平和の希求

日本は世界平和を希求する国として、81年前、敗戦後明治帝国主義のすべてを反省をして、一億総懺悔した。0地点から再出発した。あの時代にはそうしなければ、日本のアジア諸国に対する加害責任を、世界から許される状況でなかったのだ。戦争責任は個人にだけ問われたわけではない。日本という国にも向けられたのだ。
戦後81年平和の時代といいながらも局地戦は継続してきた。紆余曲折を経て、大きな転換期を迎えている。日本が平和国家から、武力主義国家への転換をしようとしている。何とか食い止めなければならない。平和国家建設は、戦争を戦い傷ついた日本人の願いでもあったはずだ。
日本国憲法第 9 条 日本国民は、「正義と 秩序を基調とする国際平和 を誠実に希求し、国権の発動 たる戦争と、武力による威嚇 又は武力の行使は、国際紛争 を解決する手段としては、永 久にこれを放棄する。 ② 前項の目的を達するため、 陸海空軍その他の戦力は、こ れを保持しない。 国の交戦権 は、これを認めない。」
素晴しい平和思想の憲法である。高市政権は日本国憲法をか変えて、侵略的軍事力を持った国になろうとしている。これが世論を2分する政策である。中国を仮想敵国にして、台湾有事を口にすることで、強い支持を集めた。中国の日本に対する制裁行為で、日本人は恐れと反発で、いきり立ってしまった。
中国の圧力が高まるほどに、日本人が中国に対抗しなければやられるという思いを強めている。しかし、よく考えれば分かることだが、台湾はそもそも中国の一部であったことは、明らかな歴史的事実である。中国を統治していた蒋介石軍が追われて、台湾に逃げ込んだのだ。
そして毛沢東赤軍と停戦状態が今なお継続されている状態である。習近平は毛沢東信奉者であるから、当然台湾を中国に併合することを、その帝王としての目的にしている。本来日本は台湾問題に表立って口にすることではない。戦前植民地だった台湾なのだから尚更のことだ。日本の安全保障とは関係のないはずのことなのだ。
もちろん、中国が台湾を軍事侵攻をして併合することは許されることではない。武力的に併合することは禁止されていることだ。民主主義的に、話し合いを持って、何らかの新しい形を見つけることを、普通なら模索すべき状況である。所が中国は軍事的圧力も強めている。
一方で台湾は独立して素晴しい経済成長を遂げ、民主主義と個人の自由を確立した。一度民主主義国家の良さを知った台湾の人々が、中国の独裁政権に併合されることを望まないことは歴然としている。しかも、香港の併合からその後の衰退を見れば、それは確信的事実になった。
台湾が好きな国の一番だ。習近平の中国は余り好きではない。だから台湾が中国になるなどあってはならないと思う。独裁政権の国は空気が悪い。自由がない統制下で生きている。言いたいことも言えない国は嫌いだ。今中国では経済成長がめざましいから、国民は我慢をしているだけだ。
二つの国に何度も行き、農業交流をしてきた者として、心底中国が民主主義国家に変わることを願っている。中国人は優秀な民族だから、必ず独裁政治から離脱すると信じている。中国が台湾のようになれば良いだけのことだ。そうなれば一つの国になれる。
所が民主主義国であったはずの日本も、選挙で強権的な右翼政権である高市政権を国民が選択した。自由主義経済が限界に達した。強い力の指導力を期待しているのだろう。あまりの日本の停滞に、日本人はしびれを切らし、民主主義を見限ったとも言える。
話は回り道になったが、軍事力の強いものが、無理な自己主張をすることは許されない。民主的な解決以外に解決など無い。それはトランプも、プーチンも、習近平も同じことだ。日本が小国でありながら、その軍事力の競争に加わろうとしている。愚かで、危険な、間違った選択である。
