第17回 水彩画 日曜展示
第17回 水彩画 日曜展示
55.「石垣島フサキ」1
中判全紙 クラシコファブリアーノ
2020.8
56.「石垣島・ふさき」2
中判全紙 クラシコファブリアーノ
2020.8
57.「石垣島崎枝の田んぼ」
中判全紙 クラシコファブリアーノ
2020.8
少し絵が変わり始めたところの絵である。変わらなければならないと思っているのだが、変わると言うことほど難しいことはない。人間が変わらなければ絵は変わらない。当たり前のことだろう。それが良くなりたいというのだ。絵が良くなると言うことは、人間が良くなると言うことである。
こういうことは70歳を超えた人間にあり得ることなのかどうかも分からない。一年ごとに頑固になり、堅くなって行くのだろう身体の変化を考えてみれば実に当たり前のことだ。しかし、人間はある意味可能性の生き物である。歳をとって絵が良くなった天才がいる。
それならば自分だってと言う思いがある。間違いなく並の人間であるのだから、たぶん衰えるだけだろうということかもしれない。しかし、日々精進を重ねると言うことだけはまだ出来る。ひたすらに勤行として絵を描いて行けば、いくらか人間がましになるかもしれない。
こう言うあがきの気持ちで生きているわけだ。そんな気持ちで石垣島に越してきた。乞食禅そのものである。それしか出来ないのだからと居直って生きている。そうそれで最近絵が少し変化をしたと言う自覚がある。先週の10年前の絵と比べると変わった。
そして、石垣島に来てからやっと石垣島を描いていると言うより、自分の周りを描いている気分である。景色に慣れてきた。同じ緑でも石垣島のエネルギーの強い倍くらい生育の早い緑が見えてきた。牧草で言えば、1年に4回刈り取れる牧草地と一年に2回の牧草地では草の様子が違う。
光の強さが違う。ゴッホが明るい光を求めて、アルルに移住した。石垣島に来れば良かったのだ。本当の日本の明るい光がある。陽気な明るい光があるすこしづつ変われているとすれば、それは石垣島の明るい陽射しのおかげである。
昨日海をかいたのだが、始めて石垣の海のようだと思えた。こうしてすこしづつ進んで行くつもりだ。