籾井勝人と曽野綾子と百田尚樹

   

3人の保守的な方々が、目立っている。やはり共通点がある。所構わず持論を展開すると言う事だろう。普通の人ならこういう事をこういう場では発言しないというような配慮がない。曽野氏は競艇の笹川氏の作った組織の、代表をやっていた。文化功労賞作家であり、カソリックの人だ。そういう日本を代表する様な作家が、何故、産経新聞に「日本の労働力補充のためにも、労働移民を認めなければならない」という主張を書いたのかである。多分安倍氏の援護射撃のつもりではないか。安倍氏のアドバイザーと言う肩書で、ロイター通信が書いたと言うので、間違いだと抗議をしていたが。まあ、世間からはそう見られているのは、仕方が無い所だ。安倍氏の本音を表す一人だと思う。安倍氏に期待する人達で、何んとも言えない、周辺事態が形成されている。安倍氏はこうした日本の保守層の塊が作りだした、非公式シンボルキャラクター・ふなっしーのような存在と考えると分かりやすい。

日本の保守層は長年地団太を踏んでいたと思う。大抵の場合石原氏や田母神氏のような政治家が出現して、馬脚を現し元も子もなくす。そこで、お坊ちゃんの安倍氏を乳母日傘で育て上げた感がある。安倍氏の個人としての能力は国会答弁の範囲である。しかし、言い成りになれる能力がある。ここが石原氏とは違う。石原氏ほど切れるとも、弁舌さわやかと言うほどでもない。言葉に説得力がない。所が、発言は脈略なく突然的を射る。誰かの指示で発言していると思わざる得ない。同一人物が、時々に合わせて対立する発言をする訳がないと驚く事がある。瑞穂の国づくりと言いながら、TPP推進と発言している。普通なら瑞穂の国の方は言わないで置く。多分当人はこの矛盾に頓着する事がない。アラブ歴訪とイスラエルでの発言は誰の指示だったのだろう。イスラム国に日本人が誘拐され、身代金が要求されている中で、意図に従い的確に動いた。必ず筋書きを書いた人がいる。

NHK会長の籾井氏は石原氏型である。大体に取り撒きの人達は、言いたい放題発言する役割を承知しているようだ。だからあまり驚いてはならないのだが、例の就任に際して理事辞職願を預かるという、手法である。自分はあなたの殺生権を持っているのだという権力の確認がしたかったのだろう。それを行う背景にあるものは、NHKを保守集団のいいなりにする必要があるという意図がある。脅せば動くと、人間を甘く見ている。民主党との話し合いでは、普通の会社ではやっている事だと相変わらず、強弁していた。しかし、強弁するおかしな人を演じていると考えて置いた方がいい。この姿を誰かに見せているのだ。百田氏も武力主義の極論を吐く役割を買って出ていた。しかし、田母神氏の不人気によって、舞台から降ろされる事になったのだろう。百田氏もやり過ぎる役割だろうが、表舞台からは降ろされたようだ。

曽野氏はアパルトヘルト問題でトラの尾を踏んだが、この人は以前、「子供を産んだら会社を辞めろ」発言で、騒動を起こした事がある。こういう人にコラムスペースを与えている産経新聞の体質がすごい。意図して人種差別問題に踏み込んだと考えられる。外国人労働者を安く、人権を軽んじて使わなければ、日本が競争に勝てないという意識である。きれい事だけでは競争に勝てないということだろう。外国人労働者問題は保守層には嫌われる話だろう。しかし、一階級下の存在として受け入れる必要があるという、差別的な意識である。外国人労働者を何も、日本人と同等に扱う必要はないという本音であろう。現実に今そういう存在として、研修制度で日本に外国人が働きに来ている。日本の農地を守るために、外国人に中山間地にの限界集落に入植してもらおうという考えが出てくるのであろうか。かつて朝鮮の人達が、労働力として日本に入り何が起きたか。良く思い出すべきだ。そうした日本人の体質が、未だ変わらない中で、外国人労働者の導入は危険すぎる。

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