食品の放射能汚染
神奈川県の野菜を食べても大丈夫である。政府の群馬の野菜まで出荷自粛をした、間違った情報発信による不安の増幅。これまで日本では、輸入食品の検査だけで、食品の放射能汚染を規制する基準を設けていなかった。原発事故を想定していなかった証拠である。今回、国際基準で測定したところ、基準値を超えている。これは放射性物質を測定している。放射線量を計っているのでない。この点人体の影響という意味では、かなり実際的なものと言える。今回のような事故が無いにしても、放射能基準値を越えてしまう食品はあるはずである。今まで輸入食品以外、やら無かったこと自体が、原子力行政の抜け穴だった。今の段階では魚貝類についはやっていない。福島原発の周辺の海水汚染の測定では、放水口で126倍の放射性物質が測定された。そく、魚介類は食べない人が出るはずである。用心深いのは良いが、非科学的な行動は意味が無い。
仲間からのメールである。
「宅配をしている皆様」
夏野菜・田んぼの準備で忙しくしている所だと思いますが、今も続く余震、福島原発事故について私たちが考えていることを聞いて下さい。
政府は今の所、原発事故の放射能は微量でただちに健康には問題ないと発表していますが、もし影響を受けるとすれば小さな子供たち、妊婦や胎児が一番危ないとされています。私たちも(二人のお子さん)の事が心配です。
どこかに避難しようか考えましたが、今畑を離れてしまうと、夏野菜の準備はできないし、田んぼも田起こし、種まきできなければ一年間米作りができません。
原発の問題がこれから先がどうなるのかがわからないので、どのくらいの期間なのか何とも言えない状況なので困ります。今も色々悩みつつ、それでも実家に一時疎開しようかなと考えています。
まだお客さんにも何も言ってないし、ご迷惑をおかけするのは承知ですがしばらく宅配をお休みしようかなと思っています。
とりあえず今週は配達するつもりですが、来週以降まだ畑にある野菜などの件でみなさんに相談したいです。
何か意見、良い考えなどあったら連絡下さい。
何ともつらい。頑張って農家をやって来た彼らを見てきただけに。こんな理不尽なことはない。何も出来なかった、私自身の責任を感じざる得ない。神奈川の野菜の放射性物質の測定はまだやっていない。心配な農家は農協に相談しろとは驚きである。国の基準である。自分が食べるものとしては、汚染していようがいまいが。この土地で出来たものを食べるしかない。受け入れるしかない。逃げ出すわけにも行かない。放射能という見えない恐怖から、悪い方へ悪い方へ考えてしまう人がいる。きちっとした情報を捉え。揺るがないことである。政府の発信するデーターに、信頼性が薄い点は問題だ。では政府発表以外で無いかと探すと、横須賀基地の原子力空母のチェックがある。このデーターを国のものと比較すると、ある程度の安心がある。神奈川県の衛生研究所の日常のデーターは興味深い。放射能の濃淡は日常的に相当にあるもののようだ。事故に備え、こういう作業は重要である。
調査した野菜や牛乳の一部から検出された。神奈川の水道水から出た。厚木米軍基地では室内待機。慌ててはならない。数値的には大したことではない。こういうことを書くのは、まだ諦めていないからである。たとえ原発がコンクリートで埋められ、日本の国土が汚れてしまったとしても、気がついて道を引き返すことになれば、十分に間に合う。こういう分岐点で、一人ひとりがどんな行動をとるか、あるいは取れないか、そのことだけは確認し、見届けたいと思っている。