のぼたん農園の田んぼの整備

のぼたん農園の田んぼの整備を続けていた。かなり大変な工事だった。今までで一番の大工事だったかも知れない。連続5日間朝から晩まで工事を続けた。それでやっと完成にたどり着いた。今回の工事で、のぼたん農園の大きな土木工事は終わったと言える。
のぼたん農園の大きな形が出来上がった。東側に水牛の放牧場。西側には上部に機械小屋。そして水源の林を作る場所。その下が溜め池と田んぼへと続く。そして一番下に井戸。中央には上から下までまっすぐに道があり、それを横切るように2本の道がある。全体はメッシュの鉄編みで囲ってある。
田んぼの配置は中等道路より上部の田んぼが7枚で1反5畝。下部の田んぼ5枚で1反1畝。併せて2反6セの田んぼが12枚になった。水があるときは下まで耕作できるが、水が足りない今年のようなときは上部の7枚だけを耕作すると言うことになる。この面積で13家族が自給できると言うことになった。
ひこばえ農法が完成すると、毎年3回の収穫がある。3回の平均が五俵だとしても、1畝の年間の収穫量は90キロと言うことになる。我が家のお米の消費量からすると、1畝60坪だけで良いと言うことになる。1軒の自給面積が狭い。これなら管理が楽だ。60坪のコロガシ。草取り。田植え稲刈りなら、年寄でも出来る自給の田んぼ。こうなれば、26家族分の田んぼになる。
今回中央道路と左右を横切る横断道路がかなり整備された。田んぼへの出入りが以前より安全で楽になった。以前はトラックターの田んぼへの出入りに、おおきな段差があり、難しい状態だった。時々でられなくなった。道路からの出入りを大分直した。これで田んぼを平らに代掻きをすることが出来るようになるはず。
作業性を良くするために、道路の整備を行ったわけだが、作業を楽にする目的が結局のところ、美しい圃場環境になった。道が広がったので、稲刈りの時の脱穀作業なども道でかなりゆったりと出来るはずだ。田んぼの日常の管理もかなり楽になったはずだ。
田んぼは鳥よけと風対策でネットが入り巡らされている。ネットと草が絡んでかなり面倒くさいことになっている。台風が来ると言うこともあるので、ネットの張り直しをしたいと思っている。この点は次の課題として取り組まなければならないだろう。
台風が近くを通りそうなので、防風ネットの補強がいる。防風ネットがあれば、ある程度は稲が守れるとみている。直撃されればそれはダメだろうが、台風は直撃と言うのは希で、せいぜい10%ぐらいだろう。そばを通ることが大半である。確率的に言えば、ネットで風から稲を守ることが90%は有効と言うことになる。
暴風ネットなど台風には無駄だと、大半の人が言う。それは直撃の台風のすさましさが頭に残っているからだと思う。そばを通ったときのことを思い出さないからだろう。大型台風直撃の時にすべてが飛ばされるのは仕方がない。せめて、小さな台風やそばを通過したときには稲を守りたいと考えている。重要なことは完全にではなく、ほどほどにと言うことだ。
田んぼの番号の変更と担当を整理すれば、上の溜め池脇の元0番田んぼを1番田んぼと呼ぶことにする。笹村担当。2番田んぼがぬちぐすい診療所。3番田んぼが中川さん。4番田んぼが渡部さん。5番田んぼが圷さん。東側の列に移り、6番田んぼが三線グループ。7番田んぼがゆんたくガーデン。と言うことになる。
下は8番、9番、で東側に移り、10番、11番、12番となる。ここはジャガイモ、玉ねぎ、小麦、大豆、サトウキビ。など、色々の作物を作ることにする。一番水が入る可能性が高い8番には田芋を作りたいと考えている。今は溜め池に保存してあるので、機会を見てやりたい。
溜め池は今回少し狭くなったのだが、また元の大きさに広げるように準備は今回した。半年して土が固まったら広げることが出来る。ともかく雨が降らないので、水不足は深刻である。苦労したのだが今は雨が降らないことを受け入れることにした。お天道様の事だから、従う以外にない。
ひこばえ農法は中国では1700年も昔から行われていたと現代農業にでていた。利用されている品種も大分分かった。ネットを中国語で検索すればいくらでも出てくる。Shanyou 63、Dyou 63、Shanyou 64、Weiyou 64 など。Y良友9918、Y良友2、春良友608など、収量が多く、耐病虫性、耐倒伏性、再生能力が強く、初生米の生育期間が130〜140日の品種を選ぶとある。
技術的なことでは余り細かく書かれたものはまだ見つからないが、かなり広がっている様子は分かった。そしてすべてがひこばえからの再生稲で、あくまで少ない葉で穂を育てる方法である。インドネシアのサリブ農法とはその点で違うようだ。
今のところの様子では再生された稲とうよりも後から分ゲツしてくる株を育てる方法だ。それで十分収穫があれば良いと言うことになる。どの程度収穫があるかは分からないが、沖縄で行われている2期作とおなじ程度には収穫がありそうだ。
幼穂形成が払拭され、再生された稲であれば、15枚の葉がでるはずだ。少なくとも13枚の葉がでなければおかしい。しかし実際の所はせいぜい4,5枚の葉で穂を付けてしまう。しかしすでに根は大きく形成されている株なので、4,5枚の葉でもそれなりの穂になる。
中国のひこばえ農法は、この方法を栽培の上で洗練した物のようだ。加えて、品種がひこばえ農法向きに選抜されている。これは重要なことに思われる。ひこばえが健全に多く再生される品種がある。病気に強い品種がある。多くは冬には稲が枯れる地域のようだ。
石垣では冬も稲は枯れないので、栽培を続けることは出来る。この点を利用すれば、年3回の収穫までは無理なく出来るのでは無いだろうか。年3回収穫して、代掻きをして、もう一度苗代からやり直すというのが、むしろ安全で確実な方法のような気がしてきた。
年3回収穫で1回の収穫は多くは望まない方が良い。せいぜい五俵止まりが良い気がしてきた。これはまだそんな気がするという範囲だが、一〇俵を3回もとると言うことになると、土壌の問題が起きてくるのではないだろうか。健全に育てるという意味では、五俵を3回ぐらいが良いように感じている。
田んぼの永続性を考えると収穫しすぎると言うことにも無理が生じる。アカウキクサで土壌に肥料成分が入る量と収穫するお米の量には良い配分があるのではないだろうか。藁や籾殻や値を戻すとして、アカウキクサと併せた、腐植の量の問題があるのではないだろうか。
また湛水を続けることによる土壌の酸素不足になる問題も出てくる。コロガシとアカウキクサ、そして時々土壌を渇かすことを繰り返す必要が出てくる。湿潤土壌の管理を研究する必要がある。これからの研究課題である。
田んぼの整備が一段落したので、これからは農法に集中して行きたいと思う。今月は1番田んぼの新しく担当になったので、ともかく石拾いをしたいと思う。根気よく石を拾うことが、これからの管理には大切になるだろう。