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笹村 出-自給農業の記録-

AI人間登場

   

 

最近会話中でも、すぐにAIに確認している人が増えている。半分くらいの人がそんな感じである。先日も田んぼのイネが他の田んぼより黄色い。どう対応すれば聞かれたので、いろいろ考えながら答えていた。するとかなり専門的な意見を述べる男性がいた。

田んぼに詳しい人なのかと思い、さらにイネを観察しながら答えていた。所がどうも変なのである。スマホを見ている。うまく会話にならない。おかしいと思ったら、スマホのAIの意見を読んでいるだけだった。私の意見など聞く必要がない。会話をする意欲が無くなった。

会話を通してイネの観察が深まることが出来ない。沖縄のゆんたく文化は風前の灯火である。最近、こんなことが繰り返されている。人を試しているかのような感じで失礼ではないか。スマホで確認しながら、スマホの意見を正しいと考えて、その通り自分の考えとして話すのであれば、私には聞かないで欲しい。

後でスマホで確かめるというのであれば、私もすることがある。その場でAIの回答と比較して、正しさを確認しながらというのでは、気持ちが萎える。例えば石垣島でのひこばえのう方の方法はと質問を入れてみる。するとAIの答えは以下のように出てきた。

石垣島でのひこばえ農法(再生稲)は、1月末から始まる日本一早い新米「超早場米」の収穫後、刈り取った稲の株から再び伸びた芽(ひこばえ)を育て、2回目の収穫を行う伝統的かつ環境に優しい手法です。化学肥料・農薬を使わず、アカウキクサなどを肥料として活用する取り組みが、地域の文化を守る自給体験農園などで実践されています。

AIの現在のレベルはこんなものなのだ。所が稲作の経験のない人だから、この程度の回答で、正しいものだと思い込む。思い込むのは勝手なことだが、必要に意見に固執する。AI人間と議論するのは空しい。これからは気をつけようと思う。

AIは私が書いている情報を、間違った形でまとめたものと考えられる。地域の文化を守る自給体験農場が、「のぼたん農園」のことだろう。1月には新米は採れない。一月の田植のことを読み違えたのだろう。こういう程度の低い情報に基づき、反論をしてくるのだから、話して空しいことになる。

田植え後にイネが黄色くなる(黄化)主な理由は、

植え付け時のストレス、肥料不足、根の酸素不足、または極端な気温変化による「活着不良」や生理障害です。特に、土壌中の窒素やカリウムなどの養分不足や、酸素不足による根の腐敗、病害虫が要因となり、光合成ができず葉緑素が減少することで黄色に変色します。

こちらは間違っている答えではないが、これでは実際の栽培には、参考にならない。私は,黄化の起る原因は風によって、稲の苗が活着していない時の強風で、稲株が干からびてしまい、起ると考えて居る。田植後強い風に当たり、活着が遅れている。だからネットを張り風を防ぐべきだと考えて居る。
 
それはのぼたん農園で4回の失敗を重ねた結果、そう考えるようになった。ともかく何時田植するのが最適なのかもまだ分からない。AIが分かったように回答出来るのが不思議なくらいだ。何葉期の苗を植えるかでも、風の影響は違ってくる。やったことのないものの意見はどうも行けない。
 
今年の4つの田植が終わって、3週間経過した。その田んぼを比較しても、風の影響が強いという考えは深まるばかりだ。これはのぼたん農園の特殊事情だと思う。風が極端に強く当たる場所に農場がある。だから他では関係の少ないことなのだと思う。
 
田んぼは一枚一枚違ってくる。のぼたん農園では現在、7枚の田んぼを耕作している。とうぜん、湧き水から水が来ている1番田んぼと、2番、3番田んぼでは条件が違ってくる。管理する場合、この違いを考えた植えでなければうまく管理が出来ない。
 
稲作は田んぼ毎に違う。特に自然農法の田んぼでは、大きく変わる。その違いをAIは条件に入れられない。稲作にAIは役に立たない。むしろ正しそうに答えるので、変な先入観が植え付けられる。所が、多くの人がAI脳になってきた。考える役割を、AIに任せる人が増えた。
 
確かに何も知らない人にしてみれば、AIは頼りになるのだろう。AI頼りで暮らしている内に、自分が何でも知っているような気になるらしい。いつの間にかAI脳になっている。実は何も考えることがない人間になっている。スマホを取り上げれば、何一つ意見はない。
 
これは人間の劣化が起きていると言うことになる。判断をAIに蒔かせる人間。確かに将棋や囲碁ではAIが人間を越えた。ゲームの世界ではルールがあるから、ゲームの条件内であれば、人間を簡単に越えてしまう。所が世界は複雑系である。ルールが見当たらないこともままある。
 
その意味では慣行農法はルールらしきものが成り立つ。圃場は耕地整備されていることが多い。水の条件も一定で、多くの田んぼが蛇口をひねれば水が出る。しかし、私が面白いと思うのは、湧水から水の湧く自然の田んぼである。土壌条件も千差万別である。
田んぼから作るのが面白い。AIに田んぼの作り方と入れたらどう答えるか。
 
田んぼの作り方は、主に冬〜春の「田起こし(土づくり)」、春の「あぜ塗り・代掻き(水漏れ防止と平坦化)」、そして「入水・田植え」の順に進めます。トラクターで耕し、肥料を混ぜ、水を張って土をトロトロにすることで苗が育つ環境を作ります。
 
予想したとおりのAI脳だ。私が質問したのは、田んぼを耕作放棄地から作る方法は、と聞いてみよう。
まず草刈りと伐採で障害物を取り除き、バックホー(ショベルカー)等で天地返しを行って土壌を再生します。さらに畦(あぜ)を修復し、入水・代かきで水漏れを防ぎ、肥料を投入して田んぼの土壌を整えることで、利用可能な農地へ復元できます
 
果たしてこのやり方で田んぼが出来るだろうか。天地返しというあたりが何故なのかと思う。そもそも水の確保が問題である。溜め池入らないのか、水路の作り方はどうなるか。土壌が田んぼになる土壌かどうかはどう判断するのだろうか。やってみればこの回答では大いに不足だと言うことが分かる。
 
何でも分かったように答えるために、何でも分かった気分人間を作り出す。自分で考えない人間を作り出しているのではないか。これでは新しい何かが、ますます生まれないことになる。回答だけをつなぎ合わせている内に、何もないところから何かを産み出す方法を忘れてしまう。
 
田んぼをやる一番の面白さは、田んぼそのものを作ることだ。何度も田んぼを作ってきてそう考えるようになった。大切な生きている時間を、面白いことをやることで埋め尽くしたい。誰も試みたことがないようなことをやりたい。新しい発見が一番面白い。
 
AI脳では未だかつてないものを創造することが出来ない。感動が出来ないから、芸術とは縁がない。どうもそういう人間が増えてきているのかも知れない。ますます、自給生活をして、「人間とは何か」を問い直す必要が出てきている。AIを捨てる必要はない。AIの使い方を考える必要がある。
 
「スマホを捨てて、田んぼに出よう。」人間はそこからもう一度やり直す必要が出てきている。書は捨てたが、スマホを拾っただけだった。AI脳では、楽しいと言う感情が育たない。好きなことがない人間である。AIで格好だけは付く。そうしている内に、自分というものを見失い、薄っぺらになる。

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