 一方でこの明治日本主義は既得権益と結びついている。アベ政権になり、企業はずいぶんと内部留保を増やしたと言われている。企業優先なのだ。企業を強くして世界との経済競争に勝とうという事がある。

 それは中国の様な国家一団となり世界競争をしている国と競争するためには必要なことと考えられているのだろう。急速に成長している国はどこも国と企業が連携をしている。

 安倍支持者は世の中そんなものだ。文句を言う奴は恩恵を受けられないからだと思っていることだろう。野党が政権とれば、野党が桜を見る会をやり同じようなことをやると考えている。その通りだと思う。鳩山枠があったと騒いでいる。だから、野党もだめなのだ。

 世の中清濁併せ呑むということで、桜を見る会を今更何んで騒ぐのだ。たぶん日本人の半分くらいはそういう考えではないか。この曖昧であるが、大きな見えない力のようなものが、日本の方向を決めているのではないだろうか。

 世の中小学校の学級会のような正義を主張していれば、成り立つ訳ないという気分だ。大人になれば、そのくらい黙って飲み込むものだ。こういう理屈にもならないものが、忖度社会なのだろう。忖度の背景にある利益誘導。

 アベ政権はこの日本人の良さでもある曖昧さを巧みに誘導している。桜を見る会を麗々しく放映していたNHK。そうした世間のあいまいな寛容さに付け込んだのが、アベ政権だ。桜の会ぐらいなんだ。つべこべ言うなという先に、実は明治帝国日本がある。

 桜の会に間違っても呼ばれない下層国民と、桜の会で芸能人と写真を取れる上級国民と、産まれながら存在する階級社会を作ろうというである。その先駆けがアベ政権である。他のことはともかく、この点でアベ政権を許してはならない。

 日本人の最も弱いところを、巧みに操作しているのがアベ政権の演出家集団だ。桜の会では順番に並んで、安倍ご夫妻と写真が撮れるらしい。これもありがたい演出なのだろう。マスコットのぬいぐるみも、芸能人も、総理大臣もパンダであることは同じである。

 テレビでは女優の麻薬騒ぎばかり報道している。テレビは桜を見る会を取り上げることが怖いのだ。わざわざ女優麻薬事件をぶつけたという想像は出来る。いずれにしてもテレビは桜を見る会をスルー出来ることになった。
 アベ演出集団の最後のあがきだろう。何とか矛先を変えほとぼりを冷まそうという事だ。NHKは今こそ公共放送の意味を示してもらいたい。
 

 


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