全原発の廃炉

   

「農業者として、原子炉を容認できないのではないか。」という提起を農の会の定例会でさせてもらった。農の会では良い農産物を作るために土づくりを努力している。農薬を使わない。化学肥料を使わない。そのことは当然として行っている。さらに心をこめて土づくりをしている。土壌が放射能汚染されることは、受け入れがたいことである。土壌を育むということは、自分で終わる仕事ではない。未来永劫続いてゆく作業である。それを原子炉の人災によって、無にさせられることは、人生そのものを打ち消されたようなものだ。今回の原子炉の廃炉アピールだけは、農の会全体で行うべきでないか。農の会の根幹である。『地場・旬・自給』の思想にかかわることである。そう思いあえて、今までの枠組みを崩しても有機農業研究会のアピールに参加したい。そう考えた。定例会では参加していた一人ひとりは、原子炉の廃炉に対して異論は無かった。ただし、農の会が会としての決定をするとしたら、ここに居ない人たちの意思の確認も必要となった。

原子炉の廃炉は、資本主義を止めない限り出来ない。このように考えている。柏崎原発の停止中の炉を早急に運転しろと、経済同友会の桜井代表幹事が発言している。一方で、原子力発電所の安全対策が不足であったことを認めている。その再点検もしないで、原発を再稼働しろという神経はどういうことなのかと言えば、電力不足で企業が倒産したら、すべてが終わる。そのことだけが心配なのだ。「しばらくは地震は来ないだろうから、大丈夫、大丈夫。」これが日本の原発安全対策の本音だ。最優先は会社の経営である。日本有機農業研究会から、原子炉の全廃止緊急アピールを求める連絡がきた。あしがら農の会として、緊急アピールに参加するかどうかを9日の定例会で話し合った。あしがら農の会が外の活動に対して、会としての考えを主張するような事は、今までしてこなかった。全体で何かを主張することが、会のあり方に若干の違和感を感じるからだろう。ただし、今回は農地が放射能汚染されるているという状況は、深刻なことと受け止めざる得ない。

方法としては、掲示板に挙げて、一人でも反対の意見があれば止めるということになった。その方法が正しいかどうかもわからないが、ともかく、そういう方向で進めてみる。原発の洗脳政策が進んでいる。多くの人が、原発を止めたら、日本の経済は成り立たないと思い込まされている。最近夜が暗い。このくらいが当たり前のことだ。「原発が無くなると日本経済は立ちゆかない。」「日本人の暮らしは原発によって支えられている。」「原発を止めたらCO2対応が出来ない。」すべて、企業活動を有利に進めるための洗脳に過ぎない。原発などなくても、今の暮らしから余分なことを省けば済むことだ。農の会の暮らしが普通になるということだ。トイレの温水便座が無くても普通に暮らせる。自動販売機が無くても大したことはない。日本政府の本音は原発を輸出産業にしたいという、金儲けの野望である。資本主義経済の宿命ともいえる。いらないものまで買わせないと競争に勝てない。

資本の原理主義は尽きるところを知らない。このままでは地球の滅亡まで進んでゆくだろう。農の会は、政治的でもないし、宗教的でもないが、原発の廃炉だけは会の意志として表現しなければならないのではないか。ただし、このアピールを進める過程こそ大事だと思っている。この原発の問題を自分の問題と出来るかどうか。ここにかかっている。昨夜の定例会の議論を踏まえ、今起きている反原発の動きを教えてくれた。デモ、明日は高円寺であるようです。他にも検索したら方々で既に行なわれていたり、予定も沢山あるみたいですね。もう一つ、東電の記者会見ですが、まともに見たらいくら時間があっても足りないので、食事しながらでもいいでの、この動画を見てみてください。「鳩山由紀夫前首相勉強会」というタイトルで東電会見ではないんですが、上杉隆というフリージャーナリストが民主党の若手議員にとてもわかりやすく話をしています。もしかしたら、資本主義をやめる前にも、原発が無くなっているかも。元気が出てきた。ぞ。

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