トロトロ層の作り方
トロトロ層といわれる、田んぼの状態。この土の状態が、コナギを抑える働きがある。抑草技術の流れを見ていると、「二度代かき法」「米糠除草」「クズ大豆除草」「菜の花漉き込み除草」「チェーン除草」様々ある。以下は赤木さんと言う岡山の方の考え方ですが、整理されています。
深水管理、トロトロ層、米糠、屑大豆、緑肥、浮き草やアオミドロによるマルチ、濁り水、カブトエビ、ジャンタニ、まだまだたくさんあります。この中で自分が可能な方法を2~3以上組み合わせて実行しないと、隙間を突かれて過去に私も草にやられていました。上記の中でも米糠、大豆、緑肥等は有機酸が作用する化学的な抑草だろうと思います。他は物理的です。濁り水や浮き草は光学的と言うべきかな。化学的な方法、物理的な方法、光学的な方法を組合すのがベターみたいです。
多分赤木さんの言われるように、田んぼの土壌、気候、水の状態。これらが多様であるため、各々の田んぼに応じた。除草法の組み合わせが必要と言う事なのだろう。私としては、控え目に除草技術でなく、抑草技術と考えている。それは草一本出ていない土壌の状態は、なんだか恐い気がするからだ。稲が困らない程度に、草が生える田んぼ状態がいいと思う。稲が大きくなり、田面を覆うようになれば、他の草は少々出てきてもかまわないのだから、抑草技術が問題になるのは、田植え後、1ヶ月が重要。そして、どなたの意見も「トロトロ層」という物に関連している。所がこの「トロトロ層」という物には規定がある訳ではない。農家のワザの世界である。これを先ず規定する必要があるのではないか。規定できれば、それを作り出す、技術を確立できるはずである。トロトロ層の命名も若干、良くなかったのではないか。「ふわふわ層」の方がイメージにも、実態にも近い。
当然の事だが、「トロトロ層」は土壌の質で、全く違う。様々な土壌で田んぼをやっている関係で、同じことが違う結果に成るという経験だけは、積んで来た。つまり、代かきの技術だけでほぼ、トロトロ層と言えるものを作り出している人もいる。その前に、ちょっと戻って、抑草技術に入る前に、一体トロトロ層は稲の生育にいいのか。と言う点が気になる。大方の意見は、生育に悪くない。生育に影響するとは言われていない。しかし、コナギの出ない田んぼは、おおよそ、稲の生育も悪い所が多いい。水温が低いとか。水漏れがひどいとか。日照が悪いとか。コナギで困るような田んぼは、上手くやれば取れる田んぼの事が多いい。例外もあるのだが。例外ばかりを考えていると、何時までも本論に入れないので。「トロトロ層」は生き物が作る。と言う事を考えたい。物理的方法も実は生き物が関連するのかもしれない。
米糠を蒔くと言うのは、ドジョウ養殖と同じだ。ミジンコを発生させて、ドジョウのエサにする。ミジンコが土中で大繁殖して、土を徐々にふわふわ状態にしていく。たぶん、イトミミズも同じような発生のメカニズムだろう。これは、水温が高ければ早い。水温が低いと、1週間ぐらいかかってしまう。米ぬかが、ソバカスでも、大豆かすでも、同じことである。この場合効果を倍増するのが、腐食質の量が関係しているようだ。緑肥が充分あって、良いタイミングで、これが又相当の問題があるようだが、すき込まれる。そこにソバカスが組み合わさると、生き物の大発生になる。このミジンコや、イトミミズは引き金で、これをエサとする、オタマジャクシや水生昆虫が暴発するかのように増える。水が生き物で濁ると言う、信じられないような状態が起こる。ところが、もう一つの材料として、不耕起の田んぼでも起こる。長くなったので、この先は続き。