辺野古米軍基地について

   

政府と沖縄県知事は、日に日に対立を深めている。翁長沖縄県知事に対して、政府は会う事さえ拒絶している。この状況は安倍政権の強調する、積極的平和主義の国防上から言っても問題が生じかねない事態ではないか。ともかく一日も早く会って話をしてもらいたい。政府の「普天間基地の危険を除去するために、粛々と進める。」と言うだけの傲慢な態度は民主主義国家の政府としての、姿勢ではない。「法に従い進めるだけだ。」この法に基づく認可をした前知事は、公約では辺野古移設反対で当選したひとだ。前言を翻し基地工事を認めたのだ。沖縄県民の意思は一貫して辺野古移設反対なのである。そもそも危険と言われる普天間基地のある地域でさえ、民意は辺野古移設に反対なのだ。米軍と国防の関係は沖縄だけの問題ではなくなっている。日本の国防をどう考えて行くのか。このままではクリミヤやスコットランドではないが、沖縄が独立の県民投票をする状況になりかねない。

アジア各国の国防政策において、米軍との関係が変わり始めている。中東政策で分かるように、アメリカも変わってきている。その上に中国の存在が巨大化してきている。アメリカ以上の軍事大国になることをねがっているようだ。そして韓国もフィリピンも台湾もアメリカとの関係も、その時々に変化している。国際情勢は大きな転換期に来ている。この中で、ただ辺野古移設という一点に視野を狭めていて、良い訳が無い。これ以上沖縄との対立を深めるのであれば、日本の国防が狂い始める。在日米軍の基地の4分の3が沖縄一県にあると言う事は、いかにもバランスが悪い。その原因はアメリカの対ソビエト対策という事があったと思われる。北海道に侵入してきたソビエト軍に対して、自衛隊が闘う。時間稼ぎをしている間に米軍が出動する。どうしても米軍基地が日本に必要と考えるのであれば、新発想が必要になるに違いない。政府の考えはいまだ冷戦時代を引きずっている。米軍基地の移転が問題ない場所など日本のどこにも無い。

日本政府は憲法解釈を変え、海外に派兵できる状況を作り出そうとしている。つまり、自衛隊から、国防軍に変えようと言う事だろう。憲法解釈の変更の必要性の説明では、国会での安倍氏の答弁は、全く意味不明の海外での邦人救出紙芝居だった。邦人のお婆さんや赤ちゃんがどうして、危険な国に船で運ばないほどいるのだろう。次にあげていたのは米艦船を自衛隊が守れるように変更するとしていたが。米軍が守れない艦船をどうやって自衛隊が守れるのだろうか。今政府がやろうとしている集団自衛権の解釈変更については、全く荒唐無稽の話だと思う。現在の法律でも可能なことをあえて、解釈の変更をする。実は、政府は普通に戦争が出来る軍隊を作りたいと考えているのだ。それを直接はできないのでごまかしで乗り切ろうとしている為に、不自然な解釈を繰り出しているとしか思えない。

普通の軍隊を作ろうと言う、安倍政権の本音であるとしたら、普天間基地移転に固執する姿は、何を意味しているのだろう。米軍が日本本土に移転を希望する事を避けたいと言う事なのだろうか。アメリカを将来排除する方針があると言うことか。中国軍が巨大化する中で、中国とアメリカの橋渡しをするのが日本ではないだろうか。アメリカの尻馬に乗って、中国との対立を深めることなど、何も利益が無い。日本の平和主義を、どのように中国に理解してもらうか。これが日本が行うべき第一の事だ。中国も確かに急成長する中で、国内的な矛盾を拡大している。危うい事はままあるだろうが、その事を深めて。中国との平和外交を深めることこそ、日本政府の行うべき外交戦略である。対立を深刻化させる事は、日本にとって何の益もない事だろう。

 - Peace Cafe