石垣市長は市有地を自衛隊基地にする。
八重山毎日新聞にあった自衛隊配備予定地の図面です。
石垣市では市長が市有地を自衛隊基地に貸し出す方針である。一部は売り渡すために、3月の議会に上程するらしい。自衛隊基地の賛否を住民投票して欲しいとする3分の1の市民の要求は無視されたままである。
市民の意見が無視されたまま、自衛隊基地の建設は進んで行く。こんな強引なことが、民主主義国家において行われている。現在、市長は市民条例に従い住民投票をしなければならないのでは無いかという行政訴訟の裁判が、那覇地裁で審議されている。3月には判決が出るのではないかとも言われている。
裁判結果を待ってから市有地の貸し出しや、売り渡しを判断する事べきであろう。石垣島は石垣市民の暮らす島である。もし、裁判で市長に住民投票をすべきという判決が出たら、住民投票を行いその結果を市長は判断材料にしなければならない。それは議会も同様の事であろう。
石垣市も民主主義で市政は行われているはずだ。充分に議論を尽くすことは、民主主義議会として当たり前のことだろう。どれほど市長が自衛隊基地誘致に熱心であろうとも、市民の意見を無視することはあってはならない。石垣島は市長個人の物ではない。議会の議員の半数以上が自衛隊基地を希望しているとしても、一切の議論なく強行してはならない。それが民主主義議会の尊重である。
民主主義は少数意見を大切にしてこそ成り立つ。最終的には多数決で決めるのであるが、それに至る過程では活発な議論が公開されなければならない。それを通して次の選挙の判断ができる。
先日は住民投票条例の廃止が議会では議決された。危うく廃止になりかかった。全く議会は議論の場になっていなかった。多数派には話しても無駄という状態になっていた。石垣の人の日ごろの論理的な性格からすると、信じられないような議会の状態であった。時々小田原の市議会にも行ったが、比べて驚くような状態であった。随分状況が違う。
どのようなことでも、賛否両論がある。市議会の委員会においても、充分議論を行い、少数意見を尊重して耳を傾ける。そしてそれを記録に残す。これが民主主義の基本的な姿勢である。そうでなければ、選挙によって議員を選択することもできない。
委員会では議事録を残さなければならない。それが民主主義国家の情報公開である。特に、自衛隊基地を誘致するというような、石垣島の未来を左右する重要な案件は存分に議論し、その内容を公開しなければならない。現状では余りに議論が不足している。だから、自衛隊基地の意味が不明確なままだ。
自衛隊基地誘致のような島を二分している問題を、話し合いもなしに一方的に決めてしまうことはゆるされないだろう。住民投票を行い、その結果を待ってから決めなければならない。
ところが、市長は3分の1の市民が署名を持って要求している住民投票を行おうとしない。それは住民投票を行えば、半数以上の住民が自衛隊基地に反対するだろうと考えているからだ。先日の自衛隊基地の誘致派の集会では、住民投票では反対が多数に違いない。と講師が発言していた。
自衛隊基地は住民投票をしないでも反対が多いと考えているのであれば、なおさら十分な議論が必要であろう。市長や誘致派の議員は市民に対して、何故自衛隊基地が必要なのかを説明し、説得しなければならない。その努力は全くない。
そうした民主主義的行動はどこにも見られない。実際の議論を避けて、数の力で強引におしとおそうというだけである。この姿勢が余りにひどすぎる。先日も市有地を売らないで欲しいという要望書の提出に際して、市長も副市長も面談の要求すら拒否した。
話しても無駄だと考えているのだろう。接点はないから、ただ反対派を避けているに過ぎない。市長が何故これほどに自衛隊基地を作りたいのかが分からない。説明を聞いたこともないから分かりようもない。唯一聞いたのは、国の専権事項に対して市は意見が言えないと言うだけである。これは間違った考えである。間違っていないとするなら、その法的根拠を市民に述べるべきだ。
自衛隊基地が強行着工されて一年が経つ。時々現地へ行ってみるが、大分予定地は赤土が広がっている。雨の日には赤水がドンドン流れ出ている。沈殿池が機能していない。水源地である。田んぼに来る水の濁りは増している。それにしても、石垣にとって一番まずい場所にミサイル基地を作ろうとしている。
そもそも島にとって一番大切な物は水だろう。水源地である場所に秘密厳守の自衛隊基地を作るという発想自体がどこかおかしい。米軍基地からは様々な化学汚染物質が出ている。何故あの場所が良いとしたのかのすら説明しない。石垣の自然環境を守る上でも極めて重要な場所だ。
その重要な自然環境の破壊で有るにもかかわらず、環境アセスすら行わない。生息するカンムリワシさえ無視をされた。何故市長が率先してこんな無謀な島の破壊行為が続けるのか、信じがたいことである。市長は自然保護の市民憲章を守らない。
想像では予定地には、旧ジュマールガーデンという売りたい地主がいた。市有地が周りに広くある。ここならば自衛隊基地を作りやすいと言うことがこの場所を選定した理由であろう。むしろ基地を作りたい市長が自衛隊に対して進言した場所なのだろう。
民意を問う住民投票はしない。裁判の結果も待たない。そして、市有地を自衛隊に売り渡す。こうした行為すべてが、民主主義の破壊である。
「ミサイル基地に市有地は売らない。!貸さない!」市民ウオークが2月11日午後1時から新栄公園で行われる。わたしは参加をする。ぜひみんなで市議会や市長に反対をアピールをしよう。
ミサイル基地の危機は迫っている。市長が貸し出しをしてしまえば、もう一段進んでしまう。住民投票を待たずに自衛隊基地を作らせことはあってはならないことだ。何としてもここで止めなければならない。