田植え1週間
水が行き渡りとても美しい。風景を作るという事はこういう事なのだと思う。良い稲作を求めて徹底してゆく。その結果が美しいもの。むしろこの美しさを人間は学ばなければならない。田植えが終わり1週間が経過した。種が蒔かれて6週間が経過した。今イネは5葉期である。4,5葉期で田植えして、少し葉の成長は停滞した。イネは新しい環境に向って、根で土壌を探り広がろうとしていた。13枚の田んぼでもその成育の様子は同じことはない。全く動かない田んぼもあれば、すでに6葉期に入った田んぼもある。6葉期の葉は、田植えしたときの葉より一段色が濃くなる。この色の濃い葉が田植え1週間で出れば田植え成功である。小さな3角形の田んぼは人間が耕し、人間が代かきをした田んぼだ。まだ水持ちも悪い。田面は硬い。長靴で歩けるくらいである。ここは生育が停滞した。根が厳しい環境に戸惑っているような感じだ。2番代かきの田んぼは初期生育は良いようだ。ただイトミミズは全く発見できない。浮き上がったコナギが水尻あたりに集まり根付いた。
運針のようにきれいに植えられている。株間は28㎝である。この田んぼは左側半分が2本植。右側半分が1本植。種もみをとる田んぼだ。一番上から観察しやすい田んぼなので、大事な種籾栽培には良い場所ではないかと考えている。去年は1本植と4本植で違いが出るかという実験を行った。結果はほぼ同じであった。終了は根圏の広さと、日照を受け止める量という事が分かった。今年は、担当の人の希望で、1本植から、3本植まである。どのっような結果になるだろうか。現状ではやはり3本植の田んぼが安心である。1本植の田んぼは不安である。分かっていても多く植えたくなるのは人情である。人情も大切にしなければならない。田んぼは癒しの場でもある。不安ばかりでは良くないだろう。保険の窓口。
田植え一週間の稲。これはやっと活着した苗。葉先に露が付くようになる。イネミズゾウムシが出ている。葉を食害する。被害というほどになったことはない。ここは人間が耕し、代掻きをした5番田んぼ。生育は1週間ほとんどしていない。しかし根は新しい環境に頑張っていてくれると思う。漉き込んだ草が表面にかなり目立つ。徐々に分解され始めている。今年は藻の発生が早い。藻が良く出るという事は土壌が生きているようで嬉しいことだ。同時に3日目で浮草も発生した。これまた嬉しい。上々の滑り出しである。
手前が冬季湛水の田んぼで、初期生育がいつも遅れる。土壌的に問題があるかも。腐敗臭が一番強い。ここはころがしをするときに、燻炭を入れたらばどうだろうか。少し改善するかもしれない。コロガシはかなり進んだ。みんな頑張ってくれている。そろそろ絵を描くことにしたい。欠ノ上田んぼの絵を描けるのは、この後何度もあることではない。
6月4日朝5時の様子。水が良く回るようになった。最後の11番田んぼもうまく水が入るようになった。途中で水を入れないで、1番から、最後の11番までつながるようになるのが目標である。そして、11番では水尻から水を出さない。つまり、一滴の水も無駄にしない。11番への水の入れ方は、上から80センチほどを滝のように落としている。これで水を酸素と混ぜる。混ぜることで水を活性化しながら、下の田んぼに入れる。水の落ちるところに石を置いて、水を泡立ててやればなおよい。