水彩画の道具

   

 
 

 水彩画を描くとき私が使っている道具について一通り書いてみる。先ずはパレット。私が使っているのは学童用の250円ぐらいの物だ。絵の具の数は11色である。これらの絵の具を混色して使って、あらゆる色を出す事ができるつもりだ。

 パレットで重要なことは白いことである。透明の程度がよく分かるものがよい。水の濃度が分かる物。白いと陶器性の物か、白いプラステックの物が良い。金属色や半透明のパレットを使うことは私には不可能である。何故ああいう水彩パレットがあるのかが理解できない。

 左から、コバルトバイオレット、カドミュームレッドライト、ローズマダー、ローシェンナ、ビリジャン、ニューガンボーニュ、カドミュームイエローレモン、コバルトグリーン、フレンチウルトラマリン、アイボリーブラック、手前にチタニュームホワイト、この11色である。左にあるものは絵によって特別色を出す。

 このパレットは25年は使っているが壊れない。似たものを探しているのだがなくて困っている。使えないパレットを四,五他に持っているのだが、是非同じ物が欲しい。



 ここにあるのは薄めて大量に使う色である。左から、ローズマダー、フレンチウルトラマリン、セルレアンブルー、コバルトブルー、ロウシェンナ。小さいパレットで使っていた色なのだが、徐々に大きい器に移した色である。

 この大きな皿の方が薄めて使いやすいからだ。特に薄めて使う色ここに置いている。皿はまだ持っていて、場合によっては白い皿にその時使う色を入れる場合がある。コバルトグリーン、ビリジャンなどをそのように使う。

 小さい方のパレットと重複している色もある。フレンチウルトラマリン、とローシェンナは小さい方のパレットは近く止めるつもり。色数としては、白と黒も加えて、13色ということになる。これで十分である。これ以上多いと複雑な混色が把握しきれない。

 絵の具自体はある色はたぶんすべて持っている。全色何社かの物を買ったことがあるからだ。ネットで何故か、全色が極めて安い価格で出ることがある。欲しい色だけ買う場合と価格が大差ないので買ってみた。それで色見本を自分で作ったこともある。結局使わずに保存状態にあるが、車には常に積んである。安心材料である。

 たまたま絵の下の部分が大写しで撮影されているが、このくらいの濃度で、描いている。何度も何度も書く内に濃くなるところは濃くなって行く。
 


 筆はコリンスキーの様々な太さ。豚毛の筆も1本使う。筆は様々持っているが、最近はコリンスキーのいろいろな筆を使うようになった。穂先が長くて使いにくい筆が気に入っている。慣れるとどうとでも成る筆だ。

 こう言う筆は水墨の人も使う。極長穂で5センチくらいあってふにゃふにゃである。実に使いづらいのだが、慣れるとこれが良くなる。日によって絵によって筆は変える。変えるにしても常に必要な筆は10本である。

 10本を入れ替えて使う。極端に言うと筆を置く都度、筆を変えたいくらいである。筆で色合いまで変わる。特に薄い色を自分の意志通りに描いて行きたい所では、一回しか出来ない。しかし、普通に描いた線でなければならない。

 巧みさが少しでも出たら嫌だから、筆には中止している。うまそうに見えてしまうのが一番嫌だ。巧みな感じを越えて、ベラスケスまで行きたいのだ。ぶっきらぼうの線が引かれた途端に、家になり、木になり、雲になるような絵が描ける筆が欲しい。

 大体は油彩用の筆である。水彩筆は短いので使いにくいところがある。何故水彩筆は短いと言うことになっているのか全く意味不明である。たぶん水彩筆の使い方を知らない人がこの長さに決めたのであろう。1本短いものが並んでいるがこれでは描きにくいことが分かってもらえるだろう。



筆立て、10本入れ。ここにさして置いて、置き忘れることがないようにしている。この日は太い方は余り使っていないようだ。

 この筆差しは双眼鏡を買ったときの空き箱である。ついでに書いておくと双眼鏡も必ず持って行く。何だか分からないと描けないからだ。遠くに島に白い点が見えても、それが船なのか、家なのか、桟橋なのか、そういうことが分からないと描けない。

 さらについでにだが、タブレットも必ず持って行く。写真を良く撮るからだ。ここに上げた写真もそうだが、急に記録しておきたくなる。写真は何でも適当に撮る。考えて撮影はしない。家に帰ってパソコンを立ち上げると、自動的に保存される。

 月ごとに整理されているので、どれほどの量あろうとも何ら問題は無い。必要なときに探すことになる。


 小さな300ccのペットボトルが6本。水彩画だから水は充分に必要。四角の物が収納に良い。車の中に常に入れておく。水は水道から出たばかりだと塩素が気になる。しばらく置いておく方が安心。塩素は漂白作用があるから、気にしている。

 出かけるときに満タンにして行き、古い物から使う。このペットボトルの蓋を緩めて、パレットに水を加えるときに、スポイトのようにペットボトルを押して水を加える。水彩はかなり薄い色を重ねることが良くある。

 水入れに筆を入れて水を調整するという描き方では水が足りない。まして汚れた水は使いたくない。





 こちらは筆洗用の水入れ。最後に筆を洗ったところだ。この日は随分濁っている。白をかなり使ったからだ。この容器にペットボトルを1本入れる。水は家に帰り捨てる。重金属もある汚い絵の具の水を捨て、農地を汚したら困る。家の下水ならば、下水処理場に行くからまだいくらかは許されるかという範囲であるが。

 写真には撮らなかったもので常備の物。
★予備の紙は必ず持って行く。いつ何時もう一枚描けるように。
★タオル数枚。チッシュボックス。
★非常食に黒糖黒棒。場合によっては一日粘れるようにしている。
★本10冊くらいは置いてある。今は首里の馬を読んでいる。
★のこぎりと鎌。
★太陽光を遮る遮光布。

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