「瑞穂の國記念小學院」の設立を目指している森友学園
「瑞穂の國記念小學院」の設立を目指している森友学園という組織がある。その学校法人に対して、不動産鑑定では9億5600万円という国有地が、わずか1億3400万円という値段で払い下げられた問題が明らかになった。瑞穂の國記念小學院は安倍総理婦人安倍昭恵氏が名誉校長である。その小学校は神道の小学校とされている。明治時代に作られた教育勅語をその教育精神としている。森友学園は幼稚園を経営しており、その塚本幼稚園ではヘイト文章が家庭に配られたこともある幼稚園である。毎朝,教育勅語を唱えさせ、軍歌をみんなで唄っているという幼稚園である。この問題に関して、テレビは沈黙である。何の意見も述べることができないようだ。現在瑞穂の國記念小学校は生徒募集の最中で、生徒が集まるかどうか注目されるところだ。生徒が集まらなれば学校の認可がされないだろう。安倍晋三氏の実像の一端が現れてきた事件だ。
もともとは伊丹空港の騒音対策用地の国有地の払い下げである。その土地にごみが埋まっていた。そのごみを除去するために8億2000万円がかかるという事で割り引かれたという事である。一方で、この裏返しの事件がやはり軍国主義政治家であった石原慎太郎氏が馬鹿げた高値で購入した、豊洲市場用地問題である。豊洲市場では、汚染された土壌の土地を高額で購入し860億円とも言われるお金をかけて、汚染を除去しているがまだ完全には除去できないでいる。いずれも公共の土地にかかわる、公が損をした話である。つまり、納税者が馬鹿を見ている話である。財務省がなぜそれほどの値引きをして、国有地を、総理大臣夫人が名誉校長の小学校に払い下げるのだろう。根拠が汚染土壌の除去というのでは、小学校が、10メートル地下までごみの埋まっている土地の上に作るというのは問題がないのだろうか。きちっと汚染対策は充分ではないようだ。汚染土壌の調査などは誰もしていないということだ。
安倍総理婦人が名誉校長になり、平沼衆議院議員が推薦する小学校という事は、強い政治家とのつながりがある学校法人である。憲法が改正されれば、公教育が瑞穂の國記念小学校になる。塚本幼稚園の生徒が礼儀正しく、きちっとしていたという事に、総理婦人は感激したようだ。幼稚園児の礼儀正しさは、作られたものであると考えなくてはならない。北朝鮮の旗を振る少年少女もきちっとしている。今回の事件では安倍氏と安倍氏を祭り上げている、集団との関係も少し見えてきた。石原氏は豊洲市場のことも、新東京銀行の経営も、少しもわかっていなかった。尖閣の都有地化には熱中していた。人気だけは高くて、やりたい放題だった。都民は石原氏の実態というものを見ていなかったのだ。その点でアベ政権もよく似ているのだ。中国敵視政策で国民を煽り、憲法改正まで突き進もうとしている。石原氏の時も理由のよく分からない人気政治である。安倍氏も不思議な支持のされ方をしている。アベ政権が目指す国づくりが、この小学校からうかがえるではないか。教育に国家主義が入り込もうとしている。公教育にまで、瑞穂の國記念小學院精神が広がることを、本音としての安倍晋三氏は望んでいるのだろう。それが憲法改正である。
報道がこの問題を明確にしていない点だ。教育の方向が間違っていると私は考える。報道は政権におもねるだけななのか。教育は自由な精神と自立した人間を作らなくてはならない。きちっとした礼儀作を身に着けるよりも、自分の意思を持った子供が一人でも多く育つことだ。自らが自分のやりたいことを探せる人間になることだ。自分の行動や努力に対して、自らの判断ができる人間を育てることである。国にただ従うような人間ではなく、国に対して批判精神を持った人間である。教育は教育勅語を暗唱し、国の命令をうのみにするような人間を作るものではない。その失敗が明治以来第2次世界大戦に至る、日本の失敗の歴史である。その失敗をもう一度やろうとしているのがアベ政権の方向である。日本人は豊かな暮らしの中で、優しい日本人にはなった。明らかに若い人たちの方が、優しい。その優しさが故に、アベ政権に対して、強い反対の意思を示せないでいる。その優しさが優柔不断に繋がり、アベ政権の国家主義に反対の意思を感じなくなっている気がする。