小田原市農政課の収賄容疑
小田原市農政課の職員が、林道農道工事の発注に伴い、汚職をした。加藤市長の訓示内容である。農政課とは現在2つの事業で協働している。美しい久野里地里山協議会と有機の里づくり協議会である。農政課には月に2,3度行く。最近は新しく借りた農地の契約のこと、その田んぼの水路のことで、何度も出かけていた。おおよその職員と顔見知りである。農政課には、文句やお願いばかりなので、印象は悪いかもしれないが、私としては、協働しているつもりである。耕作放棄地の再生は、小田原市の大きな方針である。小田原市が農地を法人が使える特区を作った時から協働してきた。農政課の様子から言えば、もう一つ空気は良くない。他の課に比べて、全体の一致団結した感じがない。忙しいのはどこの課も同じなのだが、農政課は外に出る仕事があるらしく。なかなか担当に会えない。会えない時に他の人に伝達を頼んでも、なんとなくすっきりしない空気感がある。
正直言ってばらばらである。良く言えばビジネスライクなのか、人の仕事に口を挟まない。上司も部下の仕事に割り込んでこない。聞こえないふりをしている。一緒に仕事をしていると言っても、環境政策課とは、週一回2時間必ず打ち合わせを必要としている。農政課とはそうはならない。本当は市民協働を立ち上げるためには、そのぐらいの時間が必要である。行政にとっても迷惑ではあると思うのだが、毎回、相談しなければならない用件がある。市民の役割、行政の役割、手探り状態である。効率は悪くても仕方がない。農政課ともそう言うレベルで協働しようとした。所が、切り開けなかった。課長と相談する会を持とうと提案しても、何度でも必要な理由を書いて出して下さいとか、埒が明かないので止めた。農政課は意識改革が必要だとは思ってはいた。汚職をするような職員が現れるということは、一人のことではない。このことは肝に銘じておく必要がある。
何故そんな状況に落ち込んでいったのか。たぶん、ごく普通の人間であったと思う。私の接してきた農政課の職員は、善良でこんな事件とは無縁の人ばかりだ。悪質な人間がたまたま居て、起こしてしまったような事件とも思えない。普通の人が、ついついこういうことに成りうる、組織に問題があったと考えるべきだ。大学入試のカンニングが騒がれているが。大抵の人は見つからないならやるだろう。組織の問題を検証すべきだ。担当職員が、5年も農政課に居たという。こういうところがまず問題であろう。汚職の置きやすい部署でありながら、互いの監視システムも無かったのだろう。普通なら、おかしいと気づいても良いような事案に見える。この事件の実態はわからないが、多くの同僚もお金を貸していたとか、医療費が必要だったとか。何かやるせなくなる。農政課の仕事は随意契約が大半のはずだ。どういうことが起きていたのか、解明する必要がある。
小田原市では今現在、市民がどのように地域の活動にかかわってゆけるのか、大きな実験をしていると思っている。行政の側は方針も変わり、職員も少し変わってきた。また、農の会のような活動を快く思わない人もいるので、すんなりと協働しているとも言えないが、芽は出てきている。この大切な時に何という事をしてくれたか。まったくもって、道は遠い。今回の事件は林道や農道の発注の担当者が、工事を請け負う業者からお金をもらって、事前に入札情報を漏らしたということ。ありそうなことで、何故上司がチェックできなかったのかが、不思議で仕方がない。林道工事は市民の目に触れない。市民には必要なのか、不必要なのか、良く分からない工事が多い。まして手抜き工事か、計画通りか。こういうことも関係者以外には分からない。昔から業者との癒着や、収賄は起き易い部署だ。小田原だけのことでなく、全国的なことだ。ああ情けない。