放射線の人体への影響

      2019/06/20

放射線がどのように人体に影響するかは明確には分からないことだ。福島の子供たちにがんが多発していると訴えている人たちがいる。一方に徹底的に調べれば日本中変わりはないという人もいる。科学的に何らかの証明がまだどちらも十分とまでは言えない。広島や長崎の原爆投下後の長期の疫学的調査がある。3つの病気について追跡がなされているようだ。一つがガンの疫学調査。公益財団法人放射線影響研究所『わかりやすい放射線と健康の科学』というものである。こういう大丈夫だという報告を読んでも、信用できない人も多いいことだろう。嘘で塗り固められていた安全神話があった。何もかも信じられないというところに追い込まれた訳だ。原発にまつわるすべてが安全神話であり、不信感は当然のことだ。科学を信じられないという心境になっている人がいる以上、白い布が放射線防御服になると言って、さ迷い歩く宗教集団を笑うことは出来ない。農の会でも大根がとんでもない奇形になった。放射能の影響と思われるがどうだろうかと、相談があった。もしそれが本当であれば、そこに相当強い放射能があると思われる。測定してみる必要があるというしかない。

もう人を信ずることができない心境の人にとっては自ら測定してみる以外に解決はない。心のよりどころもない。ところが、測定器には表れない放射能のなにもかもを怖れることになる。小田原には住めなくなると、本気で講演して歩いた人がいる。この人は今小田原に住んでいる人に何を言うのだろうか。住めないか住めるかはそれぞれが判断することである。明確な科学的根拠がない以上人を扇動するのは良いことではない。風評被害を煽ることになる。もちろん、小田原の農産物は危険で食べれないという人も多数存在した。横浜の教育員会では、小田原のみかんを放射能で汚染された危険なものとして、拒否した。それに賛同した小田原の市会議員さえいる。どちらが正しいという意味でないが、そういう放射能に対する態度を私は忘れない。カリ肥料には放射能があるから入れてはいけないと言ってきた人もいた。不安にさいなまれた結果の魔女狩りだと私は思っている。こうして被害者が農業者を加害者として追い詰めたことを忘れることはできない。追い詰めた人たちはもう忘れていることだろう。

原発は止めなければならない。このように弱者同士が、いがみ合うようなことになったのは、原発事故である。原発事故を予測できない天災であるとして、東電の誰も責任が問われていない。あれほどの事故を死んだ人もいない些細な事故だと、主張した大臣さえいる。この背景にあるものは、経済至上主義である。既得権益を守る政治を許すことはできない。原発事故を契機に日本は再生可能エネルギーの生産国に変わらなければならなかった。ところが、経団連会長が相変らず原発にしがみ付くしか展望が作れない。こういう人を見るともう日本はダメなのだと思わざる得ない。弱い心の政治である。新たな分野に切り込む勇気がないのだ。そうして侮っている内に中国に再生エネルギー開発で後れを取っている。恥ずかしいことではないのか。中国を馬鹿にして仮想敵国いしている間に、日本は大きく出遅れたのだ。そしてこの今になっても、特権階級政治にしがみ付く以外、展望が持てなくなっている。

トランプアメリカは、確かに中国と貿易戦争をしている。しかし、トランプは欲得で動くだけだ。必ず中国と新たな関係を作る。その時に、安倍のアメリカにしがみ付き政治は切り捨てられることになる。日本は日本自身の足で立たつ必要があるのだ。軍事力でもアメリカがいなくなれば、原爆を持たない以上対抗できるものはない。いつも脅されるだけになる。それぐらいならば、平和外交に舵を切る方がマシではないか。日本が武力を用いない、平和国家として世界の先例になる。それを支持してくれる人も世界には多いいはずだ。アメリカにも、中国にもいるはずだ。そうした平和主義者と連帯してゆく国になる。その方が、日本の安全は守られるはずではないか。放射能であった。放射能も同じなのだ。原発を止める。再稼働に反対する。このことに全力を傾注すべきだ。放射能被害の問題は原発再稼働阻止にむかわなければ、弱者同士の足の引っ張り合いで終わる。

 

 

 

 

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