美味しいとは言えないどぶろくの作り方
どぶろくの美味しいと思うものをまだ飲んだことがない。日本酒ではさすが美味しいというものがあるが、やはりどぶろくは素人芸にすぎないと思ってきた。何度やってもこれならとまでは行かない。一番の欠点は、すっぽさが残るということである。これを取り除かないことには、美味しいとは言えないと思っている。あえて言えば、アルコール度をどうすれば強くできるかである。甘酒を酒っぽくしたくらいでは、酒とは呼べない。我が家には上湧水がある。お米もなかなか良いお米だ。米糀の作り方も、なかなかのレベルに達してきた。そろそろ、美味しいと言える「どぶろく」作りに挑戦してみる。
1、まず「くされもと」の作り方。
酒米は2割以上も削るというが、もったいなくて出来ない。7分づきである。この事と酸っぱさとは関係があるのか。研いだお米5合をガラス瓶中に入れて、湧水を水が2センチほど上回るように加える。そこに焼きおにぎり1個をほぐして加える。暖かい所(30度は欲しい)に置いて、今回は炊飯ジャーの上。3日置いた。濁ってまさに腐れて来たような臭いがする。わずかに湧いてくる。発酵臭がしたらときどき混ぜ込んでやる。これを布で越した水が「くされもと」である。
2、ご飯の蒸しかた、炊き方
5合のくされもとに使ったお米を硬めに炊く。4号くらいの水加減にして、料理酒を加える。アルコールを加えて沸点を上げて、蒸しあげたご飯に近付ける。蒸し事が普通のようだ。何故だろう。酒造りが古いやり方を、残しているということか。やはり、味に影響のあることなのだろうか。
3、仕込み
硬く炊けたご飯を40度くらいにまで冷ます。同量の糀と混ぜる。熱湯殺菌した甕に、くされもとを加え、混ぜたご飯と糀を仕込む。最初は果樹酒用5リットルガラス瓶が観察に向いている。ひたひた程度までの水加減。雑菌が入ることも、酸っぱくなる可能性なので、仕込んだら出来るだけ雑菌が入らないように管理。毎日1回かき回してやる。味みもして変化を確認する。一日一日、水分が増え、上部に、あるいは中段に分離し、琥珀色の液体の層が出来て来る。小さな泡が徐々に増えるので、この泡が、お米を持ち上げている。
4、熟成期間の管理
置き場所はどこでもいいが、雑菌を避けたい。酒倉は良い菌が勝って存在するはずだ。それでも最初は室内に置いて、観察しやすい方がいい。毎日、1回かき回す。温度も計る。温度は何度であっても構わないが、美味しいものを作るデーターとして記録する。10℃から15℃くらいで、温めないでゆっくり進めた方がいい気はする。
5、完成の判断
好みの味になれば、完成であるが、見た目では、上澄みが澄んだ琥珀色になる。
ところがである。今回も若干酸っぱい。敢て失敗した方法を上げておく。乳酸発酵をしているようだ。雑菌が入ったという訳でもない味である。乳酸発酵してしまう原因の一つは温度管理があるようだ。これが難しい。ヨーグルトを最初に加える方法の根拠は、乳酸菌の力で雑菌の繁殖を抑えようという事。乳酸菌と共存できる酵母菌の活動だけ優先させようということになる。ヨーグルトを使わないで、くされもとや酒母あるいは、一度仕込んだものの絞りかすを使う考えでは、まず、初期に5℃以下の低温で発酵させる。その段階では乳酸発酵になる。その後、温度を25度に上げて、酵母発酵を促進してやれば、酸っぱくないどぶろくになるはず。そう考えて何度進めても、実際には酸っぱさが抜けない。原因はどこにあるのかわからないが、多分温度管理の問題のような気がしている。
甘酒を作る場合は、最初から高い温度60℃で行う。ご飯と混ぜるときから高温で行い、60℃保温を続ける。一昼夜でかなり甘くなる。さらに甘くしたい場合は、一度5度まで冷やし再度60℃まで上げて一昼夜保存する。これでして全くすっぱみのない驚くほど甘いものになる。前回は、この甘酒の糖分をアルコール発酵させれば、一つの方法かと考えて、酵母を加えて20度で保管してみた。しかし、これは雑菌が入った状態にになった。いずれ、酒造りは実に難しいものだ。再挑戦である。
昨日の自給作業:タマネギの草取り、じゃがいも掘り2時間 累計時間:18時間