苗作りについて

「ひこまる」4週目

「ひこまる」4週目

「たちはるか」4週目

「たちはるか」4週目

「ゆがふもち」4週目

「ゆがふもち」4週目

苗代全体の様子。

稲の3品種の苗作りをしている。保温折衷苗代を石垣島向きに変えた、苗代による苗作りである。12月7日に種まきをして、1月11日に田植の5週間育苗である。この季節が一番苗作りがしやすい季節になる。それでも、日照時間が短いことが天候次第で問題になる場合もある。
気温はこの間14度台まで下がることが、2日ほどあったが、問題が起るような低温ではなかった。稲は5葉期ぐらいまでは低温に強い。同じ14度でも10葉期ぐらいで寒くなる、2月15日位の低温は稲の停滞を招くようだ。今からこの時期の低温が不安ではある。
第2弾の育苗の予定では、2月15日くらいに播種して、3月22日の5週育苗となるのだが、ただし、4週育苗で5葉期になっているのではないかと想定している。2月播種だと気温が高くなりすぎるからだ。3月15日田植になる可能性が高いと考えている。
ベトナムの稲の育苗の記事があった。政府の農業機関が1月播種を守るように、と言う注意喚起だった。遅れると稲の収量が下がるという記事だった。暑いところではやはり、遅れると暑さで稲が疲労してしまう。ベトナムでは、ひこばえ農法も、アカウキクサ農法も古くからあったようだ。
1回目の苗作りでは、「ひこまる」「たちはるか」「ゆがふもち」の3種類の種を蒔いた。晩稲品種と餅米である。晩稲品種の方が生育がゆっくりしていると思っていたが、3種類ほぼ同じような生育をしている。中ではわずかに「たちはるか」が生育が遅い。
目標にしている苗の大きさは、5週育苗で、5,5葉期、2分げつである。苗の背丈は30㎝。根元の茎の幅は10㎜。葉の幅も8から10㎜。そして、できるだけ固い苗になっていること。色は余り濃すぎないが、黄色味はない爽やかな緑であること。
何故、そういう苗が良いと考えて居るか。一番活着が良いからだ。3葉期ぐらいの機械田植の苗は、活着が少し遅い。5葉期の苗はすぐに新しい根を出す。分ゲツ期に入っているから、発根に勢いが強い。新しい根が水を吸い上げてくれる。生育に滞りが起きない。
ただし、石垣島では1月から2月にかけて、北東の風10mが吹き続ける。北東に防風ネットを張り、防がなければ5葉期の苗は風でやられてしまう。その点、小さい苗の場合、葉からの水分の蒸散が少なく、問題が起きにくい利点はある。ただし、小さな苗は、田んぼの状況によって水没などが起る。
さらに問題は鳥が田んぼで着水して、押し倒して痛めてしまう。大苗で植えると、鳥が滑空しにくいようで直接は降りにくい。また、苗が小さく柔らかいと、ジャンボタニシの被害が起る。5葉期を越えていれば、ジャンボタニシの食害は起きない。これは、5年間確認したことで間違いないことだ。
ジャンボタニシについて、強く書いておくのは、何度言っても信じない人ばかりだからだ。分ゲツを食べるだろうという人もいるが、ジャンボタニシで分ゲツ不足になったというような人はいないはずだ。よく見ないで思い込みで発言する人が多くて困る。
良い大苗で田植をする。これが自給農業の基本だ。自給農業で田んぼをやる人は、農家の行う農業ではないと言うことをよくよく自覚しておく必要がある。多くの農家の人が、教えたがりである。自分の慣行農法の経験を押しつけがちである。
自給農業は全く栽培方法が違うので、話は有り難く承るとしても、無視することしかない。私は人間が出来ていないので、つい反論してやり込めてしまい、悪い関係になる。農業と、自給農業では栽培方法が、全く成り立ちが異なる。違う世界の話だと割り切らないとならない。だから、農家の人に栽培について意見を言うことなど全くない。
苗代の作り方を再度書いておく。幅は1mで6、5畝分の「にこまる」の種籾が、1㎏である。11mにを蒔いた。3畝分の苗の種籾が、1㎏で、「たちはるか」を10mに蒔いた。2畝分の苗の種籾が500グラムで、「ゆがふもち」を3mに蒔いた。
