カスピ海ヨーグルトの作り方
黒姫山の尾根道 中盤全紙 実に美しい尾根である。この世で一番美しい場所かもしれない。しかし、寒くて作物はできない場所である。こういう場所を何故美しいと感じるのかが不思議だ。
カスピ海ヨーグルトを作っている。朝起きたら、コーヒーを入れながら、スプーン一杯をぺろりと舐める習慣である。ヨーグルトは毎日違う味がして、面白い食べ物だ。先日友人と話していたら、面倒くさいので辞めたと言われていた。それで、私でも継続して作れる多分一番楽な自家製ヨーグルトの製法を書いておく。牛乳というものは乳酸発酵の方向以外に腐敗しにくいものだということ。めったに雑菌が入りにくいものである。一般に牛乳が腐って酸っぱくなったというのは、乳酸発酵しているという事が普通である。だから、ヨーグルトを繰り返し、継続して行く手法でも、腐敗に進む事はないという事になる。但し、雑菌が入るという事はどういう場合にもあるのだから、安全確実なやり方を知って、継続することが大切である。ヨーグルトの継続製造をしていると、発酵というものが身に着き、いたずらに殺菌、消毒する考え方が以下に馬鹿げているのかが分かる。和食の基本となる、発酵技術が身につけば、自給の食事も豊かなものになる。発酵食品が免疫力を高め、病気になりにくい身体を作ることにもなる。
始める前に手を洗う。流し水で洗えばその程度で充分である。道具は一切使わない。買ってきた牛乳パックをそのまま使う。ここが肝心である。外気に触れることも最小限にする。容器に移すというような事が雑菌を入れる原因になる。
以下循環するカスピ海ヨーグルトの作り方。出来あがった所から始まる。購入したカスピ海ヨーグルトでも同じ事になる。
1、出来上がったヨーグルトを蓋つきのガラス容器に移す。これは食べる分。
2、ヨーグルトを作った牛乳パックには大さじ3杯ほどのヨーグルトを残す。厳密でなくていい。
3、新しい牛乳パックは半分だけ蓋をあけて、100cc程の牛乳を取り出す。
もう100cc取り出し、これは後で飲んでしまう。
4、前のヨーグルトを作った、ヨーグルトの大さじ3杯ほど残っているパックに100ccの牛乳を入れ、蓋をして良く振る。
5、新しい牛乳パックは200ccの牛乳を取りだしてあり、上部に空間が出来るようになる。これは酸素補給である。
6、良く振った、ヨーグルト交じりの牛乳をこれから作る牛乳パックに戻す。まだ上部は空いている。
7、牛乳パックにヨーグルトの種となる100ccを戻したら、もう一度軽く振る。
8、パックを開いた場所を、クリップでしっかりと閉じる。
9、空けた側の上部にして、斜め横にしても漏れないことを確認したら、保温箱に入れる。
10、保温箱は20度から30℃に保てれば何でもよい。冬は保温するが、夏場は涼しい所に置く。中の温度が見える、温度計があれば安心。
11、6時間から20時間で出来上がる。2日ぐらいかかる事もあるが気にしないで大丈夫。
12、空けてかたまっているのが確認出来上がったら、1番に戻り繰り返す事になる。この時手早く行い、中をかき回したりしない。
13、種にするヨーグルトは、牛乳パックにこびりついて残っている、奥の方の大さじ3杯という事になる。
14、種菌を別に残しておく場合は、ガラス瓶に入れて、冷凍しておく。調子が悪くなった時取り出して使える。それよりたまには新しくヨーグルトを買った方が確かである。
15、出来上がったヨーグルトは別容器に入れ、食べる時はそこから出す。
ヨーグルトの中にスプーンを入れないという事が重要。すべてをパックの上部から流し出す。何かを入れるとそこから雑菌が入り、カビが生え始める可能性が高まる。牛乳パックも、上の注ぎ口にカビが生えやすい。食べる容器のヨーグルトは種菌にはしない。一般には蓋を閉めないで作る事になっているが、牛乳パックの中に空気の層があれば、蓋を閉めてもできるので、雑菌が入らないように蓋はクリップで留めて作っている。乳酸菌が必要とする酸素はかなり少ない。牛乳は何でもできるが、成分無調整のものを使う事が無難。出来たヨーグルトは最初の段階では緩い場合もあるが、時間がたてば徐々に粘りが出てくる。冷蔵庫の中でも乳酸発酵を続けていると思われる。味も酸っぱさが増してゆく。出来たものは冷蔵庫に入れて、1週間で食べきることが望ましい。
実はカスピ海ヨーグルトでなくとも、どんなヨーグルトでもできる。好みのヨーグルトがあれば、それでやれば同じ事である。ただし、継続性はカスピ海ヨーグルトが安定している乳酸菌だとされている。他のヨーグルトで、継続して作り失敗した経験がある。しかし、牛乳も、ヨーグルトもさして値段が違わないのだから、月に1回ぐらい新しい菌にしてもいい。ただし、あくまで自分の感性で腐敗を確認すること。これは作り方でなく食べ方だが、ヨーグルトは毎日食べる。少量でも構わないが、食べ始めたら、毎日食べるほうが身体にいい。発酵食品は継続することに意味がある。時々というのでは、あまり意味がない。たくさん食べたから効果が高まるという事もない。大さじ1杯食べれば十分である。私は朝起きたら1杯ぺろりとやる。