日米安保はアメリカの為に、アメリカの負担になっていた。
トランプ大統領が日米安保がアメリカの負担ばかりが大きいと主張を始めた。この考え方はアメリカから見れば当たり前の話だ。以前からアメリカ政府にはあった話だ。これを言いだすと、日本がアメリカから離れるという不安が今までの政権にはあったのだろう。
ところが、トランプはすり寄る安倍氏の姿から、脅せば何とでもなる国だと判断したのだろう。日本の姿勢には国家としての尊厳がない。属国なのだから、朝貢が必要になる。
日本が片務的だと認めたとして、どうしようというのであろうか。片務的だから、アメリカ兵が暴行を働いても、大目に見るべきだ。軍用機が小学校に物を落としても、我慢しろという事なのか。トランプのことだから、貿易戦争の方でよくしろという事だろうと言われている。属国は耐えがたい。この一事で日米安保は破棄したい。打算で判断すべきことではない。
トランプはオバマが行った正義を、順番に覆している。オバマが嫌いだったのだろう。アメリカを良くしたいというより、オバマの痕跡をアメリカから消したいだけなのではないかと思えてくる。
日米安保が片務的になってきたのは、アメリカの世界戦略が変わってきたからである。アメリカは好き好んで沖縄を占領していたのだ。ベトナム戦争をしていたころを考えれば、ベトナムで防共の戦争をしていたのがアメリカなのだ。ベトナムは片務的どころか、一方的に無意味な戦争をしていたのだ。
イラク戦争はどうだろうか。何故大量破壊兵器を隠しているとして攻撃をしたのか。アメリカは世界を指導してゆくつもりだったのではなかったのか。自由と正義を掲げて、独裁国家の暴走を止めるつもりだったのではないか。そういう正義の建前は捨てたという事なのだろうか。捨てたならば、ますます日本はアメリカと同盟国であってはならない。
トランプアメリカは一国主義である。アメリカ以外のことはどうでもいいと考えている。北朝鮮を経済封鎖しているのは、北朝鮮がアメリカに核ミサイルを打ちこむ可能性が出てきたからだ。今や中距離の核弾頭なら認めようという案が出てきている。アメリカに届かなければいいわけだ。
日本を守る気など本当にあるのかどうかさえ疑わしいくなっている。そう考えれば、日本を守ることが負担になってきているのは事実だろう。アメリカの明確な利益がなければ、日本に駐留する必要がない。せいぜい、危険な軍事訓練場所ぐらいだ。
日韓対立についても、以前のアメリカであれば両国間の調整をしたはずだが、今や利益のないことにはかかわらない姿勢である。その結果ついに日本が輸出規制を行うという、経済戦争の発端を開くことになってしまった。
世界の対立をコントロールするつもりでいたアメリカが、今や世界の対立をエスカレートさせるような動きさえしている。イランに対して、外交素人のあべ氏に仲介させ、日本のタンカーが攻撃されるというひどいことさえ起きてしまった。その後の日本政府の反応は沈黙である。アメリカは自分の国の船は自分で守れと叫んでいる。日本に独自の外交がないという事だ。
日米安保条約は破棄すればいいのである。その上で、日本の安全保障を、根本から考え直すことだ。アメリカの核の傘が無くなれば、どうだというのだ。そういう当たり前の国はいくらでもある。核攻撃はどこの国が行おうとも、世界中から反撃されるという世界条約が必要なのではないか。日本が呼びかければいい。
世界の安全保障を呼びかけるには日本が最もふさわしい国だ。そのような憲法を持つ国である。このまま経済戦争が続けば、強い者の主張が通るという、理不尽な社会になるだけだ。日本は韓国より強い気で仕掛けたが、良い結果が出るとは思えない。
弱かろうが、小さかろうが、正しい国が守られる世界にならなければならない。その希望が日本国憲法にはある。それ以外に世界が崩壊から逃れる道はない。世界の危機はそこまで来ている。
日米安保を破棄するとともに、東アジアの一国として生きる姿勢を持たなければならない。韓国とも仲良くならなければならない。中国とも仲良くならなければならない。憎しみ合って良いことは何もない。相手の非を責めるのではなく、謙虚な国になることではないか。
政見放送の影響で書きました。