少し種籾が多すぎたと思うが、もう少しゆったりと蒔いた方が良いと考えて居たのだが、苗代田んぼの大きさの都合から、こういうことになった。狭いかなと思っていたが、何とかそこそこの苗に成長しているので、この密度でも許容範囲なのかと思う。最高の苗を作るにはやはり㎡70グラム蒔きぐらいなのだろうか。
苗代を作る場所には12月初めに牛糞堆肥を15㎏まいて、トラックターで耕耘。そして、水を入れて1度目の代掻き。そして、播種前日にもう一度代掻きをして水位を下げて、水位を併せながら、真っ平らにトンボで均す。苗代ベットの上に水たまりが出来ないように丁寧に均す。
水を落として、芽出しをした種籾を均一に蒔く。蒔いた種籾が、苗代に半分沈み込む位の苗代の土の軟らかさが一番良い。蒔いた後に出来れば燻炭を蒔きたいのだが、なかったので何も覆土せず、そのまま防虫ネットのトンネルで覆った。何も覆土をしないが、問題はない。
防虫ネットは、ジャンボタニシが入らないため、鳥に食べられないため、そしてネズミが入らないため。強い風に苗が痛めつけられないように防ぐ。ネズミが入らないために、苗代のベットの回りには必ず水があるようにする必要がある。防虫ネットだけではネズミは食い破って進入する。
4週が終われば、防虫ネットは外す。最後の1週で強い日差しや風になれさせておく。水管理は最初の1週間は水やり感覚で、種籾の水没はさせない。水没させると流されることもある。1週間すると1㎝ぐらいの芽を伸ばす。ここまで来たらひたひた水にする。このときに発芽していない種は水没させてかまわない。
結果的に発芽率は8割ぐらいかと思う。最初に海水選で1割が外されている。結果的には1㎏の種籾で、700グラムぐらいの種籾の発芽になる。育苗中は水はひたひた水で管理を続ける。徐々に深くしても良いが、今回はひたひた水で続けた。水を深くした方が、がっちり苗にはなる気がした。
防虫ネットがあると観察が十分出来ないので、晴れた日にはネットを外して日光に当てて、苗の状態をよく見る必要がある。5葉期に入ると葉先が枯れてくる。苗の密度が高く、根が詰まってくるために起ると思われる。葉先が枯れないぐらいの密度の播種が良い。
4葉期で葉色が黄色いようならば、色味番で2ぐらいの状態ならば、追肥をしなければならない。光合成細菌を葉の上からじょうろで撒くのも良い。なければ発酵鶏糞を蒔いてやるのも良い。苗を手でひとつかみ握って、倒してみて強く反発する苗が良い。堅さを覚えておく。堅い苗が良い苗である。
柔らかい徒長苗であれば、肥料が多すぎた可能性がある。よみがえり堆肥を早めにすき込んで栽培するのだが、苗は肥料があり、抵抗なく育てた方が良い。甘やかして育てること。苗の時代の土壌の状態がその後の生育に影響する。だから化学肥料で育てた肥満苗では、十分な有機栽培の稲は出来ない。
苗代を作る場所は常に腐植を増やし、光合成細菌を入れて肥料分を多くしておくつもりだ。良い苗が出来れば、稲が満作になる可能性が出来たことになる。苗に問題があれば、満作にはこの後の努力だけでは難しい。1作目が満作にならなければ、良いひこばえも出来ない。当然、年3回の収穫も望めない。
化学肥料の稲作では、ひこばえ農法には限界があるとみている。十分に根が育っていて、1年をとおして、根が健康な状態でなければならない。長期間健全な稲を維持するためには、苗作りが重要になる。良い苗を作り、田んぼに宵寝が伸びることがすべての前提条件になる。
ひこばえ農法では、ウイルスが次の世代に持ち越されて問題になる。そのためにも、より健全な稲づくりをしなければならない。まずは苗作りである。丈夫な苗であれば、ウイルス病の発病も抑えれる。今年はまずまずの苗作りは出来たかと思う。この後様々な条件の田んぼに田植を行う。比較検討をして行きたい。