日本国憲法に感謝
広島原爆の日に改めて日本国憲法に感謝した。日本国憲法は世界で最も優れた憲法だと思う。こんなに素晴らしい憲法の国に生まれ、暮らしてこれたことは、どれほど有難いことであったかと思う。おかげで戦争の危険を感じずに68歳まで生きてこれた。これは不安定な世界情勢の中、感謝する生涯だったのだと思う。徴兵制度のない国で暮らせたことは実にありがたいことだった。こんな素晴らしい憲法を、安倍晋三氏は「みっともない、情けない憲法」と、発言している。アメリカに押し付けられた憲法という認識なのだろう。確かにアメリカとの戦争に負けた結果、占領下に明治憲法を変えさせられた事は事実である。敗戦国が、世界から新しい憲法を作れと言われ、再出発の思いで、練り上げた憲法でもある。だから、「いじましい、情けない」という安倍氏の思いは、実は日本が戦争に敗れたという事にあるのだ。敗戦国が占領されたことは、実に情けないことだ。愚かな戦争をして負けたという、情けない現実を忘れてはならない。
日本は世界から、今の北朝鮮のようなみじめな扱いを受けた。無謀な侵略戦争を行った。アジアにおいて、何千万人もの戦争犠牲者を生んだ。この反省と懺悔の気持ちから、日本は平和憲法を作ることで、国際社会への復帰を願った。当時の幣原内閣もこの憲法を積極的に協力して、作り上げたのも事実である。だから、この憲法は日本再生の思いが託されている。天皇制の維持を日本人の大半の人が願っていた。戦争責任を天皇がとらされ処刑される。天皇制が無くなるという事を日本人は全体が怖れていたと想像される。天皇制の維持を認めてもらえるのであれば、一切の武力の放棄を憲法に書き込んでも良いというのが、幣原内閣の思いであったようだ。そして押し付けられたと言えば、民主主義であろう。アメリカは日本に民主主義を根付かせなければならないと、本気で考えた。今に残る公民館制度や、青年団、生活改善クラブ、婦人会。そして、財閥解体と農地解放。こうして封建主義から抜け出し、民主主義国家に日本を生まれ変わらせたいと考えたことは間違いがない。
安倍氏は日本が封建制度を止めさせられたことを、いじましい情けない事実と考えている可能性がある。安倍氏は瑞穂の国、美しい日本とも発言している。このブログで徹底して安倍批判を続けているのは、日本国憲法に対して、こんなにひどい発言をしている人間を総理大臣にしている日本という国家をの情けなさにある。確かに安倍氏を選んだのは日本国民である。これは21世紀の日本人の大失敗だと思う。経済不安からこういう選択をしてしまったのだろう。競争に負けるという不安から、アベノミクスに期待を抱かされた。しかし、アベノミクスというものが、いったいどういうものなのかわからないまま、ここまで来た。そして、日本国内の格差はさらに広がった。弱者が虐げられる競争社会に転換し、国際競争力を強化すように発破をかけられている。そして、瑞穂の国のはずが、美しい農業の姿など日に日に失われ、地方創生どころが、地方は消滅の危機に陥っている。
安倍氏がみっともない、情けないと蔑視した、平和憲法のある日本国であることを、私は心から有難いと考えている。武力を捨てるという国際的公約をした、理想主義の国家に生まれたことは、実に素晴らしいことだ。平和憲法を尊敬するし、この憲法の理想に行きたいと思う。世界平和のためには、武力を捨てるしかないという理想主義だけが、世界の希望なのだ。それは確かに夢に近いのかもしれない。しかし、現実は日に日に危うさを増している。核戦争が近づくほどに、日本国憲法の真髄が光ってくる。科学技術の進歩によって、北朝鮮が核ミサイルをアメリカにまで打ち込める日が近づいている。もしこれがイスラム国であれば、ためらわずにすでに核戦争が勃発して、世界は崩壊に進んだことだろう。日本が今やれることは、核廃絶を核保有国に呼び掛けることだ。それが平和的手段による紛争の解決という、日本国憲法で示された方角だ。