日中関係の改善の兆し
日中関係の改善に日本政府は乗り出している。アメリカにいつまでもへばりついていても、もう無理だというアベ政権の判断があるのではないだろうか。今までの面子のようなものがないというところが、いいような悪いような。日本は日本としてどうあるべきという方角を持っていないから、経済の有利不利でしか動くことができないという見苦しさが伴う。閣僚が靖国神社に行かなかった。河野外相が中国の王毅外相と会談し、アジア地域のインフラ整備事業などで日中の官民の協力体制を強化することで合意した。また、安倍首相が10月に中国を訪問し、習近平主席が来年6月までに日本を訪問する方向で、日中友好を進めることにした。本来であれば、日本が東アジアの島国であるという現実から、日本の未来を描くことが必要な時だ。日本が20年間中国敵視政策を続けた理由はアメリカにしっぽを振る為である。そして中国が優勢になった今、中国にしっぽを振るという事に過ぎない。恥ずかしいという意識がないところが日本の良さかもしれない。遅きに失したとはいえ、トランプアメリカのお陰で本来の所に日本が戻れるかもしれない。
トランプアメリカの経済は地上げ屋の交渉術だ。脅したり、すかしたりしながら、相手を値踏みし、安く買い叩く。自動車に関税を25%かける。嫌ならアメリカ国内で生産しろ。こういう言い方である。相手も良くなれば自分も良くなるという日本の商人道とは大きく異なる。地上げ屋だから、先のこと等考えない。ハゲタカ商人である。相手が崩壊した方がさらに自分が独占可能だというのだろう。ハゲタカ商法には未来はない。だからまともな商人は信用というものを大切にする。信用を付けて少し先の大きな利益を得ようとする。相手を育てることも、自分が大きくなるためには必要だという相互扶助の考えがある。これが本当の日米が友好国であるという意味だが、そういう事が地上げ屋には通用しないという事が、日米交渉で見えてきたのだろう。すり寄る安倍を本音ではどのように利用するのが一番得なのかを見定めたのだ。アメリカの国防費の削減になるなら、日本に駐留してやっても良いと主張しているのだ。駐留米軍のヘリコプター事故の件で日本の総理大臣安倍晋三が直接トランプにひどすぎる。事故調査が終わるまで飛行停止にしてくれとお願いした。にもかかわらず無視されて終わりだ。費用をお前が出すなら、調査をしてやる程度の言い草なのだろう。
TPPにアメリカを復帰させるなどと、あり得ないことにさすがに気付いたようだ。あめりかのいないTPPは公平なものになる可能性がある。むしろTPPを中国の一路一帯という経済圏とTPPを良い関係のものにする。アベ政権が中国との関係改善に方向を向けている。当然のことでそれ以外に日本経済の未来はないからである。アメリカよりも中国の方が近くにある。日本にとって大きな経済関係がある。現状の日本の仮想敵国が中国であるという妄想から日本は抜け出ることが出来るかもしれない。中国と友好関係を結べば日本の安全保障は大きく前進をする。最近、中国批判をあの産経新聞すら抑える傾向を感じる。アベ鵺から指示が出ているのだろう。アベ鵺は拝金動物である。金の匂いで動いている。ヨーロッパがアメリカを見限り始めたことと同様に、日本企業もアメリカにだけ従っていたら、ひどい目に合いそうだと気づき始めたのだ。いくらアメリカに貢いでも、ハゲタカでは全てを奪われかねない。中国との関係を改善した方が、将来性としては良いのかもしれない。と思い始めているようだ。最近安倍氏の軽い口からも、仮想敵国中国という言葉は消えている。
具体的に方角の変更を中国に示す必要がある。沖縄の米軍基地の凍結である。辺野古米軍基地の工事を当面見合わせたらいい。判断を引き延ばすことだ。そして、西南諸島のミサイル基地の建設も、情勢の判断が付くまで計画の停止する。理由は何とでも付くだろう。中国に対して具体的に敵対関係はやめるという、合図を送らなければならない。米韓の関係がどのようになるのかも重要な要素になる。話し合いなど不可能だと考えていた日本政府の読みは完全に外れた。北朝鮮の朝鮮半島非核化、共同軍事演習の中止が、今後の変化を見定める必要がある。戦後73年続いた、アメリカの日本支配が終わろうとしているのだ。ここは時間をかけて、方角を見定めることが一番大切になる。河野外務大臣もアメリカから中国にかじ取りを変えれば、総理大臣の可能性が出てくるかもしれない。第2の田中角栄になれ。