この平和憲法は、世界の平和の願いだ。世界はまた世界大戦が起るような不安定な状況が生まれている。ロシア、中国が覇権主義国家だと言われてきた。そう主張してきたアメリカが、自ら世界平和を維持する国是を捨て、覇権を主張するようになった。
その原動力はトランプ独裁的大統領と言うことであるが、世界の状況が行き詰まってきていることが背景にある。国家資本主義国が登場し、自由主義経済が崩壊を始めた。自由競争を阻害する、関税障壁を設け、弱い同盟国を食い潰すことで覇権を得ようとアメリカはいきり立っている。
そのアメリカの動向に促されるように、日本にも高市政権が生まれ、平和憲法を捨て、戦争の出来る国になろうとしている。81年前の敗戦の苦しみを忘れたかのようである。中国に対する加害責任を完全に忘れている。中国人が日本に対して恨みを持つのは当然のことなのだ。
中国人と本音で話すとそのことが分かる。日本人に受けた暴虐を1人1人に伝わっている。それは日本で宣伝されているような中国の偏った思想教育ではない。肉親が殺された人たちも無数に存在する。中国人はひどい拷問を受け、略奪を受け、屈辱に生きた時代を体験しているのだ。
台湾有事は日本の有事という発言は、中国人にしてみれば、また日本の軍国主義が始まったと受け取るのは、当然のことなのだ。何故台湾問題が、日本に関係するのか。高市氏は今でも日本の植民地台湾とでも、思っているのではないか。台湾を日本が併合したいというのではないか。
こんな風に感じてしまう中国人が多いはずだ。日本がやった戦争の中国人に対する残酷さを想像すれば、この中国人の気持ちも理解できるはずだ。私の父は7年間中国戦線で下級兵士として軍務に付かされた。そのときのことを私は中国のホテルで、鎮江市の方々に謝罪した。
その日から中国側の人たちの態度が変わった。中国の為に出来ることをさせて貰いたい。と話して、自然養鶏の指導をさせて貰った。やっと心を開いて、表向きな場面だけでなく、実際の中国の農村の状況を見せて貰えることになった。その中で可能な自然養鶏を指導させていただいた。
鎮江市の派遣団が小田原の私の養鶏場も見に来てくれた。そして日本の有機農業の宅配システムの実際を見て貰った。それはすぐに鎮江市でも取り入れられ、次に行ったときには有機農業市場システムが始められていた。その積極性には驚いたし、すぐに中国は日本を追い抜いて行くと思えた。
その頃から中国の高度成長は始まった。中国の国家資本主義である。高速道路を作るとなれば、個人の権利は無視されて高速道路網が作られていった。農業もこの地域では、ひこばえ農法をやるとなれば国家で方向を定めて、一気に進めて行く。
その素早い転換で、ひこばえ向き品種が次々に作出されている。この勢いはとうてい日本の比ではない。国が新しい稲の育種から手を低くに日本とは大違いだ。国家資本主義の素早い動きをみると、日本の低下した生産性の意味がしみじみ感じる。
全体的に見れば、資本主義競争は中国式の国家資本主義の勝利になる。だからトランプはアメリカ一国主義でそれに対抗しようとしている訳だ。日本は何時までも中国の高度成長が認められずに、必ず崩壊するかのように言いつのる人が多数派である。
中国に対する日本人の認識は、かなり外れている。日本政府がそう宣伝している。外れているために、習近平一色に中国を見てしまう。中国人はそう簡単に洗脳されるような人たちではない。静かに時を待っているのだと思う。日本人は習近平の圧力に対して、謝罪から仲直りをすべきだ。
攻撃的な武力を持たないと言うことを約束すれば良い。そして尖閣諸島の領土問題を平和的に解決したい。第三者機関に仲裁をして貰おうと主張するべきだ。日本の軍国主義者達の、中国脅威論に巻き込まれて、憲法改定をしてはならない。
日本は専守防衛であって、中国を攻撃するような武器は持たないと宣言すべきだ。平和主義こそ日本の安全保障である。