新型コロナウイルスの判断は死亡者数

   



 コロナウイルスでは報道機関が各国の感染者の状況を並べて比較している。この見方だと誤解してしまう可能性がある。スクリーニング的にすべての人のウイルス検査をしようという国もあれば、重症者だけを検査しようという国もある。

 日本は後者である。これはひとつの考え方であり、間違えではない。80%の人はすぐ直るのだから、直る人は気にすることはない。20%の人のうち、重症化してきたとき、つまり37.5度以上が3日続いたら、保健所に電話をする。このやり方は合理性がある。医療体制を守るためには必要なことだ。

 イギリスのジョンソン首相やドイツのメルケル首相は大多数の国民が感染をするまで収束しないと主張している。それも確かにあり得る考えだろう。しかし、年寄は別に考える必要がある。年寄や持病のある人には致死率の高い病気なのだ。

 今回の新型ウイルスはそれほど怖い病気ではなかった。人類の大半が感染して、普通の風邪になるには、2年はかかるのだろう。近い将来にさらに手強い新型ウイルスの登場の前段階のような物と考えて状況把握をした方がいい。

 特徴はかかっても8割の人が影響を受けないから、感染を広げやすいと言うことだ。熱さえ出ないので、本人も自覚できない。しかし、ほんの一部の感染した人の中に、特に老人の場合が多いのだが、重症化して死亡する肺炎でもある。

 何故老人が重症化するのか。理由は有ると思っている。老人は肺の機能が落ちる。年をとれば、100メートルを20秒でも中々走れない。筋力が落ちたのだ。同じことが呼吸を司る筋肉でも起きている。もちろん肺の中の衰えもある。

 高血圧とか、糖尿病とか、成人病の人は血液の問題がある。肺の衰えが加わり、肺炎が重症化してしまう。やるべきは肺の筋肉体操である。私には八段錦である。そもそも肺は弱い。結核もしている。その点心配なので、肺の強化は毎日続けている。

 弱者や老人が死亡するという意味では人類の淘汰現象がわずか働いた。こんな考えが不謹慎と言うことは承知しているが。私が感染して死亡したとしてもその覚悟はしている。70歳というのは老後でありそういう年齢だと思える。死を仕方のないことと受け入れることが覚悟だ。最後の一枚だと、そう思って今日も絵を描きに行く。日々の絶筆。

 国によって年齢構成が大きく違う。日本の老齢化率は高い。老齢化率の高い国と低い国ではこのウイルスの感染状況、特に死亡者数は異なる。だから、韓国と日本と中国の現状をどう判断するかは、総人口と老齢化率を勘案した上での死亡者数で考えることが正確な判断につながると考えられる。

 医療環境の悪いアフリカで流行が始まったら大変なことになるという人がいたが、そんなことはあり得ない。70歳以上の人口がほとんど居ないような国では、インフルエンザのひとつに過ぎない。幸い若い人は重症化しにくい病気なのだ。アフリカにはもっと深刻な病気がいくらでもある。問題は老人国の死亡であり、経済の問題である。

 要約して言えば、中国の死亡者が100人であれば、日本の10人に当たる。韓国が5人であれば、日本の10人に当たる。医療の状況も違うだろうが、それを含めて感染の広がりは死亡者数で判断するのが一番間違いが少ないようだ。さすがに死亡者数のごまかしと言うことは考えにくい。

 3月12日。世界全体では4300人ぐらいの死亡者が出ている。18日で7800人である。これは始まりに過ぎない。日本での死亡者は一日に3名あった。まだ5名を超えたことはない。この程度の死亡者であれば、今のところ深刻な感染症ではないと見ていいのだろう。少し騒ぎすぎである。

 感染の状況は死者の数だけで判断した方がいい。通常のインフルエンザと変わらない。感染したところで回復するのであれば問題はない。今現在感染が静かに広がり、免疫が生まれ始めている。死者が出なくなれば一安心であるが、それは5月ぐらいになるのだろうか。

 イタリアでは死亡者が3000名。中国以上の問題になっていると見なければならない。中国では感染が始まってから、三ヶ月が経過している。この後のイタリアの経過は注目が必要である。中国の死亡者数はこのところ1日20人ぐらいになってきた。ピーク時には100名を超えていたから、峠は越えたと言えるだろう。

 日本での死亡者数はまだ少ないが、微増の状態。感染の拡大の状態の判断は難しいところもあるだろうが、死亡者数で見るのが一番妥当に思う。通常のインフルエンザであっても一日10人ぐらいが死亡していて普通である。新型コロナでもそれくらいまで上昇して不思議はない。まだピークは先である。

 老人の死亡者が多いので老人は不安だろうが。老人の方が若い人より先に死んで当たり前である。老人の都合を若い人の未来に押しつけてはならない。若い人には経済が生存を左右する。状況を正確に判断し、受け入れてジタバタしない方が免疫力は高まる。

 免疫力というものは精神の安定状態で大きく変わる。不安にさいなまれていると、ドンドン落ちてしまう。大丈夫だと確信して、愉快に爽快に暮らしていれば免疫力は高くなる。安心して熟睡できる状態に精神を持って行くことだ。

 病気と言うよう文字のように、気が衰えることが病である。免疫力の低下である。元気に明るい気持ちで暮らしていれば、感染を退ける。もちろん専門家会議の指導項目である3つはできる限り守る必要がある。感染を遅らせた方が普通はいい。

(1)換気の悪い密閉空間を避ける。
(2)多くの人が密集する場所に行かない。
(3)近距離での会話や発声はできるだけ控える。
の3つの条件である。これに加えて、
(4)外出したら物にさわらない。を実践している。

 感染を遅らせることは社会全体として意味がある。一ヶ月先に感染したのであれば、たとえ重症化したとしても、対処方法がかなり見えてきているはずだ。しかも多くの場合、感染が遅れた方がウイルスが重症化する確率は下がってくる。いつか感染するとしても、少しでも先の方が命の安全性が高まる。


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